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AI投資とは?メリット・デメリットやロボットアドバイザーとの違いを解説!

AI投資とは?メリット・デメリットやロボットアドバイザーとの違いを解説!
  • 2024年6月25日
現在、さまざまな業界でAIの技術が活用されており、私たちの生活に大きな変化をもたらしています。資産運用の世界でもAIの導入が進んでおり、「AI投資」として初心者から経験者まで幅広い層の注目を集めています。
この記事では、AI投資の概要やロボアドバイザーとの違い、AI投資のメリット・デメリットについて解説します。

目次

AI投資とは?ロボアドバイザーとの違い

AI投資を始めるときに知っておきたいのが、ロボアドバイザー(ロボアド)との違いについてです。AI投資とロボアドバイザーは同じ意味で使われることもありますが、正確には異なるものを指します。
利用を始めてから「思っていたものと違った」とならないためには、「AI投資とはどのようなものか」ということをしっかりと理解しておくことが大切です。
まずは、AI投資の概要について、ロボアドバイザーや従来の投資信託との違いを押さえながら学んでいきましょう。

AI投資とは

AI投資とは、人工知能であるAI(Artificial Intelligence)技術を活用して、市場のデータ分析や投資戦略の生成、リスク管理などを行う投資手法です。
AI投資の大きな特徴が、ビッグデータの分析やデータを学習する機能を用いながら市場のトレンドを予測することです。主に機関投資家などが利用することが多いものの、最近ではAI投資を活用した個人投資家向けのサービスも増えています。
また、AI投資は「AIが提案から投資まで行うタイプ」と「AIの機能を補助的に使って投資の提案を行うタイプ」の2種類に分けられます。

AIが提案から投資まで行うタイプ

AI投資には、AIが市場の分析を行い、投資先の選定から実際の売買まですべて行うタイプがあります。
市場のトレンドの変化に合わせてAIが投資配分を変更し、人による投資判断を介さないことが特徴です。

AIの機能を補助的に使って投資の提案を行うタイプ

一方、投資判断をすべてAIに委ねるのではなく、補助的に使うAI投資もあります。
基本は独自のアルゴリズム取引を用いながら運用しますが、今後の市場の予測や投資先の選定などピンポイントの投資判断にAIによる予測を活用する仕組みです。
なお、AI投資におけるアルゴリズム取引とは、株価の水準や市場の動向などに応じてコンピューターが機械的に取引を行うことを指します。

従来の投資信託との違い

AI投資を活用する際は、従来の投資信託との違いについても理解しておきましょう。
従来の投資信託は投資家から集めた資金をもとにファンドマネージャーが運用を行う一方、AI投資ではファンドマネージャーではなくAIがアドバイスや投資を行います。
ファンドマネージャーによる運用の場合、どうしてもその人の経験や手腕に運用成果が委ねられますが、AI投資は過去からの膨大なデータをもとに投資判断が下されることが特徴です。

AI投資とロボアドバイザーの違い

AI投資は、しばしばロボアドバイザーと混同されることがありますが正確には異なります。
ロボアドバイザーとは、プログラムされた独自のアルゴリズム取引を用いて投資家の投資目標やリスク許容度、投資期間などの意向に基づいて最適なポートフォリオ(分散投資を目的とした資産構成)を提案するサービスを指します。「ロボットが機械的に運用を行う」という点ではAI投資と似ていますが、ロボアドバイザーは必ずしもAI機能を用いているとは限りません。
このように、ロボアドバイザーの主な機能は、投資家のニーズに合わせた最適なポートフォリオの提案です。
これにより、「どのような金融商品に投資すればいいのかわからない」という人でも、投資意向に応じた投資戦略を立てやすくなります。
なかには少額から利用できるサービスもあり、個人投資家も利用しやすいことが特徴です。
AI投資とロボアドバイザーの違い
また、ロボアドバイザーには「自動運用型(投資一任型)」と「アドバイス型(助言型)」の2種類があります。

自動運用型(投資一任型)

自動運用型(投資一任型)とは、投資家の投資意向を踏まえてロボットが投資先の選定から運用まですべて行ってくれるサービスです。運用後も定期的に保有資産をチェックし、必要に応じてリバランス(ポートフォリオの見直しと調整)を実施してくれるメリットがあります。
「運用をすべて任せたい」、「自分で投資判断を下す自信がない」という人は、自動運用型が向いています。

アドバイス型(助言型)

アドバイス型(助言型)とは、投資家に対して投資先やポートフォリオの提案のみしてくれるサービスです。投資家はその提案をもとに投資先を選定し、自分で売買を行います。
「最終的な投資判断は自分で下したい」、「ロボアドバイザーの意見を資産運用に取り入れたい」という人には、アドバイス型が向いています。
ロボアドバイザーとは

AI投資のメリット・デメリット

AI投資を活用する際は、メリットとデメリットのどちらも理解しておくことが大切です。それぞれくわしく確認していきましょう。

AI投資のメリット

AI投資のメリットとして、下記の4点が挙げられます。

  • 膨大なデータによる市場分析が可能、機械学習で精度を高める
  • 初心者でも、自分に適した商品の提案が受けられる
  • 合理的かつ客観的な投資判断で運用できる
  • 手間がかからない

膨大なデータによる市場分析が可能、機械学習で精度を高める

AI投資の大きなメリットが、データの分析機能や学習機能を用いている点です。
人が資産運用を行う場合、これまでの市場の動向を記憶するには限界があります。ときには、記憶違いをしてしまうこともあるでしょう。
しかし、AIは膨大な量のデータを正確に記憶できるため、人に比べて多くの市場データを参照しながら運用に取り組むことができます。
また、AIは市場の動きを学習することも大きな特徴です。もし投資判断を誤ったとしても「なぜ予測どおりに市場が動かなかったのか」ということを学習し、予測の精度を上げていくメリットがあります。

初心者でも、自分に適した商品の提案が受けられる

AI投資では、AI機能によって投資先の選定や資産配分を提案してもらうことができます。
金融商品にはさまざまな種類があり、リスクの大きさもさまざまです。もし自分で投資先を選定するとなると、「選択肢が多すぎて選べない」、「自分には何が合っているのかわからない」と感じることも少なくありません。
その点、AI投資は自分の投資意向に合うものを提案してもらえるので、投資経験が浅い人でも自分に適した投資先を選定することができます。

合理的かつ客観的な投資判断で運用できる

AI投資では、過去の市場のデータを用いて学習することで、現在の市場動向に適した投資判断を下します。
人が投資判断を下す際は、どうしても「この投資先でいいのだろうか」など不安や迷いが生じてしまいます。なかには、「話題になっている銘柄だから投資してみよう」と曖昧な理由で投資先を選定することもあるかもしれません。
しかし、AI投資は過去のデータに基づいて、合理的かつ客観的な投資判断を下します。人の感情や思い込みに左右される心配がないため、冷静に資産運用に取り組めるメリットがあります。

手間がかからない

資産運用の手間がかからないのもAI投資の大きなメリットです。
市場は常に変動しており、適切な資産運用に取り組むためには定期的に市場の動きをチェックしたり、情報収集を行ったりしなければなりません。これから資産運用を始める人にとっては、「資産運用に充てる時間がない」、「きちんと情報収集ができるか不安」と感じている人も多いでしょう。
その点、AI投資では投資先の選定や売買を任せることができるため、少ない手間で資産運用に取り組むことができます。

AI投資のデメリット

さまざまなメリットがあるAI投資ですが、一方で次のようなデメリットもあります。

  • 短期的なハイリターンは得られにくい
  • 必ず利益があがるとは限らない
  • 手数料が高い場合がある
  • AIに任せっぱなしだと投資の知識が身につきづらい

短期的なハイリターンは得られにくい

AI投資は一般的に長期的な運用を目指しているため、短期的にハイリターンを得ることは難しいといえます。
金融市場ではときに突発的な変動が起こることがあり、いくらAIといえど、そうした突発的な変動を正確に予測するのは困難です。
また、AIは基本的に長期的なトレンドを捉えることに最適化されており、短期的な売買によって利益を得る取引とは相性が悪い傾向にあります。短期取引にともなうコストも、リターンを圧迫する要因になってしまいます。
そのため、AI投資は短期的なハイリターンを追求するよりも、長期的な視点での安定したリターンをめざすのに適しており、「短期投資で大きなリターンを狙いたい」という人には、少し物足りなく感じるかもしれません。
ただし、短期的なリターンが期待できるものは、その分リスクも大きくなる傾向にあります。投資初心者や経験が浅い人は、AI投資のように複数の金融商品に分散投資しながら、長期的なリターンを狙うことを検討してみましょう。

必ず利益があがるとは限らない

AI投資はAI機能を活用しながら投資判断を下しますが、だからといって「必ず利益を得られる」というわけではありません。市場は常に変動しており、ときには過去の経験則から外れた動きを見せることもあるためです。
そのため、AI投資を活用する際でも、損失を負うリスクについては必ず理解しておく必要があります。
もっとも、AI投資の魅力は「失敗を学習する」という点です。必ず利益があがるわけではないものの、失敗した要因をきちんと学習し、今後の予測に活かしてくれるのは投資家にとっても心強いポイントです。

手数料が高い場合がある

AI投資は、インデックス型の投資信託などと比較すると手数料が高い場合があります。
AI投資では、AI機能を用いてサービスを提供していることから、通常の投資信託に比べてコストが割高になる傾向があります。運用にかかるコストは運用成果にも直結する点ですので、コストの高さがネックに感じる人もいるかもしれません。
とはいえ、AI機能を活用することで資産運用にかかる手間を省略できるのは大きなメリットです。「手数料がかかっても投資にかかる手間を抑えたい」という人には、魅力的なサービスといえるでしょう。

AIに任せっぱなしだと投資の知識が身につきづらい

AI投資は自動で投資判断を下してくれるため、投資家は運用を任せっきりにすることができます。これは投資の手間がかからないメリットがあるものの、「投資の知識が身につきづらい」という側面もあります。
投資の手腕は、実際に自分で投資判断を下してトライ&エラーを繰り返しながら磨いていくものです。しかし、AI投資では自ら投資判断を下すことがないため、「今の相場にはどのような運用戦略が向いているか」といった手腕を身につける機会がありません。
「投資に関する知識を高めたい」という要望がある人は、ただAIに任せっきりにするのではなく、「AIがどのような投資判断を下しているのか」ということを定期的にチェックしてみると良いでしょう。
AI投資のメリット・デメリット

AI投資選びのポイント

現在、各金融機関では個人でも利用できるAI投資のサービスを提供しています。
AI投資の利用先を選定する際は、いくつか比較したいポイントがあります。くわしく確認していきましょう。

AI投資選びのポイントは4つ

AI投資を選定する際は、下記の4つのポイントを重視することが大切です。

  • AIに投資まで行って欲しいかどうか
  • 投資の目的・リスク許容度
  • 手数料
  • リバランス

それぞれどのような点を比較すれば良いか、くわしく学んでいきましょう。

① AIに投資まで行って欲しいかどうか

AI投資には、「提案から投資までAIが行うタイプ」と「補助的にAI機能を使うタイプ」の2種類があります。
AI投資は比較的新しいサービスであるため、「すべてをAIに任せるのは怖い」と感じる人もいるかもしれません。その場合は、AIの投資補助を受けるタイプを利用するほうが安心できるでしょう。
ひとくちにAI投資といっても、どのようにAI機能を活用しているかが大きく異なるため、自分の意向に合ったタイプを選ぶことがおススメです。

② 投資の目的・リスク許容度

AI投資に取り組む際は、あらかじめ投資の目的やリスク許容度を明確にしておくことが大切です。
AI投資は投資家の投資意向を踏まえたうえで、それに適した投資先や資産配分を提案してくれます。そのため、投資意向やリスク許容度が明確になっていなければ、自分に合った提案を受けることができません。
まずは、「なぜ資産運用に取り組むのか」、「資産運用にどれくらいの金額を充てるのか」、「どれくらいの期間資産運用を行うのか」、「どのくらいのリスクを許容できるのか」といったことを具体的に考えてみましょう。

③ 手数料

AI投資を選ぶ際は、手数料も大切な比較ポイントです。
AI投資の手数料体系は、主に「固定報酬型」と「成功報酬型」の2種類があります。固定報酬型では預かり資産残高に対して手数料が計算される一方、成功報酬型では運用益に応じて手数料が計算される仕組みです。
金融機関によってどの手数料体系を採用しているかが異なるため、利用前に必ずどれくらいのコストがかかるのか確認しておきましょう。

④ リバランス

資産運用では、定期的にリバランスを実施する必要があります。リバランスとは、市場の動向によって変化した資産配分のバランスを元に戻すステップです。
たとえば、株式市場の上昇によってポートフォリオのバランスが変化した際は、株式の一部を売却することで比率を調整します。
AI投資のなかには、このリバランスも自動で行ってくれるものがあります。「なるべく資産運用に手間をかけたくない」という人は、リバランスも自動で行ってくれるサービスを選ぶと良いでしょう。

AI投資が向いている人は?

AI投資が向いている人は?
ここまで紹介した特徴を踏まえると、AI投資が向いている人は次のような特徴・ニーズがある人です。

  • 長期的に運用したい人
  • 多忙な人
  • 投資初心者で投資先に迷っている人
  • AI投資に完璧を期待し過ぎない運用ができる人

それぞれくわしく確認していきましょう。

長期的に運用したい人

AI投資は、複数の金融商品や銘柄を組み合わせて運用を行います。短期的なリターンを狙うことは難しいものの、分散投資でリスクを低減する方法は長期投資に適しているといえます。
「長期的に資産を育てていきたい」、「当面使わない資金を資産運用に充てたい」という人は、AI投資の活用が向いているでしょう。

多忙な人

AI投資の大きなメリットが、AI機能によって投資先の選定や売買の判断を下してもらえる点です。投資家は投資を任せきりにできるため、資産運用にかかる手間を省略することができます。
資産運用や投資と聞くと、「いつもマーケットを注視しなければならない」というイメージがありますが、AI投資では多忙で時間がない人でも取り組みやすいメリットがあります。

投資初心者で投資先に迷っている人

金融商品にはさまざまな種類があり、投資先に悩むことも少なくありません。膨大な選択肢の中から投資先を選ぶとなると、躊躇してしまう人も多いでしょう。
その点、AI投資ではAI機能によって投資先を選定してもらうことができます。自分の投資意向に合った投資先を自動で選択してくれるので、「投資先の選び方がわからない」という人に向いています。

AI投資に完璧を期待し過ぎない運用ができる人

AI投資では、AI機能が制度の高い予測を行うものの、市場の動向を完璧に予測できるわけではありません。そのため、AIに期待を寄せすぎると、「思ったよりも運用成果が得られない」とギャップを感じることもあるかもしれません。
AI投資を上手に使いこなすためには、AIの機能に過度に期待しすぎず、AIの判断や助言を自分なりに分析することが大切です。
AI投資は知識を積み重ねて上手に活用を

まとめ

AI投資は、AI機能の活用によって自分に合った投資先の選定や助言をもらえることが魅力のサービスです。運用をお任せできたり、アドバイスを受けられたりする点において、しばしばロボアドバイザーと混同されることがありますが、ロボアドバイザーは必ずしもAI機能を用いているとは限りません。一方、AI投資は人工知能を活用して予測の精度を高めていくことが特徴です。
とはいえ、AI投資でも損失を負うリスクがあることには変わりありません。AI投資に任せっきりにするのではなく、自分なりに投資の知識を積み重ねながら上手に活用してみましょう。
執筆者:椿 慧理(つばき えり)
執筆者保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士、1種外務員資格、内部管理責任者
※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途ホームページ等でご確認ください。
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(2024年6月25日現在)