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会社員が加入している雇用保険とは何か?在職中・退職後も助かる制度の詳細を解説

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会社員が加入している雇用保険とは何か?在職中・退職後も助かる制度の詳細を解説
2021.1.21
新型コロナウイルスの影響で経営不振となり、それを理由に従業員の解雇や早期退職を募る会社が増えています。企業に勤める人の中には、失業する事態が他人事とは言えないと感じる人も多いでしょう。そこで万が一に備え、雇用保険と失業手当について確認しておきましょう。

雇用保険とは

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(画像提供:thodonal/stock.adobe.com)
雇用保険は、労働者を雇用するすべての事業主(会社など)に適用される制度です。事業所の規模に関係なく、次の要件において働く人はすべて雇用保険の被保険者になります。
  • 1週間の所定労働時間が20時間以上であること
  • 31日以上の雇用見込みがあること
雇用保険は、失業したときの各種給付や育児休業中の手当支給、雇用安定・能力開発事業など、雇用に関する総合的な機能を持つ制度として運用されています。
失業したときに手続きすることで、手当が給付されることを知っている人は多いかもしれませんが、失業を防ぐための雇用機会の安定や労働者の能力開発、福祉の推進を図る事業という役割も担っています。
ここからは、退職・失業時に気になる人の多い「失業手当」についてまとめてみました。

どんな人が手当をもらえる?

失業手当について確認する前に、どのような状態を“失業”というのか確認しておきましょう。雇用保険における失業とは「就職しようとする意思といつでも就職できる能力があるにもかかわらず職業に就けず、積極的に求職活動を行っている状態にある」ことを指します。
雇用保険に加入している人で、被保険者の期間などを満たしていても、病気やケガ、出産や育児のためなどで就業できない場合や、結婚して家事に専念するために就業できない場合、しばらく休養をとろうとしている場合などは失業にあたらず、失業手当の対象とはならないので注意しましょう。
*ただし、特定理由離職者として認められる場合などは受給期間を延長することができます

手当はいくらもらえる?

失業手当という言葉で広く知られているこの給付金は、正確には、雇用保険にある失業等給付のうち「基本手当」と呼ばれているものです。
これは、定年、倒産、契約期間の満了などの理由で離職した人が、一刻も早く再就職できるよう、給与が得られなくても安定した生活を送れるように支給されるものです。
支給の条件や基本手当の金額は、雇用保険の加入期間や離職理由、就業時の給与などによって異なります。支給条件などは、大きく分けて「一般離職者」「特定受給資格者」「特定理由離職者」のどれにあてはまるかで異なります。
とくに2020年は新型コロナウイルスの影響で、再就職の準備をする時間的な余裕のないまま、止むなく離職となった人もいることでしょう。こういった自分の都合ではなく“止むを得ない場合”には、特定受給資格者と認定され、基本手当の受給開始や日数が厚遇されることが多いです。
また、特定受給資格者でなくても、労働契約が更新されないなどの理由で離職し特定理由離職者に認定された場合は、こちらも受給開始や日数が一般離職者より優遇されます。

手当を受給するには

退職,雇用保険
(画像提供:paylessimages/stock.adobe.com)
基本手当を受給するための大まかな流れは、次の通りです。
  1. 離職(退職・失業)
  2. 受給資格決定
  3. 受給者説明会
  4. 求職活動
  5. 失業の認定
  6. 1回目受給(基本手当の振込)
これらの流れを経てはじめて、基本手当の受給が可能となります。繰り返しになりますが、基本手当は生活費の心配などをせずに、積極的な求職活動ができるように支給されるものです。従って、一定期間(4週間)に1回、失業の状態にあること=求職活動を行っていることの確認が行われます(上記の流れのうち、4~6は繰り返し行います)。
求職活動によって無事に再就職が決まれば基本手当の支給はストップしますが、早めに再就職ができて基本手当の支給残日数がある場合には、一定の要件を満たすことで再就職手当などが支給されます。

各種手続きに必要なもの

手続きに必要となる書類は次の通りです。

1. 雇用保険被保険者離職票

離職後に、離職した会社から届きます(取りに行く場合もあります)。なお、会社はハローワーク宛に「離職証明書」を提出しますが、この書類には離職者の記名押印(またはサイン)が必要なので、記載されている離職理由などを確認しておきます。

2. 個人番号確認書類

マイナンバーカード、通知カード、個人番号の記載のある住民票あるいは住民票記載事項証明書のいずれか1つが必要です。

3. 身元(実在)確認書類

運転免許証、運転経歴証明書、マイナンバーカード、官公署が発行した本人確認証・写真付きの資格証明書などのいずれか1つが必要です。

上記の確認書類がない場合は、公的医療保険の被保険者証、児童扶養手当証書など2種類を組み合わせた書類が必要になります。

4. 写真2枚

直近に撮影されたもので、正面上半身が写っているもの、サイズは縦3.0センチメートル×横2.5センチメートル指定となります。

5. 印鑑

6. 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード

一部指定できない金融機関があるので事前に確認しておきましょう。ゆうちょ銀行は可能です。

正しく給付を受けながら、新しい仕事を探そう!

退職後に受給できる失業等給付の基本手当についてまとめました。なお、雇用保険制度がカバーする範囲は、再就職が決まるまでの支援はもちろんのこと、再就職のための職業訓練費用や再就職が決まってからのサポートなど、幅広く対応しています。万が一のときに備えて雇用保険の知識を蓄えておきましょう。

執筆者:株式会社ZUU

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