医学部2,000万超!?今から考えておきたい子どもの教育資金
この記事は5分40秒で読めます。
2020.10.5
人生の転機であるいくつかのライフイベントは、就職、結婚・出産、マイホーム購入など。結婚、そして子どもを持つことになれば、子どもの教育には大きな費用がかかります。子どもの教育資金と言っても、まだ独身で社会人としてスタートしたばかりの若手ビジネスパーソンにはピンとこないでしょう。しかし、将来慌てないために、今から少しずつ考えておきましょう。
教育資金=学費、ではない
(画像提供=paylessimages/stock.adobe.com)
子どもは早ければ0歳から保育園に入り、小中学校、高校、大学と進んだ場合、22年間にわたってなんらかの教育資金がかかることになります。満3歳で保育園や幼稚園の年少クラスに入った場合でも19年間。独り立ちするまでには当然多くのお金が必要なため、しっかりと計画的に貯蓄をしておくことが大切です。
文部科学省が実施している「子供の学習費調査」では、子どもにかかる教育資金を次の3つに分けています。
1.学校教育費
授業料のほか、入学金、教科書などの図書費、通学費、制服代、それにクラブ活動の費用も含まれます。
2.学校給食費
幼稚園・小学校・中学校で徴収される給食のための経費です。給食がない場合や高校では計上されません。
3.学校外教育費
学習塾や予備校、習い事、それらに通うための交通費や図書費などが該当します。
大学入学後に子どもが一人暮らしをした場合など、こうした教育資金のほかに生活費・仕送りを視野に入れておく必要があります。
教育資金の目安
(画像提供=imtmphoto/stock.adobe.com)
大学卒業までにかかる教育費はどの程度になるのでしょうか。「平成30年度子供の学習費調査」の学校種別学習費総額によると、幼稚園から高校(全日制)まで、1年間に保護者が支出した子ども1人当たりの額は以下のような結果となっています。
【幼稚園~小学校】
公立幼稚園 |
私立幼稚園 |
公立小学校 |
私立小学校 |
|
学習費総額 |
22万3,647円 |
52万7,916円 |
32万1,281円 |
159万8,691円 |
うち学校教育費 |
12万738円 |
33万1,378円 |
6万3,102円 |
90万4,164円 |
うち学校給食費 |
1万9,014円 |
3万880円 |
4万3,728円 |
4万7,638円 |
うち学校外教育費 |
8万3,895円 |
16万5,658円 |
21万4,451円 |
64万6,889円 |
【中学校~高校】
公立中学校 |
私立中学 |
公立高校 |
私立高校 |
|
学習費総額 |
48万8,397円 |
140万6,433円 |
45万7,380円 |
96万9,911円 |
うち学校教育費 |
13万8,961円 |
107万1,438円 |
28万487円 |
71万9,051円 |
うち学校給食費 |
4万2,945円 |
3,731円 |
- |
- |
うち学校外教育費 |
30万6,491円 |
33万1,264円 |
17万6,893円 |
25万860円 |
さらに、大学も国公立または私立、学部・学科によって費用が大きく異なります。
国立大学では、授業料(標準額)が年額53万5,800円、入学金(同)は28万2,000円となっていて、4年間で支払う額は242万5,200円になります。
公立大学では90大学の平均値で、年間の授業料は53万8,633円、入学料は地域内または地域外によって異なり、23万~39万4,000円ほどとなっています。4年間の総額で考えると、国立大学と同じように250万円前後を想定しておくといいでしょう。
私立大学の場合、文部科学省の「私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果」によると、入学料、施設設備費、授業料を加えた初年度の納付金が、文系で約117万円、理系で約154万円、医歯系で約182万円となっています。4年間では、文系が398万円、理系で542万円、医歯系の場合は6年で約2,357万円となります。
さまざまな教育資金サポート
(画像提供=7maru/stock.adobe.com)
多くのお金が必要となる子どもの教育資金ですが、2019年10月から開始された3~5歳児クラスが対象の幼児教育・保育の無償化をはじめ、家計の負担を減らすためのさまざまな制度もあります。
高等学校等就学支援金制度は、国の支援金を高校が受け取ることで授業料に充てる制度です。公立高校の場合、年収がおよそ910万円以下世帯であれば年間11万8,800円が支給されます。公立高校の年間授業料はほとんどが11万8,800円以下なので、年収がおよそ910万円以下であれば授業料が実質的に無償になります。
また、私立高校の場合は、年収がおよそ590万円未満であれば年額39万6,000円が支給され、年収590万円以上~910万円未満の場合は、支援金は年間11万8,800円となります(両親・高校生・中学生の4人家族で、両親の一方が働いている場合)。
なお、公立・私立ともに支援が受けられる年収は親の就業状況や家族構成によって変わってくるので注意してください。また、収入や資産など支援対象条件を満たす世帯であれば、大学・短大・高等専門学校・専門学校において入学金や授業料などの減免や給付型奨学金が支給される高等教育の就学支援制度も始まっています。
ほかにも教育資金を用意できる制度として、350万円を上限(一部、限度額450万円)として低利で融資を受けられる国の教育ローンである教育一般貸付があります。また、生命保険会社の商品である学資保険を利用という手もあります。あるいは、各種の奨学金や大学校の特待生制度などと比較しながら、最適な方法を見つけるといいでしょう。
子どもの選択肢を増やすために少しずつ備えておこう
教育資金を用意しておくことは、子どもがしたいことを実現するためのサポートにつながります。大きなお金を急に準備するのは大変ですから、少しずつでも早めに蓄えを始めることで、家族の生活を圧迫することなく、子どもの選択肢を増やすことができます。
もちろん、結婚をしないことも子どもを持たないということもあるでしょう。その場合でも、お金を貯めておくことは決して無駄にはなりません。教育資金の目安を意識して、今のうちから貯蓄を始めてみましょう。
執筆者:株式会社ZUU
※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途ホームページ等でご確認ください。
- 本サイトの記事は情報提供を目的としており、商品申込等の勧誘目的で作成したものではありません。
- また、一部、当行にて取り扱いのない商品に関する内容を含みますが、商標登録されている用語については、それぞれの企業等の登録商標として帰属します。
- 記事の情報は当行が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その確実性を保証したものではありません。
- 記事は外部有識者の方等にも執筆いただいておりますが、その内容は執筆者本人の見解等に基づくものであり、当行の見解等を示すものではありません。
- なお、記事の内容は、予告なしに変更することがあります。
あわせて読みたい
株式会社 三菱UFJ銀行
(2022年3月28日現在)