住宅ローンの借り換えに最適なタイミングはいつ?借り換えメリットを最大限にするには

- 2025年8月15日
既に住宅ローンを借入中の方のなかには「住宅ローンの借り換えでお得になるの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、住宅ローン借り換えの最適なタイミングについて解説します。
本記事では、住宅ローン借り換えの最適なタイミングについて解説します。
目次
住宅ローン借り換えの6つのタイミング
これから紹介する6つが大きなメリットを得やすいタイミングだと言えます。
1.条件の良い金融機関が見つかったら
金利が低い、団体信用生命保険の保障内容が今よりも充実しているなど、条件の良い金融機関があり、借り換えシミュレーションをして多くのメリットが得られそうであれば、そのときが借り換えタイミングと言えます。
2.固定金利期間終了時
借入中ローンの固定金利期間終了時は、借り換えを検討するタイミングとして有効です。固定金利期間終了後は、変動金利か固定金利にするかを選べますが、どちらもその時点での基準金利が元となります。特に、当初から固定金利借入中の場合は当初期間優遇型の優遇幅であることが多く、「当初固定●年」など当初固定期間は金利優遇の恩恵を大きく受けられる反面、固定期間が終了すると優遇幅が小さくなるため、他の金融機関でより低い金利で借り換えることで返済額を抑えることができます。
3.金利タイプ変更の検討時
金利を低くしたいなら固定金利から変動金利、金利変動リスクを抑えたいなら変動金利から固定金利への変更を検討してみましょう。ただし、固定金利から変動金利への借り換えは通常は返済額を減らせますが、将来の金利上昇によっては返済額がふえる可能性もあります。
なお、金利タイプの変更は借り換えしなくても可能ですが、現在借入中の金融機関の金利よりも、他金融機関でおトクな固定金利に借り換えした方が、より低い固定金利で金利上昇リスクを抑えられる可能性もあります。
また変動金利で元利均等返済の場合は、金利が見直されても5年間は返済額が変わらない「5年ルール」がある金融機関が多いです。変動金利の5年ルールの見直しのタイミングで、借り換えを検討するのもよいでしょう。
4.他のローンを組む前
住宅ローンの審査は、その人の年収と住宅ローン、現在借り入れしているその他のローンのバランスを見て行われます。
たとえば、車のローンを組んだ場合、新たな借り入れが難しくなってしまうことがあります。そのため、これから車などをローンで買う予定のある場合は、その前に借り換えを済ませておくと審査に通りやすくなります。
5.減収や転職の前
上記のように収入と借り入れ状況によって審査を行うことになりますが、職場の配置転換や夜勤、残業の有無などで収入が減少する場合には審査に通りにくくなることがあります。
また、転職すると一定期間審査に通らない場合もあるため、転職を考えているのであれば転職前に借り入れすると良いでしょう。反対に、最近転職をした人だと期間をあけて審査を受けるのもひとつの手です。
6.健康状態が良好なとき
住宅ローンを契約する際、原則として団体信用生命保険への加入が必須になります。そのため、健康状態によっては団体信用生命保険に加入できず、借り換えができない場合があります。健康状態が良好なときに借り換えを済ませておくと良いでしょう。
反対に、過去に何か治療を受けていて現在は申し込みができなくても。一定期間空けることで申し込みできるようになることもあります。
住宅ローンの借り換えの注意点
借り換えには注意するべき点もあります。注意点を以下にまとめました。
同じ銀行での借り換えは不可
通常、同じ金融機関での借り換えではできません。例えば、A銀行で借入中の場合、A銀行以外の金融機関で借り換えを検討する必要があります。ただし、A銀行経由で住宅金融支援機構で借入中の場合は、A銀行の住宅ローンで借り換えができるなど特定の条件下では同じ銀行でも可能な場合があります。
借換メリットがあるか確認する
借換時には、新たな金融機関での手数料や抵当権設定の登記費用、借入中のローンの完済手数料、抵当権抹消の登記費用などの諸費用がかかります。金利や返済額の減少だけでなく、これらの諸費用を含めて総支払額が軽減されるかどうかの借換効果を事前に確認することが重要です。
\借換メリットの試算ができる/
借り換えができない場合もある
借り換えにあたっては、新たな金融機関での住宅ローンの審査を通過する必要があります。
収入の減少、転職、健康状態の悪化、返済実績の問題などがある場合、審査に通らない可能性があります。
また、借り換えによって借入中のローンの返済期限を延ばすことや、債務者を変更することは通常できません。現在単独で借り入れしているローンをペアローンに借り換えたり、ペアローンで借り入れしているローンを単独でのローンに借り換えたりすることは原則できません。
収入の減少、転職、健康状態の悪化、返済実績の問題などがある場合、審査に通らない可能性があります。
また、借り換えによって借入中のローンの返済期限を延ばすことや、債務者を変更することは通常できません。現在単独で借り入れしているローンをペアローンに借り換えたり、ペアローンで借り入れしているローンを単独でのローンに借り換えたりすることは原則できません。
借り換えのシミュレーション
一般的に以下3つの条件を満たした場合、月々の返済額や支払利息を減額できる可能性が高く、借り換えるメリットがあると言われています。
- 現在の金利との差が1%以上
- 借入残高が1,000万円以上
- 残りの返済期間が10年以上
ただし、上記3つの条件がすべて当てはまらなくても、借り換えによるメリットがある場合もあります。
借入残高や残りの返済期間が30年のローンを、金利差0.3%で借り換えしたケースを例に、どれくらい毎月の返済額や支払利息が変わるのか確認してみましょう。
借入残高や残りの返済期間が30年のローンを、金利差0.3%で借り換えしたケースを例に、どれくらい毎月の返済額や支払利息が変わるのか確認してみましょう。
(金利は年率)
横スクロールして確認
借換前 | 借換後 | 差 | |
---|---|---|---|
金利 | 1.00% | 0.70% | ▲0.3% |
毎月の返済額 | 96,491円 | 92,413円 | ▲4,078円 |
総返済額 | 34,736,908円 | 33,268,697円 | ▲1,468,211円 |
└うち支払利息額 | 4,736,908円 | 3,268,697円 | ▲1,468,211円 |
諸費用額(*1) | ー | 880,000円 | 880,000円 |
借換メリット額(*2) | 588,211円 |
- 諸費用額は概算金額
- 借換後の総返済額+諸費用額ー借換前の総返済額
- 元利均等返済・ボーナス返済なし・借入利率が期間中不変であることを前提に三菱UFJ銀行 住宅ローン借換シミュレーションにて試算
上記の例の場合では、借換前後で毎月約4千円の返済額を軽減、諸費用88万円を差し引いても30年間で約58万円の総返済額を削減することができるので、借り換えするメリットがあることが分かります。
ただし、借換効果は借入中のローンの内容によって異なります。住宅ローンの借り換えをするときは、事前にシミュレーションをして借換メリットがあるかを確認しましょう。
ただし、借換効果は借入中のローンの内容によって異なります。住宅ローンの借り換えをするときは、事前にシミュレーションをして借換メリットがあるかを確認しましょう。
\借換メリットの試算ができる/
借り換えの手続きの流れ
続いて、借り換えの手続きの流れをご説明します。
STEP1 借換先を選ぶ
まずは借り換えによりどの程度のメリットがあるのか、どこに借り換えるのがお得になるのかをチェックしましょう。各金融機関のシミュレーションをする際は、金利だけでなく借り換えにかかる諸費用も含めてメリットがあるかを確認しましょう。
STEP2 事前審査の申し込み
借換先の金融機関で事前審査を申し込みます。金融機関によっては確認資料の提出が必要になる場合もありますので、事前に確認しておきましょう。
STEP3 正式審査の申し込み
事前審査が承認になったら、正式審査を申し込みます。正式審査では本人確認資料や、収入・物件に関する書類に加えて、返済中のローンに関する資料の提出が必要となるケースが多いです。事前審査は申込時に申告した情報をもとに審査するのに対し、正式審査は提出した資料をもとに審査を行うため、正式審査で事前審査の結果が覆ることもあります。
STEP4 借入中の金融機関で一括完済
借換先の金融機関で正式審査承認後、借入中の金融機関に連絡し一括返済の手続きをします。
このとき、借り換えに対抗して借入中の金融機関が、借入中のローンの条件をより有利な条件への変更を提案してくることもあります。もし現在借入中の金融機関での条件のほうが有利なようであれば、借り換えを見送りすることも選択肢の一つです。
このとき、借り換えに対抗して借入中の金融機関が、借入中のローンの条件をより有利な条件への変更を提案してくることもあります。もし現在借入中の金融機関での条件のほうが有利なようであれば、借り換えを見送りすることも選択肢の一つです。
STEP5 住宅ローン契約締結
借換先の金融機関にて住宅ローンの契約を締結します。また、借換先の金融機関での抵当権設定および借入中のローンの抵当権抹消に関する登記手続きが必要になるため、司法書士との面談による本人確認も必要になります。
STEP6 融資実行
融資実行当日に、借換先の金融機関から現在借入中の金融機関の返済口座に資金が振り込まれ、借入中の住宅ローンが一括返済されます。同日、司法書士にて登記手続きが行われます。以後は借換後の金融機関にて住宅ローンを返済していくことになります。
住宅ローンの借り換えは、新たな金融機関での審査が必要になるため、該当する書類の準備が必要になります。スムーズに手続きを進めるには、借換先の金融機関での必要書類を事前に確認しておきましょう。
借り換えのベストタイミングは人によって異なる
借り換えのタイミングや注意点、手続きの逃れについて解説してきましたが、借入中のローンの内容は人によって異なるため「借り換えのベストなタイミングも人それぞれ」となります。
とはいえ、借り換えを行うことで月々の返済額や総返済額が下がるなどのメリットが大きいなら、できるだけ早期に借り換えをするのがよいでしょう。
まずは借り換えでどの程度のメリットがあるのかをシミュレーションしたうえで、ここまで解説してきた条件なども踏まえ、ご自身にとって最適なタイミングを見極めていきましょう。
とはいえ、借り換えを行うことで月々の返済額や総返済額が下がるなどのメリットが大きいなら、できるだけ早期に借り換えをするのがよいでしょう。
まずは借り換えでどの程度のメリットがあるのかをシミュレーションしたうえで、ここまで解説してきた条件なども踏まえ、ご自身にとって最適なタイミングを見極めていきましょう。
執筆者:小川洋平
合同会社clientsbenefit 代表
ファイナンシャルプランナー(CFP®)。
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