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子どもの学費、大学卒業までにいくら掛かる?必要な金額と貯め方

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子どもの学費、大学卒業までにいくら掛かる?必要な金額と貯め方
2021.1.29
子ども1人を幼稚園から大学まで通わせるには、数百万円から数千万円単位の教育費がかかります。余裕をもって教育費を準備するため、事前に必要な金額を想定し、計画的に資金を貯めましょう。今回は、子どもの教育費として必要な金額の目安と、教育費の負担を減らせる制度、理想的な資金の貯め方について解説します。

子どもの教育費はいくらかかるのか?

子どもの教育費はいくらかかるのか?
(画像提供:morita/stock.adobe.com)
まず、幼稚園から大学までの一体どの程度の教育費が必要なのでしょうか。さっそく確認していきましょう。

幼稚園から高校までの学習費

子どもの教育にかかる費用は、国公立と私立どちらの学校を選ぶかによって大きく異なります。下記に、幼稚園入学から大学卒業までにかかる費用を文部科学省の公表資料をもとに試算しました。
 

公立

私立

幼稚園

67万941円

158万3,748円

小学校

192万7,686円

959万2,146円

中学校

146万5,191円

421万9,299円

高等学校(全日制)

137万2,140円

290万9,733円

幼稚園から高校までの学習費は、2019年に文部科学省が公表した「平成30年度子供の学習費調査」の「保護者が支出した1年間・子ども1人当たりの学習費総額(平均)」を参照し、幼稚園は3年、小学校は6年、中学校・高等学校は各3年として試算しています。
なお、「保護者が支出した1年間・子ども1人当たりの学習費総額(平均)」には、学校教育費(授業料や学校納付金、学用品代など学校教育のために各家庭が支出した全経費)のほかに、学習塾に通ったり、習い事をしたりといった場合の学校外活動費、幼稚園から高等学校までは給食費が含まれています。

大学4年間の学費

続いて文部科学省が2019年に公表した「国公私立大学の授業料等の推移」を参考に、国立・公立・私立大学の入学料、初年度の授業料、4年間にかかる学費を算出しました。ただし、公立・私立大学は平均値のため、特に私立大学の場合は学部・学科によって学費が大きく異なってくることがあります。
 

国立大学

公立大学平均

私立大学平均

入学料

28万2,000円

39万2,391円

24万9,985円

初年度授業料

53万5,800円

53万8,734円

90万4,146円

4年間でかかる学費

242万5,200円

254万7,327円

386万6,569円

※国立大学は国が示す標準額。公立大学は2019年度入学者、私立大学は2018年度入学者の学費
たとえば、幼稚園から高校は公立、大学は国立に通った場合、教育費の総額は約786万円です。また、幼稚園から大学まですべて私立に通った場合には約2,217万円が必要になります。
これは子ども1人にかかる教育費の総額ですから、子どもが複数いる場合は上記の教育費総額×人数分を準備しなければなりません。加えて、高校や大学進学で自宅を離れて通学する場合、家賃や生活費のための仕送りも必要になってきます。

学費の負担を減らす方法はある?利用できる制度

学費の負担を減らす方法はある?利用できる制度
(画像提供:chikala/stock.adobe.com)
子どもの教育費には安くはない金額がかかることがわかりました。子どもの将来に関わることですから、可能な限り子どもが望む環境で教育を受けさせたいと思うのは当然の親心でしょう。
しかし、現実問題として、家計への負担も大きいのが悩みどころです。また経済的に厳しい家庭もあることでしょう。そこで、教育費の負担を減らしたい家庭が利用できる各種制度を紹介します。

幼稚園や保育所の利用料に活用できる制度

幼稚園や保育所、認定こども園の利用料については、さほど心配する必要がなくなりました。2019年10月より、内閣府の政策として「幼児教育・保育の無償化」がスタートしたからです。
この制度により幼稚園、保育所、認定こども園などを利用する3~5歳の子ども、および住民税非課税世帯の0~2歳の子どもは、施設の利用料が無償化されます(子ども・子育て支援新制度の対象とならない幼稚園は月額2万5,700円が上限)。
ただし、食材料費、行事費、通園送迎費などは保護者負担になりますが、年収が360万円以下の世帯と第3子以降の子どもについては免除されます。

小学校・中学校の学習費に活用できる制度

小中学校の学習費補助に関して言えば、生活保護を受けている世帯やそれに準ずる程度の生活困窮者として住んでいる自治体に認められた場合、各市町村の「就学援助制度」を利用することができ、学用品から給食費、修学旅行代までさまざまな用途に対して資金援助を受けることが可能です。
就学援助制度は、市町村ごとに援助対象や内容が異なります。そのため、詳細は住んでいる市町村の役場窓口や公式ホームページで確認してください。
また文部科学省では、2017年~2021年度までの期間限定で、私立小中学校に通う年収400万円未満かつ資産保有額が600万円未満の世帯児童生徒への経済的支援事業も行っています。

高校の学習費に活用できる制度

高校の学習費には「高等学校等就学支援金制度」を活用できます。両親・子ども2人の4人家族で、両親の一方が働いていて、世帯年収が約910万円未満の場合、私立・公立いずれの高校に通っているかにかかわらず、11万8,800円(基準額)が支給されます。これで公立高校の場合、実質的に授業料が無償となります。
上記と同じ世帯構成で年収が約590万円未満の世帯ならば、私立高校(全日制)に通学している場合は年間で最大39万6,000円の支援を受けることができます。
なお、就学支援金は都道府県や学校法人など学校設置者が生徒本人に代わって受け取り、授業料に充当します。生徒や保護者が直接受け取る制度ではありません。

大学の学費に活用できる制度

大学の学費には、下記のような奨学金・ローンを活用できます。
  • 日本学生支援機構(JASSO)の奨学金
  • 大学独自の奨学金
  • 民間団体の奨学金
  • 教育ローン
奨学金には「給付型」と「貸与型」の2種類があり、貸与型の中でも利子がつくものとつかないものがあります。給付型以外の奨学金や教育ローンを利用した場合、将来的に返済の必要があることを認識しておきましょう(奨学金には高校生も利用できるものがあります)。

いつから貯蓄するべき?

いつから貯蓄するべき?
教育費の貯め方の基本は、堅実に預金を積み上げる方法です。毎月一定額を定期預金として積み立てる「自動つみたて定期預金」や、給与から天引きされる「財形貯蓄」を利用すれば、確実に預金を増やせます。
いざというときになって慌てないために、教育費の準備は子どもが幼稚園に入る前から貯め始めるといいでしょう。教育資金不足で子どもの将来の選択肢を狭めないためにも、余裕を持って貯蓄に取り組んでいきましょう。

執筆者:株式会社ZUU

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