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ドミノ・ピザはGoogle並み?調べたら10年で株価36倍のIT企業だった

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ドミノ・ピザはGoogle並み?調べたら10年で株価36倍のIT企業だった
2020.5.18
友人や家族との集まりで、宅配ピザを利用したことがある人は多いでしょう。その宅配ピザの大手チェーン「Domino’s Pizza(米国)」の株価が、2010年から2020年の間に30倍以上も上昇したことをご存じでしょうか。苦戦しているといわれるアメリカの飲食業界でなぜここまで株価を上昇させることができたのか、成長するIT分野に触れつつその背景と企業の成長について考えてみましょう。

成長するIT(情報技術)の領域

ここ数十年のあいだ、私たちの身の回りで急激な成長をとげた業界といえばITの分野でしょう。GAFAをはじめとする多くのIT企業が生まれ、市場とともに大きな成長を遂げています。
将来的な利益を見込んで投資を考えるとき、これからさらにテクノロジーが進化するであろう時代背景を踏まえれば、IT企業へ投資することはごく一般的なことと感じられるでしょう。

GAFAとは

日本では“ガーファ”と呼称する「GAFA」は、米国のIT(情報技術)大手4社「Google(現Alphabet)」「Amazon」「Facebook」「Apple」の頭文字を取った総称です。これらのサービスや製品は、現代の私たちの生活にどれも馴染み深いものとなり、利用したことがない人はほとんどいないともいえるでしょう。
また、世界の時価総額ランキング上位を占めるGAFAの4銘柄に2010年から投資をした人は、企業の成長とともに大きな投資利益を手にすることができたともいわれています。

IT企業の王者・Googleを上回る株価上昇率を果たしたのは

そのGAFAのひとつである「Google」を、圧倒するほどの株価上昇率を見せた企業が米国発の宅配ピザチェーンであり、世界各国で展開している「Domino’s Pizza(以下、ドミノ・ピザ)」です。
Googleとドミノ・ピザは同じ2004年のタイミングで上場したことにより、比較されるケースが多くあります。
Googleは、米国ひいては世界経済をけん引するほどの存在感をもつウェブ検索サービスを提供していますが、株価の観点からみれば「ドミノ・ピザ」のほうが2010年以降で高い成長をみせています。

Googleとドミノ・ピザ 株価はどれくらい上昇した?

では具体的に、この二社はどれほど成長(上昇)しているのでしょうか。2010年7月以降、約10年の株価チャートを見てみましょう。

【Google】

2010年(7月6日):最安値433.63米ドル

2020年(2月19日):最高値1530.74米ドル

 

【ドミノ・ピザ】

2010年(7月1日):最安値10.66米ドル


2020年(4月22日):最高値387.85米ドル

Googleが約3.5倍上昇したのに対し、ドミノ・ピザは実に約36倍も株価が上昇しています。
私たちは、IT企業が成長を遂げ株価を上昇させることについて疑念をもっていないかもしれませんが、ドミノ・ピザの株価上昇を驚く人は多いのではないでしょうか。

ドミノ・ピザは、単なる宅配ピザチェーンではなかった?

ドミノ・ピザがGoogleを上回る急成長をみせた一因として、IT分野への投資を実施してきたことが挙げられます。
ドミノ・ピザがITに積極的な投資をしてきた背景には、 国民的な人気フードのピザをよりおいしく(=はやく)提供することへの強いニーズがあると考えられます。特に、日本よりも土地が広大な米国において、宅配方法は重要な観点といえるでしょう。
そこでドミノ・ピザは、スマートフォンやSNSアプリなどから手軽にピザを注文・宅配できるプラットフォーム「Domino's AnyWare」を開発しました。
他にも、アプリを起動するだけで注文可能な「Zero click」のほか、ドローンでの配送、日本でも利用できる「TRACKER」など多くのアプリ・サービスが展開されており、公式サイトでも大々的にそのテクノロジーについて触れています。
進化するデジタルツールの開発や導入には、当然ながら多くのIT技術者が必要となるでしょう。それらに注力することで、企業が成長し付加価値を生み出す人材やITへの投資を増やせるという“正の循環”を生み出してきたといえます。
ドミノ・ピザは宅配ピザチェーンの1社という領域をこえて、“ピザを売るテクノロジーブランド企業”として進化したのです。

私たちは、企業の成長を予測できるか

ドミノ・ピザの成功は、誰にでも予測できたことでしょうか。普段から経済や投資について学び、考えなければ想像できないと捉える人もいるかもしれません。
そこで、著名な投資家ピーター・リンチの投資原則を紹介します。
「自分が知っているものに投資する」
つまり、詳しく知りもしない・評判だけを知るものに投資するよりも、自分が知っている=身近にある商品やサービスこそよく理解することができ、消費者目線で判断できるのではないでしょうか。
このとき「アナログのイメージが強かったものが、デジタル化する流れをつかむ」というように、自らの視点を1つ追加して眺めてみると、さらに今後の成長が見えてくるかもしれません。
その上で、商品やサービスを提供する企業の事業内容や業績を調べていくのです。ドミノ・ピザはいかにもそのようなプロセスで見つかる企業といえるでしょう。

身近なテーマから、ビジネスのヒントを見つけ出そう

企業の成長や株価の上昇を予測することは、投資に役立つだけではありません。どういったビジネスが成長するのか、今の社会ではどのようなニーズに応えるべきかという見方は、就職先を探すのはもちろん、新規事業の立案、営業トークにも活かせるでしょう。普段から、身近にあるものにアンテナを張り、これらの視点をもつことで、自己成長できるかもしれませんね!

執筆者:株式会社ZUU

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