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20代から備えたい親の“介護”

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20代から備えたい親の“介護”
2020.11.10
社会人となって仕事やプライベートが充実する一方で、将来に向けて考えていきたいのが「親の介護」についてです。家族構成などを踏まえ、今から不安を感じている人もいるでしょう。あるとき突然、介護が必要となる可能性もあるので、「親の介護」に向けていつからどんな準備をはじめるべきか、チェックしてみましょう。

「親の介護」について、いつから考えればいいの?

総合情報サイト「All About」を運営する株式会社オールアバウトが、介護経験のある30~69歳の男女663人を対象に「親の介護」について、2018年11月に調査を実施しました。
その結果、介護をはじめた年齢で最も多いのは45~54歳で35.9%、続いて44歳以下が34.6%となり、介護をはじめる年齢は40代以降が最も多いことが分かりました。
一方で、介護経験者の約6割が「介護に対する心構えができていなかった」と回答しており、介護を突然はじめることになった人が多いことが分かります。自分がまだ現役のときに、準備がないまま介護に直面すると、仕事との両立は大きな負担となるでしょう。
20代30代のうちは「自分の親はまだ元気だから、介護が必要になるのは先だろう」と誰しも思うものです。その一方で将来、家族できちんと話し合うためにも、介護に関する基礎知識をおさえておいて損はありません。

いざというときに困らないための準備

親の介護が必要になるとき、親がどんな状態になっていることが考えられるでしょうか。寝たきりになるなど身体的な障害があったり、認知症の症状が出ていたり、さまざまな状態が考えられますね。
症状などによって必要となる介護の内容は異なりますが、それでも最低限、介護の開始に向けて次のような話し合いや、情報収集から始めてみましょう。
  • どのような介護(方法)が、親と介護する家族の双方に適しているか
  • 家族がサポートできる程度はどれくらいか(介護のための役割分担)
  • 介護に使用できる親の資産(自分たちが負担できる費用)
  • ケアマネージャーなど、相談できる専門家などの情報
これらは、いざ介護が必要な状況になってから家族で話しはじめようとしても、なかなかうまくいきません。あらかじめ話したり、調べたり、準備しておくことで、いざというときにスムーズに話を進めることができるでしょう。
そのためにも、普段から家族でのコミュニケーションを取ることが大切です。実家を離れているなら帰省したときの気軽な会話や、電話などで日頃からコミュニケーションを重ね、親の考え方や生活状況を把握しつつ、いざというときにどのような対応をすべきか考えておくといいでしょう。
また親の体調などの変化について気にかけるとともに、備忘録を作るのもいいでしょう。親の健康状態については意外と把握できていないものです。いざというときに「そういえばこんな症状があった」「過去に大きなケガや、病気を患っていた」など、生活や健康状況に関する記録があれば、役立つでしょう。
すでに親が高齢の場合など具体的な準備が必要であれば、地域の介護支援体制や介護施設の情報収集など、調べられることは早めに調べておくと安心ですね。

こんなにある!介護保険をはじめとする制度

介護がはじまると介護認定調査によって要介護認定を受け、その結果(要支援1・2、要介護1~5の7段階)によって介護保険で使えるサービスの種類と頻度が決まります。原則として費用の1割を自己負担することで、設定された金額内での介護サービスを受けられます。

在宅で介護する場合

介護支援制度の中には「居宅介護(介護予防)住宅改修費」という項目があります。
在宅での介護の場合、介護を受ける人が必要とする「バリアフリー化」などのリフォームについて、申請すれば上限20万円まで介護保険から支給されます(一定の条件あり)。さらに福祉用具の購入、レンタルも介護保険制度が利用できます。

施設で介護する場合

一方、施設を利用した介護サービスについても確認しましょう。通所サービス(デイサービスなど)を利用するか、施設(老親ホームなど)に入所するかなど要介護度によって受けられるサービスは異なります。
また、施設には運営主体によって公的施設と民間施設があります。施設に入所する場合は、自立しているか、要支援か要介護か、その段階、家族の状況、看取りまで必要かどうかなど、それぞれ利用条件が異なるので注意しましょう。

家族の介護を支援する制度も

介護する家族が働いている場合には、職場で育児・介護休業法にのっとった介護支援制度を活用することもできますので、利用方法を事前に調べておきましょう。制度には「介護休暇」「介護休業」の主に2つがあります。
いずれにせよ、「親の介護」を具体的に考えはじめる場合には、市区町村の介護保険課や地域包括支援センターに出向きましょう。そこでケアマネージャー(介護支援専門員)を探すのが第一歩となります。介護保険の制度や内容、介護の方法、介護の悩みなど、さまざまなことを相談できますよ。

若いうちから、介護について考えてみよう

両親が現役で働いていれば、「親の介護」について考えるきっかけはほとんどないでしょう。その一方で“介護の苦労”は社会問題にもなりつつあります。「介護疲れ」や「介護うつ」「家族関係のもつれ」など、ニュースやドキュメンタリーで取り上げられるのを見たことがある人も多いでしょう。
私たちは年齢を重ねれば、誰しも介助・介護の必要が出てくると言えます。「介護は大変なもの」と、漠然とそのときを迎えるのではなく、今のうちからきちんと考え調べておくことで、いざというときに慌てず、いくらか余裕をもって「親の介護」に向き合えるでしょう。

執筆者:株式会社ZUU

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