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サブスクには月いくらまで使うべき?月収ごとの適正コストを考える

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サブスクには月いくらまで使うべき?月収ごとの適正コストを考える
2020.10.29
サブスクリプション型サービスは、いまや当たり前のものとなりつつあります。映画やドラマなどの動画コンテンツや音楽鑑賞、書籍や雑誌の読み放題などのサービスに加入している人も多いのではないでしょうか。しかしなにも考えずにあれもこれもと契約すると毎月の支払いがかなり高くなるケースも少なくありません。そこで本記事では、毎月の収入に応じたサブスクリプションの「適正コスト」について考えていきます。

動画配信サービスは1~2種類に絞る

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(画像提供:monet/stock.adobe.com)
実際に人気のサブスクリプション(以下、サブスク)の内容を比較検討していきましょう。まずは人気の動画配信サービス(VOD)です。
2020年5月に株式会社HANABISHIが日本全国の3,864名を対象に行ったアンケート調査によると26.9%にあたる1,039人が「有料の動画配信サービスを利用している」と回答しました。主なサービスの利用者は以下の通りです。

動画配信サービス

利用者数(複数回答)

Amazon Prime Video(アマゾンプライムビデオ)

609人

Netflix(ネットフリックス)

206人

U-NEXT(ユーネクスト)

156人

Hulu(フールー)

156人

dTV(ディーティービー)

96人

DAZN(ダゾーン)

71人

Amazon Prime Videoが突出して多い理由としては、宅配サービスの配送料無料などのメリットを享受したい層が多いことが考えられます。また月額料は以下の通りです。

動画配信サービス

月額利用料金(税込)

Amazon Prime Video(アマゾンプライムビデオ)

500円

Netflix(ネットフリックス)

880~1,980円

U-NEXT(ユーネクスト)

2,189円

Hulu(フールー)

1,026円

dTV(ディーティービー)

550円

DAZN(ダゾーン)

1,925円

月額料でも宅配をはじめとした特典付きのAmazon Prime Videoの割安感が光ります。Amazon Prime
Videoの強みは、その拡張性にあると言えるでしょう。オリジナルコンテンツの数はNetflixに及ばず会員見放題の作品もU-NEXTと比較すると若干限られます。
その代わり作品ごとに都度課金(レンタルもしくは購入)することでさまざまな作品を見ることが可能です。追加の課金をいとわず膨大なアーカイブから作品を選びたい人にとって「拡張性の高さ」は大きなメリットと言えるでしょう。
Netflixは『ストレンジャー・シングス』や『愛の不時着』といった他社では見られないオリジナルコンテンツに圧倒的な強みを持っています。バリエーションもドラマや映画、ドキュメンタリー、コメディなど多種多様。「いま話題のこの作品が見たい」という人にとってはコストパフォーマンス度外視で加入を検討できるサービスです。
しかし倹約家の場合は「見たいときに加入して見ないときは退会する」といった使い方もできるかもしれません。Huluはリアルタイムの国内ドラマや邦画、U-NEXTは膨大なタイトル総数と雑誌読み放題サービスなどの特典、dTVはリーズナブルさなどそれぞれに異なる強みを持ちます。
DAZNだけは少し変わっていてサッカーをはじめ野球、テニス、モータースポーツなど国内外のスポーツをリアルタイムで見たい層にとってマストな内容です。
もちろん全サービスに加入しても限られた時間の中で膨大な作品すべてを見ることはできません。自分の趣味や余暇時間、収入などを冷静に判断し1~2種のサービスに絞って加入すると無駄が少なく賢い使い方になるのではないでしょうか。その場合、サブスク型の動画配信コンテンツにかかる月額は500~2,000円前後です。

音楽配信はSpotifyかApple Musicを好みでチョイス

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(画像提供:takasu/stock.adobe.com)
動画配信と並んで最もメジャーな月額課金の対象となるのが音楽配信サービスではないでしょうか。この分野は、全世界的にSpotify(スポティファイ)とApple Music(アップルミュージック)の2強状態が続いており、その他のサービスは後れをとっているのが実情です。日本においてもその傾向は変わらず、月額料金や総曲数で判断するのであればどちらかのサービスを選ぶことになるでしょう。
価格はSpotify、Apple Musicともに月額980円(税込)です。またどちらも“学割”に対応しており学生の場合はともに月額480円(税込)で利用することができます。
総楽曲数はSpotifyの約5,000万曲に対してApple
Musicが約6,000万曲です。多くのラインナップが重複していますが、いずれかのサービスでしか聞くことができない楽曲(ミュージシャン)もあるため、その点については事前のリサーチを推奨します。

音楽配信サービス

総楽曲数

月額利用料金(税込)

Spotify
(スポティファイ)

約5,000万曲

・Standard:980円
・Student:480円

Apple Music
(アップルミュージック)

約6,000万曲

・個人:980円
・学生:480円

ほとんど差のない両サービスであるため、最終的にはUI(ユーザーインターフェース)や音質、プレイリスト機能などの細かい点において判断をすることになるでしょう。
WindowsやAndroidユーザーがSpotifyを選ぶことが多いようです。一方iPhoneやMacBookを日常使いするAppleユーザーはiTunesとの同期やiCloudでのデータ管理などを含めてApple Musicを選択することが多いと言えます。
もちろん例外もあり、決め手はほとんど各人の“好み”のレベルです。どちらを選択しても後悔することはないでしょうが、それぞれに3ヵ月の無料トライアル期間があるため、両方のサービスを実際に使って比較検討するのもよいのではないでしょうか。
このように音楽配信のサブスクに加入する場合の月額は980円(学生の場合は480円)というのが相場になります。

「手取り月収20万円で毎月約3,000円」という現実的な基準

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(画像提供:takasu/stock.adobe.com)
趣味や娯楽の領域に限定した場合、その他のサブスクサービスで有力な選択肢にとなるのは月額980円(税込)でさまざまな本が読み放題となる「Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)」です。またゲームのサブスク「PlayStation Now(プレイステーションナウ)」1,180円~(税込)や「Nintendo Switch Online(ニンテンドースイッチオンライン)」1ヵ月306円(税込)なども選択肢としてあげられます。
その他にもコスメやファッション、マッチングアプリにカーシェアリングなどサブスク型サービスはジャンルを問わず盛りだくさんです。しかしいずれも明確な目的意識を持って加入するものであり毎月○○円といった固定の出費というより「必要なときに使う」といった種類のサービスと言えるでしょう。

お楽しみ費は手取りの2割程度が目安

ここまで紹介したサービスの数々と特徴を踏まえたうえであらためて「どの程度の金額をサブスクに使うのが適正なのか」を検討することが必要です。もちろん手取りの収入(税金や社会保険料などの非消費支出を差し引いた可処分所得)によって使える金額は変動しますが“割合”についてはさまざまな調査結果が出ています。
例えばマイナビニュースによる2013年の調査では、趣味に使っているお金は収入の10%以下が47.8%、10~20%が26.2%と約8割の人が収入の2割以下と回答しました。またファイナンシャルプランナーの見立てでも趣味のほかに交際費や被服・美容費などを含めた「お楽しみ費」は手取り月収の2割程度にとどめることが望ましいそうです。
金額ベースでは、mymo(マイモ)が2019年12月に調査したアンケート結果によると「1万円以上5万円未満」が30%、「5,000円以上1万円未満」が22%と上位を占めました。
こうしたリサーチを踏まえると仮に手取り月収が20万円の場合は約2割の4万円が「お楽しみ費」となります。さらにその25~50%の1万~2万円(手取り収入の5~10%)が無理なく「趣味」に使えるお金の基準と言えるでしょう。
サブスクに話を戻すと、例えばAmazon Prime Videoで毎月500円、SpotifyもしくはApple Musicで毎月980円です。そこにNetflixやDAZN、Kindle Unlimitedのいずれかを加えても合計月額は約2,360~3,460円。この金額であれば手取り月収20万円が「趣味」に使える5~10%の範囲に十分収まります。新卒~数年目の社会人にとってもかなり現実的な数字だと言えるのではないでしょうか。
また大学生の場合は「一人暮らしなのか」「実家暮らしなのか」で異なりますがアルバイトの収入や仕送りなどで自由に使えるお金が3万~4万円程度あれば手取り20万円の場合とほぼ同様の感覚でサブスクに加入しても問題なさそうです。

上位トップ3の趣味をリーズナブルに楽しめるサブスク

2018年の博報堂生活総合研究所による調査では、今回紹介したサービスで楽しめる「映画鑑賞」「読書」「音楽鑑賞」といった項目が「よくする趣味・スポーツ」の上位トップ3となっています。劇場での映画鑑賞や新刊・新譜の購入を除いてこういった趣味すべてを月額3,000円前後で網羅できてしまうと考えるとサブスクのお得さがしみじみと理解できますね!
音楽好きや映画・ドラマ好きだけどまだサブスクに加入していない人は、ぜひ本記事を参考にサービスを検討し無理のない範囲で月額課金をスタートしてみてはいかがでしょうか。

執筆者:株式会社ZUU

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