アンケートで調査!コロナ禍で住宅購入の考え方はどう変わった?
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公開日:2022年5月30日
そこで今回は、住宅購入を検討している20代~40代の400名を対象に、コロナ禍で住宅購入に対する考え方がどのように変わったのかアンケート調査しました。
アンケートを元にファイナンシャルプランナーが考察しましたので、これからの住まい選びの参考にしてください。
【調査概要】
調査方法:インターネットでのアンケート
対象者:男女400名(無作為に抽出)
調査期間:2022年3月
【アンケート対象者の条件】
20代~40代で住宅購入を検討している方
約半数がテレワークの経験あり
コロナ禍による生活の変化のひとつに、テレワークにより住まいが働く場となったことがあげられます。
住宅購入を検討している方のなかに、テレワークや在宅勤務の方はどのくらいいるのでしょうか。回答結果によると、出社勤務のみの方が50.5%と約半数、職場によってはテレワークを行っているところも意外とあるようです。
具体的には、「半分程度がテレワークとなった」が21.8%、「3割程度がテレワークとなった」が14.0%、「完全にテレワークとなった」が13.8%で、テレワークをしている方の割合は、頻度の違いはあれ、合わせて全体の約半数に達しています。
テレワークは、住まい探しについてどのような影響を与えたのでしょうか。コロナ禍での住まい探しの変化をみていきましょう。
「約4割」が住まい探しの希望条件を変更
コロナ禍で駅からの距離や間取り、住宅購入の予算等住まい探しの条件に変更があったと回答した方は、39.8%にのぼりました。
コロナ禍における外出自粛の影響や働き方の変化で、自宅で過ごす時間が長くなった方も多いでしょう。生活スタイルが変わったことが、住まい探しで求める条件にも一定の影響を及ぼしていることがわかります。
広さや間取りの条件を変えた方が「半数以上」
前問で、「1.あった」と答えた方に、どの点が変化したのか調査してみました。
最多は「広さや間取り(建坪を広くする、書斎を設ける等)」で55.3%、続き「駅からの距離(徒歩5分以内等)」が34.0%、住宅購入予算が10.7%です。
コロナ禍をきっかけにテレワークを導入する企業が増え、テレワークに対する世の中の関心も高まっています。
自宅で働くことが意識されるようになったことにより、住まいに求める広さや間取りの条件が変わってきたのではないでしょうか。
広さや間取りの変更が多く、状況にあわせてよりよい形を模索していることから、コロナ禍であっても住まいの購入についてはポジティブに考えている方が多いと考えられます。
では、広さや間取りの条件が具体的にどのように変わったのか、次の質問で見ていきましょう。
在宅時間の増加により「広さや間取り」の条件が変化
コロナ禍で「広さや間取り」の希望条件が変わった方に、その理由を調査しました。
最多は「在宅時間が増えたので、プライベート空間を作ろうと思った」が31.6%、続いて「在宅時間が増えたので、リビング等特定のスペース・部屋を広くしたいと思った」が29.6%、「テレワークが増えたので仕事部屋を設けようと思った」が16.4%と続いています。
コロナ禍で在宅時間が増え「快適な環境の住まい」への関心が高まっているようです。これまでは、ひとりの時間を確保できていた人も多いと思いますが、テレワーク等で在宅時間が増えると、同じようにはいかないことも出てくるでしょう。
特にテレワークが増えた昨今では、仕事専用のスペースを確保することは、今後の住まい作りのうえで重要なポイントとなりそうです。
例えば、テレワーク下での快適な住環境には、ベランダで仕事の気分転換できる空間を作ったり、自分だけの部屋を作り仕事に集中しやすい場所を確保したり、植物を置いて気持ちを落ち着かせるスペースを用意したり、人それぞれのニーズがあります。
また、在宅時間が増えるということは、家族と一緒の時間が増えることでもあります。ワークスペースの確保のみならず、家族それぞれのライフスタイルを踏まえ、快適に過ごせる住まい作りが必要になるでしょう。
コロナ禍で「駅から近い住まい」を求める方が増加
住まいを考える際には「どこに住むか」も重要なポイントです。住まい探しにおいて「駅からの距離」の条件が変わったと答えた方に、どのように変化したか調査したところ、「許容できる距離が短くなった」と回答した方が70.4%でした。
コロナ禍でテレワークとなり駅までの通勤時間がなくなったことから、許容できる距離が長くなるのではと予想していましたが、驚きの結果となりました。
想像できる理由としては、駅の近くには生活に必要な施設が集まっていることが多いことも影響しているでしょう。これまで通勤途中や会社近辺で済ませていた用事を最寄り駅で済ませるために、駅に近い方がよいというニーズもありそうです。
一方で、「許容できる距離が長くなった」と答え方は29.6%にとどまりました。在宅勤務が増えたことが予想されますが、詳しい理由については、次項でくわしくみていきましょう。
駅から許容できる距離が長くなった要因は「在宅の増加」
前問で、住まい探しの条件で「許容できる駅からの距離が長くなった」と回答した方に理由を調査しました。
最も多かった回答は、「在宅勤務が増えたから」で半数に達しています。続いて「在宅時間が長くなったから」「都会に行く機会が減ったから」「収入が減ったから」が並びました。
また、「収入が減ったから」という回答もあり、駅から近い物件は価格も高くなりがちな点が要因かもしれません。
自宅の立地を考える際にはさまざまな基準がありますが、自宅にいる時間が増えたことによって、駅からの距離の優先度が低くなったものと考えられます。
コロナ禍で住まいの購入予算を減らした方もいる
コロナ禍によって生活スタイルが一変しただけでなく、経済的にもさまざまな影響がありました。
住まい探しの条件で「住宅購入予算」が変わったと回答した方へどのように変更したかを調査してみたところ、「予算を減らした」が64.7%と全体の約3分の2を占めています。
コロナ禍で生活様式が大幅に変わり社会情勢も不安定になるなか、ライフプランを見直した方も多いようです。住まいの購入についても同様で、コロナ禍が落ち着くまで様子をみたいという考えがあるかもしれません。
一方、約3分の1の方は「予算を増やした」と回答しています。自宅で過ごす時間が増えたからこそ、住まいへのこだわりが高まったのではないでしょうか。
「収入面の不安」から住まいの購入予算を変更した方が多い
コロナ禍で住宅購入予算を変更した方に、その理由について自由に回答してもらいました。理由別にどのような背景があるのかをみていきましょう。
収入の減少によって予算を減らした
【自由回答】
収入減少
収入が少ない
収入が減ったため
所得が落ちたから
コロナ禍によって残業代がなく減給になり将来的に不安になったため
今後収入が安定するかわからないため
金がない
予算を減らした理由に、収入の減少をあげた方が多くいました。目先の収入が減ると、将来的に収入を確保できるのかわからなくなり、先々のローンの支払いについての不安が、予算を減らすということにつながっているのではないでしょうか。
将来への不安を考え予算を減らした
【自由回答】
今後のための資金に不安ができた
出勤日が少なくなって給与もカットされて貯金を切り崩してしまったので
コロナ禍の影響で資金面に不安が出たり、収入減少に伴い預貯金を崩したという回答もありました。
コロナ禍の影響で先行きへの不安を感じている方も少なくありません。将来的なお金の心配が、住まいにかけるお金を考え直す要因となっていることが推測されます。
住宅価格の変化によって予算を減らした
【自由回答】
あまりに想定外の予算オーバーのため
材料の高騰の影響で
予算の変更理由には、住宅価格の変化の影響もありました。国土交通省「不動産価格指数」によると、コロナ禍で住宅価格が大きく下がることはなく、上昇傾向が続いています。特にマンションについては依然として高い上昇率となっています。
また、コロナ禍による労働力不足や製品不足、物流途絶により引き起こされたサプライチェーン問題やウッドショック等の影響で建材や建設設備が値上がりしていることも要因かもしれません。
今まで想定していた資金では希望の住まいの実現が難しくなり、結果予算や計画を見直すようになったのかもしれません。
テレワークの実施によって予算を増やした
【自由回答】
テレワークになり、時間的余裕ができ、いろいろと考察するうちに予算を増額することになった
購入したい住まいについてもよく考える時間ができたことで、予算を増やすことに至った方もみられました。
テレワークの実施により、時間の使い方が大きく変わり、プライベートな時間を確保しやすくなったのではないでしょうか。
住まいの希望条件の変化によって予算を増やした・減らした
【自由回答】
もっといい家に住みたいから(予算を増やした)
自宅環境の充実と快適さの追求(予算を増やした)
駅近でなくてよいから(予算を減らした)
住まいの希望条件が変わったことも理由のひとつです。その背景にあるのは、働き方やライフスタイルの変化でしょう。
予算を減らした方は、駅近という条件を外しています。先のアンケート結果にもあったように、在宅勤務が浸透し、駅までの距離が気にならなくなったことが予算にも反映されているようです。
一方、予算を増やした方は自宅環境の充実が目的になっていました。こちらも、家で過ごす時間が長くなったことが背景にあるのではないでしょうか。
特に変更していない
【自由回答】
年収も変わらなかったため
住宅購入の予算を変更していない方は、年収が変わらなかったことを理由にあげています。
住宅購入の予算を考えるときには、年収から考えることが多いのでしょう。今回のコロナ禍では年収の変化がなかった方の場合は、将来的な金銭面の不安を感じにくかったのかもしれません。
予算の増減にはさまざまな理由がありましたが、収入の減少によって予算を減らした方が多いようでした。
住宅購入は大きな買い物で、ローンの支払いも長期になる場合がほとんどです。予算を考えるときには、支払いに負担のない金額を把握することが必要です。
コロナ禍で「移住を考えたことがある」のは約4割
コロナ禍で地方での暮らしが注目され、移住促進に活発に取り組む地方もみられますが、他県への移住について「考えたことがある」と回答した方は37.0%となりました。
単身であれば自分次第で移住できますが、家族がいる場合には家族それぞれの環境にも配慮が必要になります。地方での生活に魅力を感じながらも、現実的には難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。
先の質問で、駅からの許容距離で触れたように、コロナ禍では駅近志向が高まる一方、地方移住への関心も高まる等、住まいの場所はニーズが二分化しているようです。移住を考えた理由には、どのような背景があるのか次の質問でみていきましょう。
移住を考えた理由は「自然環境が魅力」「人混みを避けたい」が多い
他県への移住を考えたことがある理由を最大3つまであげてもらいました。最多は「自然環境が魅力だから」でしたが、環境面、感染対策面、費用面等さまざまな理由から移住が検討されていることがわかります。
「人混みを避けたいから」「実家が近くなるから」といったコロナ禍の影響を強く受けた理由も多くあげられました。感染拡大期は都道府県をまたいだ移動が難しくなり、離れた実家の家族が心配だった方もいることが要因となっているのではないでしょうか。
理由としては4番目でしたが、「仕事が場所を選ばなくなった」という背景も大きいでしょう。生活費が抑えられるからという理由もある通り、高いコストを支払って都心に住む必要性が低くなったことが移住の検討を後押ししていると考えられます。
まとめ
コロナ禍の影響で、住まいに関してさまざまな意識が変化したことがわかりました。なかでもテレワークの普及にともなって、働きやすく快適に過ごせる住環境を求める傾向が高まっているようです。
先行きへの不安から住宅購入について悩む方もいるかもしれませんが、住宅ローンはご自身の状況に応じてさまざまな返済プランを設計できるため、必要以上に不安を抱く必要はありません。
自宅で過ごす時間が増えたからこそ、充実した日々を過ごすために住まいの購入について考えてみてはいかがでしょうか。
記事提供:トランス・コスモス株式会社
執筆者保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士
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