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「インフレ」「デフレ」をおさらいしよう!経済現象の基礎用語を解説

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「インフレ」「デフレ」をおさらいしよう!経済現象の基礎用語を解説
2020.8.21
コロナショックで激動の世界経済。毎日のニュースではさまざまな経済用語が飛び交い、経済状況の変化をより身近に感じることが増えています。そんな現況を踏まえ、ここでは、インフレ・デフレなどの基礎的な経済用語を改めて解説します。

「インフレ」「デフレ」とは

「インフレーション(インフレ)」とは物価が上がり続けて、お金の価値が下がり続けること。対して「デフレーション(デフレ)」とは、物価が下がり続けて、お金の価値が上がり続けることです。いずれもメリット・デメリットを持ち合わせています。

インフレのメリット・デメリット

インフレは、好況下でモノ・サービスに対する需要が増加し、供給を上回ることで発生します。モノの価格が上がっていくため、消費者は買い物を先延ばしにせず「安いうちに買おう」という心理が働きます。そうして消費が活発になればなるほど、企業は売上が増えるため利益の改善が見込まれ、従業員の給料も上がるなど、社会にお金が循環して景気は上昇します。
一見すればインフレは良い面ばかりのように感じますが、デメリットもあります。それは「お金の価値が下がる」ということ。
1円の価値が下がれば、例えばコツコツ貯めてきた貯蓄の価値も下がってしまうのです。例えば200万円の車を購入するために一生懸命200万円貯めたとしても、インフレによって車の値段が300万円に上がってしまえば、その車を買うことはできなくなります。これが、お金の価値が下がってしまうということです。
これをインフレリスクといい、特に現金や固定金利の定期預金、債券などはインフレリスクに弱い側面を持っているので、きちんと理解しておくことが重要です。

デフレのメリット・デメリット

デフレは、不況下でモノやサービスに対する需要が減少し、供給を下回ることで発生します。モノの価格が安くなる「デフレ」においては、消費者は「もう少し待てばさらに安くなるのではないか」「もう少しお金に余裕があるときに買おう」など、買い控えの心理が働くため、どんどんモノが売れにくくなります。
企業は売上が上がらず、「利益の減少にともなって従業員への報酬を減らす」「設備投資を抑える」などの対策をとるため社会にお金が回らなくなり、景気が悪化してしまうのです。これをデフレスパイラルと呼びます。
また、物価が下がることでお金の価値が上がります。これは、貯蓄をしている人にとっては朗報ですが、借入をしている人にとってはツラいことです。借りた当初より1円の価値が上がってしまうため、より返済に苦労することになります。
このような物価の変動を極力おさえるために、中央銀行が「公開市場操作」などの金融政策を実施するのです。物価の安定をはかり、適正に管理することが、中央銀行が金融政策を担ううえでの目的となります。

スタグフレーションってなに?

もうひとつ、おさえておきたい経済現象として「スタグフレーション」があります。
スタグフレーションとは、景気が後退しているにも関わらず、インフレが同時進行してしまう現象です。「不況下のインフレ」ともいえます。インフレで物価が上がり続けているのに、景気は低迷してお金の価値も下がってしまうという極めて厳しい経済状況です。
通常、景気の停滞によって需要が落ち込めばデフレとなりますが、例えば原油価格の高騰など、原材料などの価格上昇などをきっかけに、不景気なのに物価は上昇してしまうということがあります。1970年代のオイルショックがまさにそれです。
景気悪化でデフレ必至に思えるポストコロナにおいても、輸入価格の高騰や物流コスト増大など、多くのインフレ要因が存在しています。そのため、今回のコロナ禍による物流停滞の影響で航空貨物運賃が急騰した時には、このスタグフレーションが発生してしまうのではないかと懸念する声もありました。
ここへきてようやく航空貨物運賃の下落傾向が見えてきましたが、それでもなおスタグフレーションを予測する見方は絶えません。

知識を蓄えて、経済をもっと身近に感じよう!

ここで解説した用語は、経済の授業で習った人も多いと思いますが、忘れている人も多かったのではないでしょうか。学生のうちは机上の知識として学んでいた経済も、社会に出れば日々の生活に大きく影響することが多いとわかるでしょう。「今、世界がどうなっているのか」にアンテナを張り、自分なりにニュースや物事を捉えられるよう、知識を蓄えていきたいですね。

執筆者:株式会社ZUU

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