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2人暮らしの水道光熱費は?平均的な生活費や節約方法を解説

2人暮らしの水道光熱費は?平均的な生活費や節約方法を解説
  • 2022年5月9日
  • 2024年3月6日
生活費の中でも水道光熱費は欠かせない費用です。1人暮らしの場合は、自分が使った分だけなので支出を把握しやすいですが、2人暮らしとなるとそうはいきません。
そこでこの記事では、2人暮らしの平均的な水道光熱費を紹介し、具体的な節約方法をファイナンシャルプランナーがお伝えします。あわせて2人暮らしにおける生活費全般の見直しポイントにも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

2人暮らしの水道光熱費の平均は?

2人暮らしの水道光熱費の平均は?
2人暮らしの場合、水道光熱費はどの程度かかるのかを見ていきましょう。

2人暮らしの平均水道光熱費:月額19,459円

総務省統計局の調査データ「家計調査 家計収支編」(2020年)によると、世帯人数2人の水道光熱費の平均は月19,459円でした。内訳は、電気代が最も高く9,515円です。続いてガス代が4,354円、上下水道料が4,255円、その他の光熱費が1,344円となっています。

水道光熱費は居住地・生活スタイル・季節によって変わる

水道光熱費は、居住地や生活スタイルによって差があり、季節によっても変動します。なかでも冬の暖房や夏の冷房の使用量が多い地域は、相対的に水道光熱費が高くなる傾向です。
以下は、同じく「家計調査 家計収支編」(2020年)の2人以上の世帯における光熱費の地方別平均です。3人以上世帯も含んだ平均値となりますが、地方により7,000円以上の差があり、居住地による差が明確に表れていることがわかります。
【2人以上世帯の地域別水道光熱費】
北海道地方 27,637円
東北地方 25,922円
関東地方 21,541円
北陸地方 25,938円
東海地方 21,120円
近畿地方 20,428円
中国地方 21,737円
四国地方 20,801円
九州地方 19,912円
沖縄地方 19,007円
出典:総務省 家計調査 家計収支編(2020年)「都市階級・地方・都道府県庁所在市別1世帯当たり1か月間の収入と支出」

1人暮らしよりも水道光熱費は抑えられる?

水道光熱費は、一般的に1人で暮らすよりも2人で暮らしたほうが1人あたりの費用を抑えやすくなります。
なぜなら、2人暮らしになると照明やエアコン、生活家電等の共有使用が可能なため、単純に費用は1人の場合の2倍とはならないからです。
また、水道光熱費の料金体系は一般的に基本料金+従量制となっています。1人1人が別々に契約して使用するよりも、1契約を2人で使用するほうが割安になることが多いです。先ほど世帯人数2人の水道光熱費の平均について紹介しましたが、同じ調査データにおける1人暮らしの場合の水道光熱費は月額平均11,686円でした。
内訳を見ると、それぞれ、電気代5,791円、ガス代3,021円、上下水道料2,172円、その他の光熱費702円となっています。特に電気代やガス代は2人暮らしのほうが割安になることがわかります。

水道光熱費を節約する方法は?電気代・ガス代・水道代別に解説

水道光熱費を節約する方法は?電気代・ガス代・水道代別に解説
水道光熱費は、毎月必ずかかる固定費のため、少しでも抑えたいものです。
水道光熱費は、日々の少しの心がけで比較的簡単に節約が可能です。電気代・ガス代・水道代別に、今すぐ取り組める節約方法を解説します。

電気代を節約する方法

電気代を節約するには、電気の使用量を減らすことが第1のポイントです。また、生活スタイルに応じて料金プランを見直すことでも節約効果が期待できます。

電気をこまめに消す

最も基本的な節約方法は、使っていない電気は必ず消すことです。誰もいないのに部屋の電気がついたままにすることはありがちな話ですので、気が付いたらこまめに消すようにしましょう。
また、長期間使わない電化製品のコンセントを抜いて待機電力の発生を防ぐことも効果的です。ただし、近年の電化製品には、予約機能や保守機能の作動のためにコンセントを抜くことが推奨されていないものもあります。取扱説明書をよく確認したうえで取り組むようにしましょう。

料金プランを見直す

電気の使用量は同じでも、電力会社や契約プランの選択で電気代を抑えることも可能です。
2016年4月からスタートした電力の小売全面自由化により、消費者は契約する電力会社を自由に選べるようになりました。
料金プランは電力会社によってさまざまで、なかには基本料金が0円であったり、夜間や週末の料金が割安に設定されていたりするものがあります。同じ使用量であっても電気料金に差が出るため、電気の使用量や使用時間帯をふまえて、最適な料金プランを選択しましょう。
例えば、以下のような見直し方法があります。
  • 同時に使用する電気量が大きくならないなら、契約アンペアを下げる
  • 夜間に使用することが多いなら、夜間料金の安いプランを選択する
  • 電力料金が安く設定されている電力会社に変更する

省エネ家電に切り替える

家電製品は一般的に、型式の新しいものほど省エネ対応が進んでおり、電気代を抑えやすいです。
手軽にできることは、白熱電球からLED電球への変更です。消費電力は約86%削減できます。LED電球は白熱電球と比べて大幅に寿命が長く、交換の手間が省けることもメリットです。
また、冷蔵庫は2010年と2020年製で40%前後、エアコンでは10%前後、電力を抑えられるようになっています。調子のよくないものを使い続けているなら、余裕のある際に買い替えることも有効です。

エアコンの使い方を工夫する

エアコンも使い方次第で電力消費量を抑えることができます。節約の基本は、自動運転モードを利用することです。
自動運転モードは、設定した温度に達するまでは強風、設定した温度になれば微風に切り替わる最も効率のよい運転方法のため、消費電力が少なく済みます。
電気代を抑えようと微風で運転すると、設定温度に達するまでに多くの時間を要し、かえって電気代が上がってしまいますので避けましょう。
また、エアコンを使うときは、空気を循環させるサーキュレーターの併用も効果的です。エアコンからの暖かい空気や冷たい空気が一所に溜まることを防ぐため、冷暖房の効率が上がります。
なお、エアコンのフィルターに埃が溜まっていると、冷暖房効率が落ち消費電力が上がってしまいますので、2週間に1度はお手入れを行うとよいようです。

ガス代を節約する方法

続いて、ガス代を節約する方法を3つ紹介します。

都市ガスの物件を選ぶ

ガスにはプロパンガスと都市ガスがあります。敷地内にあるガスボンベからガスを供給するものがプロパンガス、地下のガス管から供給されるものが都市ガスです。
ガス料金は都市ガスの方が安くなります。2人暮らしのために引越しを考えている場合には、都市ガスの物件を選択することでガス代を抑えられる可能性が高いです。

お風呂は時間をあけない

ガス代が大きくかかるものはお風呂です。特に浴槽のお湯を沸かす際に、多くのガスが必要になります。
ガス代を節約するには、入浴の際は時間をあけずに入り、追い炊きを減らすようにしましょう。また、お湯を沸かす際に大きくガスを使うため、浴槽の湯量が多い場合は少なくする、設定温度を高くし過ぎないようにすることも有効です。

調理方法を見直す

料理の際のガスの使い方を変えることでも、ガス代を節約することができます。
ガスでも電気でもできる調理については、光熱費が割安なほうを選択しましょう。一般的に、少量で短時間の調理の場合には、電気のほうが割安の傾向となることが多いです。
例えば、たくさんのお湯を沸かす場合は、一般的にガスのほうが効率的です。しかし、1人分のコーヒーやお茶のための少量のお湯を沸かすなら、電気ケトルのほうが低コストとなるでしょう。
野菜はガスでお湯を沸かして茹でるよりも、短時間でできる電子レンジのほうが経済的です。
なお、ガスを使う場合には、ある程度まとめて調理することで節約効果が期待できます。調理食材の量が増えても、大きい鍋を使えば加熱に必要なガスの量は大きく変わらないからです。まとめての調理は、家事の効率化にもつながります。

水道代を節約する方法

水道代は、使用水量を抑えることで節約ができます。日常の使用方法に少し気を付けるだけで1ヵ月、1年となると差が出てきますので、ぜひ節約を実践しましょう。

水を出しっぱなしにしない

水道代の最も基本的な節約方法は、水を出しっぱなしにしないことです。
特に注意したいのはシャワーです。シャワーは1分間で約12Lのお湯を吐出するため、出したままにすると15分程度で浴槽1杯分の水を使っていることになります。面倒だからと出しっぱなしにせず、こまめに止めるようにしましょう。水量だけでなくガス代の節約にもつながります。
その他、歯磨きや食器洗いの際にも、水を出したままにしがちですので注意しましょう。

節水グッズを利用する

使用水量を減らすには、節水グッズの利用も効果的です。一度取り付けてしまえば、意識せずに常に節水することができます
シャワーであれば、ヘッドを節水型に交換することで水量を抑えることが可能です。水の出る穴を小さくしたり穴の数を減らしたりして水圧が落ちないように工夫されているため、使用感は大きく変わりません。
なかにはより高い節水効果を目指し、握っている間だけ水が出る仕組みになっているものもありますのでチェックしてみましょう。
トイレも、1日に何回も使うため、多くの水量を必要とします。新しいものはすでに節水型となっていることが多いですが、古いものの場合は排水量が多い傾向です。
流す際の大小の使い分けはもちろん、レバーを回している間のみ水が流れるようにするグッズや、無駄な水量をカットできるグッズ等を利用するとよいでしょう。取り付けの際には、トイレの構造に合ったものを選択してください。

洗濯物はまとめて洗う

お風呂やトイレのほかに多くの水が必要になるのが洗濯です。
洗濯機では洗濯物の量に応じた水が必要になりますが、洗濯物の重さに比例するわけではありません。少量の洗濯の場合でも一定量の水が必要で、ある程度まとめて洗ったほうが必要な水量は少なく済み、水道代や電気代を抑えることが可能です。
目安として容量の7~8割程度で洗濯することが、節約でも洗浄力の点でも有利だといわれています。あまり水を少なくし過ぎると汚れ落ちが低下したり生地を傷めてしまったりすることがありますので、注意しましょう。

2人暮らしの水道光熱費を節約するポイント

2人暮らしの水道光熱費を節約するポイント
2人暮らしで水道光熱費を節約する場合、お互いに負担がかからない範囲で行うことが長続きのポイントです。2人で納得したうえで節約に取り組むようにしましょう。
まずは、電気やガスの利用料を確認し、どのくらいの水道光熱費がかかっているかを把握しましょう。
そして、平均よりも高いものから、生活に影響が出ない範囲で節約に取り組むことをおすすめします。節約したいからといって、相手に無理強いをさせてはいけません。
2人暮らしの場合は、生活時間を合わせて共有できる部分はできるだけ共有するように工夫することも節約に効果的です。
同じ部屋で過ごす時間が長ければエアコンや照明にかかる電気代を抑えられますし、食事は2人分まとめて用意すればガス代を抑えられます。ぜひライフスタイルもあわせて見直してみましょう。
また、節約が継続しやすいように工夫することも大切です。不公平にならないよう、支払額を折半する、あるいは負担の割合を決めておく等、ルール化することでストレスなく継続的な節約がしやすいでしょう。

生活費の平均はどのくらい?2人暮らしで見直したい支出とは?

生活費の平均はどのくらい?2人暮らしで見直したい支出とは?
生活していくうえでは、水道光熱費以外にもさまざまな生活費がかかります。ここからは、2人暮らしにかかる生活費の平均や、節約のために見直したいポイントについて見ていきましょう。

2人暮らしの平均的な生活費

総務省「家計調査 家計収支編」(2020年)によると、2人暮らしの平均消費支出は月額245,278円です。消費支出とは、生活するために必要な支出を指し、所得税・住民税や社会保険料等を除いたものになります。以下、内訳をまとめました。
【2人世帯の平均消費支出】
食料 66,543円
住居 18,545円
光熱・水道 19,459円
家具・家事用品 10,990円
被服および履物 6,474円
保健医療 14,821円
交通・通信 33,976円
教育 353円
教養娯楽 21,387円
その他消費支出 52,730円
出典:総務省 家計調査 家計収支編(2020年)「世帯人員・世帯主の年齢階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出」
支出上位は、食料、交通・通信、教養娯楽に関する支出でした。これらは大きな割合を占めますが、比較的改善に取り組みやすい支出です。次から解説する見直しポイントをもとに、節約に取り組んでみましょう。

生活費見直しのポイント

生活費を節約したいときに見直したい支出には、水道光熱費のほかに食費・車の維持管理費・通信費や趣味・娯楽費が挙げられます。それぞれ具体的にどのようなポイントに気を付けると節約できるかを紹介していきしょう。

食費

食費を抑えるには、単価が高くなりがちな外食を控え、自炊することが効果的です。また、食料品はある程度まとめて購入すると割安になります。
コンビニは価格が割高になりがちなうえ、衝動買いも多くなる傾向です。必要以上に何度も通わないようにすることも節約に役立ちます。
ただし、食費は健康的な生活を送るうえで欠かせない支出です。我慢をし過ぎるとストレスになりますし、栄養不足になって体調を壊してしまう可能性もあります。過剰な節約とならないよう十分に注意しましょう。

車の維持管理費

車を持つには、車体の購入費のほか、ガソリン代や保険料、車検代、駐車場代等さまざまな費用がかかります。維持費を抑えるには、燃費のよい車を選択したり、保険契約内容を見直したりすることが有効です。
また、都市部では駐車場代の負担が大きくなる傾向があります。車の利用頻度が少ない場合には、車を持たずにカーシェアリングを検討するのも一つの方法です。

通信費

今やインターネット環境は生活に不可欠で、月の支出のなかで通信費が大きな割合を占めている方も少なくないでしょう。インターネット回線やスマートフォンの料金も見直しによる節約が可能です。使用量に応じて、料金プランの見直しや契約会社の変更を検討してみましょう。
特にスマートフォンは、安価で利用できる格安SIMやキャリアのセカンドプランも登場しています。通信量が多くない方や行動範囲にWi-Fi環境が整っている方は、契約変更により通信料金を下げられる可能性が高いです。
また、オプションについては、重複している場合や利用頻度の低いものを契約し続けているケースもありますので、よく確認してください。
通信費も、一度見直せば節約の効果が続きます。積極的に見直しを行いましょう。

趣味・娯楽費

趣味や娯楽に使う費用は、つい大きくなりがちです。予算を決めていないと、あるだけのお金をつぎこんでしまう恐れもあります。
収入から生活費や貯蓄費を除いたうえで趣味や娯楽にかけられる費用の上限を決め、その範囲内で楽しむようにしましょう。
節約のために趣味や娯楽を完全に削ってしまうことは、おすすめできません。旅行をはじめまとまった費用が必要な趣味には、貯蓄やボーナスを充てるとよいでしょう。

家賃

家賃は生活費のなかでも大きな金額を占めるものです。毎月かかる固定費のため、一度見直すと高い節約効果が得られます。
家賃の適正価格は、収入の3分の1程度が一つの目安 です。2人暮らしの場合、2人の手取り収入の合計で考えるとよいでしょう。また、変動要素の大きなボーナスは除外した金額で見るようにします。
基本的に家賃は安いほうが生活費を抑えるには効果的ですが、費用だけで住居を決めることはおすすめできません。
部屋の間取りや設備は生活のしやすさに直結しますし、家賃を安く抑えることができても交通や買い物環境が不便であると、余分な支出が発生するからです。周辺環境や交通の利便性、職場への距離等から総合的に判断しましょう。
なお、家賃の節約のために引越しを検討する場合には、引越しの費用もふまえて判断することが必要です。引越しは距離にもよりますが、まとまった費用がかかります。
家賃が月1万円下がっても、引越し代や諸費用に50万を要しては、費用を回収するまで4年以上の計算です。引越し先に何年住める見通しなのかを考えたうえで検討しなくてはなりません。

まとめ

2人暮らしの水道光熱費は月2万円程度、生活費は月25万程度が平均値になります。
それぞれ1人のときよりも費用を抑えられる可能性はありますが、結婚や住宅購入、出産・子育て等のライフイベントや、老後の生活に備えて、余分な支出をできるだけ抑えることは重要です。
生活費を把握したうえで使い過ぎていると感じるなら、今回ご紹介した節約方法を参考にして、節約を始めてみましょう。

記事提供:トランス・コスモス株式会社

執筆者保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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