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独身者の老後費用はいくら必要?40代から始める老後対策

独身者の老後費用はいくら必要?40代から始める老後対策
2021.5.17
独身の男性・女性が増えてきている昨今、1人で老後を過ごすことに不安がある人もいるでしょう。健康や介護、お墓など悩みはつきないですが、一番の気がかりは老後の資金という人も多いはず。今回は、独身者が必要な老後の費用や平均年金額、平均貯蓄額など、40代の人に向けた老後対策を紹介します。

生涯未婚率は増加、独身で老後を迎える人は増えつつある

老後,独身
(画像提供:Happyphotons/stock.adobe.com)
内閣府が発表した2020年度版「少子化社会対策白書」をもとに、現在の生涯未婚率や未婚が与える老後の影響について見ていきましょう。

50歳時の未婚率は増加傾向

ニュースなどで生涯未婚率が増加していると耳にしたことがある人もいるでしょう。では、どの程度増えているのでしょうか?「国勢調査」の結果からわかるのは、1970年に男性1.7%、女性3.3%だった50歳時の未婚率がその後右肩上がりに伸びていき、2015年には男性23.4%、女性14.1%になっていることです。
45年間で50歳時の独身男性は21.7%、独身女性は10.8%増加しています。独身で老後を迎えるとなると、老後の資金や病気、介護、遺産相続、お墓など、さまざまな問題に対策をしておく必要があります。

必要なのが老後の資金計画

とくに必要なのが老後の資金計画です。老後の生活費の要になるのが年金ですが、夫婦であれば、2人分の年金を合算させて生活することができます。しかし独身で老後を迎えるとなると、1人分の年金で生活することになります。
自営業の人などが加入している国民年金を満額受給しても、2020年の時点では月額6万5,141円です。年金だけで生活するのは難しいと言えるでしょう。
厚生年金に加入している人でも、受給額は現役時代の給料や勤続年数によるため、満足のいく生活ができない場合もあります。あらかじめ自分の年金受給額を調べ、足りない分を貯蓄する計画をたてることが必要です。

老後に受け取れる年金や貯蓄事情は?

老後,独身
(画像提供:Tierney/stock.adobe.com)
老後の生活は、どのくらいの収入があるのでしょうか?年金受給額や貯蓄額の平均や老後の生活費、高齢者施設の費用などを知り、自分に当てはめてみましょう。

年金受給金額と貯蓄額の平均と中央値はいくら?

まずは年金受給金額を見てみましょう。厚生労働省が発行した2019年度の「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、65歳以上の厚生年金受給額の平均は、男性で月額17万1,305円、女性で月額10万8,813円、全体では月額14万4,268円です。
次に、独身者の貯蓄額の平均や中央値はどれくらいなのでしょうか?総務省統計局が発表した2014年度の「全国消費実態調査」によると、単身世帯の平均値は男性が1,118万円で女性が1,279万円、中央値は男性が480万円で女性が679万円になっています。
65歳以上の高齢単身世帯に限定すると、平均値は男性が1,502万円,女性が1,466万円、中央値は男性が920万円、女性が830万円です。

老後費用はいくら必要?

老後,独身
(画像提供:pomupomu/stock.adobe.com)
それでは、独身の場合、老後の支出はどれくらいになるのでしょうか?独身者の老後の生活費や高齢施設の費用、住まいの問題など、老後に必要となる資金について紹介します。

老後の生活費用(平均)をチェック

総務省統計局が実施している「家計調査(家計収支編)」(2019年)の結果によると、60歳以上の高齢単身無職世帯の食費や住居費といった消費支出は月々平均13万9,739円。税金や社会保険料などの非消費支出は月々平均1万2,061円かかっています。
消費支出と非消費支出の合計は15万1,800円です。この調査における高齢単身無職世帯の平均実収入は12万4,710円なので、その差は2万7,090円。つまり、月々2万7,090円が不足するので貯蓄などから捻出しなければならないということになります。

高齢者施設に入る際に知っておきたいこと

「親族に迷惑をかけたくないから、老後は高齢者施設に入ろう」と考えている独身の人もいるでしょう。ここでは、おもな高齢者住宅、介護施設など6種類について、それぞれの特徴や費用を見てみましょう。
  受け入れ可能な
介護度
入居一時金
相場
月額料金
相場
特徴
介護付き
有料老人ホーム
自立~要介護5
0~数億円
15~35万円 ・生活支援、介護、アクティビティあり
住宅型有料
老人ホーム
自立~要介護5 0~数千万円 15~35万円 ・生活支援、アクティビティあり
・介護は個別に契約
サービス付き
高齢者向け住宅
自立~要介護3 0~数十万円 15~30万円 ・有資格者相談員が常駐
・介護は個別に契約
グループホーム 要支援2以上 0~数百万円 15~30万円 ・65歳以上の認知症高齢者限定
・介護、機能訓練あり
特別養護
老人ホーム
要介護度3以上
0円 6~15万円 ・生活支援、介護あり
・公的施設で低価格
ケアハウス 自立~要介護3 数十万~数百万円 15~30万円 ・60歳以上限定
・対象は自宅での生活に不安がある人、家族援助がない人など

マンションの購入なども検討しておきたい

また、一生賃貸住宅に住み続けるか、マンションを購入するかを迷っている人もいるでしょう。場合によりますが、独身で高齢になると賃貸契約がしづらくなることもあるので、可能ならばマンションの購入なども検討しておきたいところです。
マンション購入は、退職するまでに住宅ローンの支払いを終わらせれば、老後の住居費の負担が減り、資産価値があるマンションなら売却して高齢者住宅の資金にできるなどのメリットがあります。しかし、転勤で住み続けることができなくなったり、住宅のトラブルを自分で解決しなければならなかったりといったデメリットもあります。
その点、賃貸ならば転勤があった場合には簡単に引っ越せますし、設備が破損した場合には管理会社や大家さんに言えば対応してくれます。自分にとって購入するのがいいのか、それとも賃貸に住むのがいいのかしっかりと考える必要があります。

独身者の老後に必要な資金は1,000万円!

老後,独身
(画像提供:polkadot/stock.adobe.com)
続いて老後の年金受給額や生活費をもとに、必要な貯蓄額を見てみましょう。さらに、老後資金対策に適した貯蓄方法も紹介します。

85歳まで生きる場合の必要額とは?

ここで、上で紹介した平均年金受給金額と平均生活支出額をもとに、65歳から85歳まで生きると仮定した場合の必要額を出してみましょう。

【男性の場合】

男性65歳以上の厚生年金受給額の平均-65歳以上の消費支出と非消費支出の合計

17万1,305円-15万1,800円=1万9,505円

男性の場合、普通に生活するお金は年金でまかなえそうです。しかし、老後に楽しみたい娯楽費や将来入居するかもしれない高齢者住宅費、葬式代などは必要なので、自分がどのような老後を過ごしたいかを考え貯蓄をするといいでしょう。

【女性の場合】

女性65歳以上の厚生年金受給額の平均-65歳以上の消費支出と非消費支出の合計

10万8,813円-15万1,800円=-4万2,987円

生活必要費のための貯蓄額=4万2,987円×12ヵ月×20年=1,031万6,880円
女性の場合、平均年金受給金額では平均生活支出額をまかなえず、月々4万2,987円の赤字がでてしまいます。そのため、65歳から85歳まで生きると仮定した場合、20年間分の生活費を貯蓄などで補填し続けなければなりません。
生活費だけでも1,000万円以上の貯蓄が必要で、それにプラスして娯楽費や高齢者住宅費、葬式代など必要に応じて貯めていくことが大切だと言えるでしょう。
ただし、気をつけておきたいのは、上記の厚生年金受給額の平均は2019年の時点のものだということです。独身女性の場合、正社員としてのキャリアを積み働いている人もいますので、将来的に男性の平均額と変わらない金額を受給される人もいると思われます。上記の数字はあくまでも現時点での数字から算出される目安として参考にしてください。

40歳~50歳の人向けの今からできる老後の対策

独身の場合、男性は年金でも老後の生活費がまかなえ、女性は不足するという試算の結果になりました。ただ先行きの見えない時代ですから、どちらも今のうちから老後を想定し対策を練っておく必要があります。
40代は、老後生活まで最大25年もの時間が残っているので、今からでも老後の資金を作ることはできます。そうした老後の資金対策に適しているのが「iDeCo(個人型確定拠出年金)」と「NISA(少額投資非課税制度)」です。

・iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCo(イデコ)とは、正式名称を個人型確定拠出年金といい、自分で自分の年金を作る制度です。毎月自分で決めた掛け金をiDeCo口座に積み立て、定期預金や債権、投資信託などで運用します。iDeCoの掛け金は所得控除の対象となり、住民税と所得税の節税が可能です。

また、通常運用で得た利益にかかる約20%の税金が非課税になるというメリットもあります。原則として60歳まで引き出せませんが、老後の資金形成という目的のためにはデメリットとはならないでしょう。

・NISA(少額投資非課税制度)

NISA(ニーサ)とは、NISA口座で運用して得た利益を非課税にするという制度です。独身の人が選べるのは、「NISA」と「つみたてNISA」で、それぞれ非課税期間や非課税投資枠が異なります。NISAは、非課税投資枠が年間120万円までで非課税期間は5年間、一方つみたてNISAは、非課税投資枠は年間40万円までで非課税期間は20年間です。

NISAとつみたてNISAを両方同時に行うことはできないので、自分の年齢やどのように資産を増やしたいかによって、どちらかを選択するか決めるとよいでしょう。

年齢的に過度なリスクは避けて運用するべき

投資によって少しでも老後の資金を増やそうと考える人もいるでしょう。しかし、投資にはリターンが期待できるとともにリスクもあります。持っている資産の大部分をハイリスクな投資に費やしてしまうことは、年齢を考慮して避けたほうがよいでしょう。
投資商品のなかでハイリスクなものに分類されるのが株式です。老後、お金が必要になった段階で株価が下がっていて、貯めるつもりが逆に資産を減らしてしまうということもありえます。また、外国資産は換金時の為替レートによって資産が大きく左右されるため、老後までの時間的な余裕があまりない人はハイリスク資産の比率を低く設定しておくほうがよいでしょう。

気づいた人から早めの老後資金対策を

「独身だと老後が怖い」と思っている人は、ただ恐れているだけではなく、きちんと老後について考えてみましょう。生活費を年金でまかなうだけでは、ゆとりのある老後を送ることが難しい今、きちんと老後資金の対策をしておくことが大切です。iDeCoやNISAなどを活用して、節税をしつつ、幸せな老後のための資金形成をしていきましょう。

執筆者:株式会社peekaboo

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