20代注目、社会人入門!給与明細の見方、知ってる?
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2019.12.24
社会に出て初めてもらう給与明細。学生時代のアルバイトとは異なる金額に、新社会人としての実感が湧く嬉しい瞬間ではないでしょうか。しかし、実際の給与明細にはさまざまな項目があり、はじめは見方に戸惑ってしまうかもしれません。
今回は、基本給以外に記載される項目や控除の種類について知ることで、給与明細の正しい見方を学んでいきましょう。
手取り額の計算方法は?
会社から支給される給与明細には、基本給や交通費といった支給額だけでなく、社会保険や税金など差し引かれた金額も記載されています。会社員が受け取る手取り額は「差引支給額」などと記載されており、以下の計算式によって算出されます。
手取り額=支給合計(基本給、各種手当)-控除合計(社会保険、税金)
この支給合計と控除合計に含まれる各種項目については、次項で説明していきます。
給与明細の主な項目
給与明細の項目は主に「勤怠」、「支給」、「控除」の3つに分けられます。
勤怠:出勤日数・勤務時間など
勤怠には、対象月の勤務の状況が記載されています。欠勤や遅刻・早退、残業についての記載もあるため、間違いがないかしっかり確認してください。タイムカードを使用している場合、締め日に写真に撮っておくなどし、給料の支給後に明細書と照らし合わせてみるといいでしょう。
残業(時間外労働)があった場合、この残業時間数と、次に解説する支給の「残業手当」の額を照らし合わせてチェックします。
支給:基本給・各種手当
支給には、基本給のほか、残業手当や資格手当など各種手当が記載されます。非課税の通勤手当もこの欄に含まれます。
控除:社会保険・税
社会保険や各種税金など、給与から差し引かれる費用が記載されているのが控除欄です。天引きによる貯蓄制度である財形貯蓄や社内預金がある場合も、この控除欄に含まれます。
給与から差し引かれる所得税、社会保険料とは
給与から毎回引かれている所得税や社会保険料。損をしているように感じるかもしれませんが、それぞれがどのようなものかを知ることで、イメージは変わるかもしれません。
所得税の計算方法
一人ひとりの所得に対してかかる税金が「所得税」です。会社員の場合、毎月の給与から源泉徴収されて会社が代わりに納付します。ただ、毎月の源泉徴収はあくまで目安の金額となり、年末調整によってその年の実際の収入に応じた所得税が確定されます。そのため正確な所得税がいくらなのかは、年末調整後にしかわかりません。
毎月の源泉徴収額は、「給与等から社会保険料を除いた金額」と「扶養親族等の人数」をもとに、国税庁のホームページで公開されている「給与所得の源泉徴収税額表」という表にあてはめて計算されます。
たとえば、給与から社会保険料を除いた金額が20万円で、経済的に養っている家族がいない場合は4,770円になります(2020年分)。
所得税は毎月そのように計算されて天引きされていますが、年に1回、改めて正確な金額を計算し、納付金額の多すぎや少なすぎがないよう調整します。 これが年末調整です。年末調整は会社がやってくれますが、必要に応じて自分で確定申告することもあります。年末調整や確定申告のときの所得税額は、以下のような流れで計算します。
課税対象となる「給与所得」の計算法はこちら。
給与所得=総支給額(基本給・各種手当など)-非課税の手当(通勤手当など)―給与所得控除
給与所得控除の金額は収入に応じて決められています。2020年分以降は最低額が55万円となっています。
課税所得は年間所得から基礎控除(一律38万円。 2020年分以降の基礎控除については、納税者本人の合計所得金額に応じて変わる)や医療費控除、扶養控除などを引いて計算。
以下の基本的な計算式に当てはめて所得税を算出します。
以下の基本的な計算式に当てはめて所得税を算出します。
所得税=課税所得×税率-税額控除額
所得税額は所得・扶養親族等の数・社会保険料額等によって異なり、所得が多いほど段階的に高くなっていきます。つまり、収入が増えれば納付する所得税も多くなるのです。
社会保険の種類と内容
社会保険には、健康保険、厚生年金保険、さらに介護保険、雇用保険、労災保険があります。健康保険は「公的医療保険制度」によるもので、医療サービスにかかった費用などの一部を、公的機関が負担する保険です。
厚生年金保険は将来受け取る年金のベースとなるもので、会社員の場合は義務として加入します。厚生年金保険の計算方法は、「標準報酬月額(4~6月の総支給額の月平均相当)×保険料率(18.3%)」となっており、加入者と企業とが折半して納めます。
さらに40歳以降徴収される介護保険、退職後の失業給付などに関わる雇用保険、企業が全額納付する労災保険もあります。
初年度は住民税の徴収なしって本当?
給与から差し引かれる税金のなかには、住民票のある自治体に納める住民税もあります。企業が従業員の給与から天引きして住民税の納付手続きを行うことを、住民税の特別徴収と呼びます。
ただし、住民税は前年の給与によって計算されるため、新社会人は引かれるものがありません。2年目の5~6月ごろに受け取る税額決定通知書によって、その年に徴収される住民税の金額が通知されます。
ただし、前年度に一定の所得があれば課税されるので、学生時代にアルバイトに励んでいた場合などは確認を。
ふるさと納税やiDeCo(イデコ)を利用している場合は、この住民税や所得税が控除となります。そのほか、条件に応じて利用可能な住民税の控除制度もありますので、興味がある方は調べてみてください。
年金記録として保管しよう
給与明細は給与を把握するだけでなく年金記録としても役立つため、保管するようにしましょう。2007年には、厚生年金記録が正しく記録できていなかったことが社会的に問題となりました。
現在では、日本年金機構の「ねんきんネット」に基礎年金番号、生年月日、名前などを登録することで、これまでの納付総額と将来の年金額見込みを簡単に確認することができます。万が一、納付額に相違がある場合に備えて、年金保険料の納付額を確認できる給与明細を保存しておきましょう。
注目ポイントを押さえて、給与明細を管理しよう
以上、給与明細の基本的な見方についてでした。給与明細が発行されたら、勤怠と給与額の認識に相違がないか、都度確認する習慣を心がけてみてはいかがでしょうか。
上記の通り、給与明細は毎月の勤怠状況や収入だけでなく、納めた保険料や税金を把握する目的でも利用します。給与の受け取りを確認したらすぐに廃棄してしまうのではなく、ファイリングやデータ化を習慣化し、整理して保管しておくのもよいかもしれません。
今後は社会人として様々なお金の動きに関わると考えられますが、第一歩として、自分が働いて得たお金の流れを注意深く見てみることはいかがでしょうか。
執筆者:株式会社ZUU
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