[ ここから本文です ]

日本赤十字への寄附も対象!ふるさと納税以外にもある寄附金控除

この記事は5分30秒で読めます。
日本赤十字への寄附も対象!ふるさと納税以外にもある寄附金控除
2020.10.28
寄附金控除というと近年では多くのCMでも見かけるふるさと納税が大人気ですが、控除の対象となる寄附金はほかにもあることを知っていますか?災害時などに医療支援で活躍している日本赤十字社への寄附など、今回は寄附金控除の対象について解説します。

寄附金控除ってなに?

ライフ×マネー,寄付金控除,節税
(画像提供:kumashacho/stock.adobe.com)
寄附金控除とは、国や地方自治体、公益的な活動をしている法人などへ寄附した場合に受けられる所得控除のことです。支出した寄附金は特定寄附金と呼ばれ、確定申告することで課税額が抑えられたり、税金が還付されたりする場合もあります。
個人で見た場合、寄附金控除は控除の対象となる特定の法人や団体などに寄附した人で、所得税を納めている人が対象です。つまり年収を103万円以下に抑えているアルバイトやパート、専業主婦は所得税が発生しないため、特定の団体に寄附しても控除は受けられません(ただし、年収100万円超の場合は住民税が発生するので年収103万円以下でも控除を受けられることがあります)。
上記の条件を満たしていても、学校入学関連が目的の寄附、政治資金規正法違反にあたる寄附、支出した人に特定の利益が生じる寄附などの場合は、寄附金控除の対象外です。寄附をしたいと考えている場合は、控除の対象となっているかどうかを先に確認しましょう。

ふるさと納税との違いは?

ライフ×マネー,寄付金控除,節税
(画像提供:kumashacho/stock.adobe.com)
個人で手軽にできる寄附として人気がある「ふるさと納税」は、地方自治体への寄附に対する寄附金控除の1つです。豪華な返礼品を目的に、カタログショッピング感覚でできる寄附としても注目されています。
寄附する対象の自治体は、自分の居住地に限られていません。限度額は寄附する本人の収入などによって異なりますが、寄附金から自己負担額2,000円を差し引いた全額を控除するのが原則とされています。
確定申告せずに控除が受けられる「ワンストップ特例制度」も、ふるさと納税の大きな特徴です。給与所得者など確定申告が不要かつ寄附した自治体が5つまでであることが条件で、ふるさと納税先の自治体に特例適用の申請書を提出することで適用されます。
会社員で副業による所得がないという人の場合は、このワンストップ特例制度を利用できることが多いため、より手軽に控除申請することが可能です。控除される対象は所得税ではなく、翌年度に納付する住民税である点に注意しましょう。

控除対象の寄附金は6種類

控除対象となる寄附金は、大まかに次の6種類の団体に対するものに分類できます。
  1. 国と地方自治体(都道府県、市区町村)
  2. 公益社団法人・公益財団法人
  3. 独立行政法人、日本赤十字社、学校法人、自動車安全運転センターなど
  4. 特定公益信託
  5. 政党(支部含む)、政治資金団体
  6. 認定NPO法人など
上記のうち政党や認定NPO法人、公益社団法人などを対象にした寄附については、所得控除である寄附金控除の代わりに、寄附金特別控除として税額控除を受けることも可能です。該当する場合は寄附金控除と寄附金特別控除のうち、節税効果が高くなるほうを選ぶといいでしょう。

確定申告のために知っておきたいこと

ライフ×マネー,寄付金控除,節税
(画像提供:kumashacho/stock.adobe.com)
寄附金控除の確定申告をする際には、いくつか大事なポイントがあります。きちんと確認しておきましょう。

控除額の計算方法

寄附金控除額の算出方法は2種類です。確定申告時には低いほうの金額が寄附金控除額になります。
  • 対象となる年の特定寄附金総額-2,000円
  • 対象となる年の総所得金額等の40%-2,000円
寄附金特別控除額は寄附先の団体によって算出方法が異なり、こちらは税額控除となります。控除額はすべて100円未満切り捨てです。
  • 政党など:(寄附総額-2,000円)×30%
  • 認定NPO法人など:(寄附総額-2,000円)×40%
  • 公益社団法人など:(要件を満たした寄附総額-2,000円)×40%

確定申告に必要な書類

控除を受けるための条件として、確定申告書を提出する際に寄附金控除や寄附金特別控除に関して記載された書類を添付する必要があります。ただし、下記の1と3は申告書の提出時に書類を提示する方法でも構いません。
  1. 寄附先が発行した寄附金の受領証、領収書(電磁的記録印刷書面でも可)
  2. 選挙管理委員会等の確認印のある「寄附金(税額)控除のための書類」(政治活動関連への寄附の場合)
    ※ 確定申告期限までに添付できない場合、寄附金の受領証の写しを代わりに添付。書類が届き次第、税務署へ提出
  3. その法人や信託が適格であることなどの証明書の写しまたは認定証の写し(特定公益増進法人への寄附や特定公益信託への寄附の場合)
なお必要書類は寄附先の団体が送ってくれますが、場合によっては届かないこともあります。手元にないときは寄附先へ連絡して、寄附金控除を受けたいけれど書類が手元に届いていないとの旨を相談してください。

寄附をする際は控除手続きも忘れずに

寄附は基本的に社会や誰かの役に立ちたいという気持ちで行うものですが、寄附先によっては控除というメリットがあることも頭に入れておきましょう。せっかく寄附したにもかかわらず、条件の不一致や手続きの失念により控除が受けられないという事態は避けたいところです。
節税の恩恵を受けるためにも、寄附と控除手続きはセットで考えるようにしましょう。

執筆者:株式会社ZUU

※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途ホームページ等でご確認ください。

  • 本サイトの記事は情報提供を目的としており、商品申込等の勧誘目的で作成したものではありません。
  • また、一部、当行にて取り扱いのない商品に関する内容を含みますが、商標登録されている用語については、それぞれの企業等の登録商標として帰属します。
  • 記事の情報は当行が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その確実性を保証したものではありません。
  • 記事は外部有識者の方等にも執筆いただいておりますが、その内容は執筆者本人の見解等に基づくものであり、当行の見解等を示すものではありません。
  • なお、記事の内容は、予告なしに変更することがあります。

あわせて読みたい

人気記事ランキング

株式会社 三菱UFJ銀行
(2022年3月28日現在)