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円高・円安とは?どっちがいい?メリット・デメリットや覚え方をわかりやすく解説!

円高・円安とは?どっちがいい?メリット・デメリットや覚え方をわかりやすく解説!
  • 2025年2月28日

  • この記事はこんな方におススメ!
  • 円高と円安の意味を理解したい方
  • 為替とはなにか気になっている方

「円高」や「円安」という言葉について、何となく意味はわかっていても、「具体的にどのような状況を指すのだろう?」、「円高と円安はどちらがいいの?」と疑問に感じている人もいるかもしれません。
この記事では、円高・円安の意味や覚え方、それぞれのメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。

目次

円高・円安とは?

テレビのニュースを見ると、「本日の東京外国為替市場の円相場は…」という情報をよく耳にします。為替相場の動向を日々取り扱うのは、私たちの生活に大きな影響を与える要因であるためです。
では、そもそも為替市場ではどのような取引が行われ、円高・円安へ推移しているのでしょうか。その仕組みについて学んでいきましょう。

世界の通貨の交換比率は一定ではない

日本に住む私たちは、「日本円」を法定通貨として使用しています。しかし、海外とお金のやり取りが発生するときは日本円を外貨へ両替する必要があり、そのときに使われるのが為替市場での交換比率です。
たとえば、「日本円から米ドルへ交換する」というときは、「1米ドル = 〇〇円」という交換比率が決まっており、これを「為替相場」や「為替レート」と呼びます。
この為替相場(レート)は「通貨を買いたい人(需要)」と「通貨を売りたい人(供給)」のバランスによって決められており、そのバランスが変わることによって為替相場も影響を受けて動く仕組みです。

「円高」とは何か

円高とは、ほかの通貨に対する日本円の相対的な価値が高まることです。わかりやすく、日本円と米ドルで考えてみましょう。
「1米ドル = 100円」の水準のときに、日本円の需要が増加すると「米ドルを売って日本円を買う」という動きが強まります。
これにより日本円の価値が高くなることで為替相場が変動し、「1米ドル = 90円」や「1米ドル = 80円」へと推移することを、「円高へ進行する」といいます。

「円安」とは何か

反対に、円安とはほかの通貨に対する日本円の相対的な価値が低くなることです。これも日本円と米ドルを例に考えてみましょう。
「1米ドル = 100円」の水準のときに、「米ドルを買いたい」という人の需要が増加すると、「日本円を売って米ドルを買う」という動きが強まります。
これにより米ドルの価値が高くなることで為替相場が変動し、「1米ドル = 110円」や「1米ドル = 120円」へ推移することを「円安へ進行する」といいます。
円高・円安とは

「ドル高」「ドル安」も考え方は同じ

為替相場の状況を表すときに、「ドル高」や「ドル安」といった言葉を使うことがあります。たとえば、ドル高は「ドルの相対的な価値が高まること」を指しており、円高と考え方は同じです。
また、為替相場は2つの通貨間の需給のバランスによって決められますので、「円高 = ドル安」、「円安 = ドル高」と必ず相反する動きとなります。

円高・円安のわかりやすい覚え方

円高や円安という言葉について考えるとき、「2つの意味を混同してしまう」、「なかなか意味を覚えられない」という人も少なくありません。
たとえば、1米ドル = 100円から1米ドル = 80円になったとき、数字上では日本円が減っているように見えるのに、「なぜ『円高』なの?」と疑問に感じる人も多いでしょう。
円高や円安の言葉の意味を覚えるときは、「相手の通貨から見た日本円の価値を表している」と考えるとわかりやすくなります。
先ほどの例でいうと、1米ドルを両替して100円を受け取る状況から、80円を受け取る状況へと変化しています。同じ1米ドルでも、得られる日本円の金額が減っているため、「米ドルから見て日本円の価値が高まっている = 円高」という解釈です。
反対に、円安も同じで、1米ドル = 100円から1米ドル = 120円へと推移することは、一見すると数字がふえているため、「円安」という言葉とは結び付かないように感じられます。しかし、米ドル側から見ると、1米ドルで100円を得ていた状況から120円へと変化しているため、「円の価値が安くなっている = 円安」と表されます。
円高・円安は相手の通貨から見た日本円の価値

円高・円安のメリット・デメリット

円高・円安のメリット・デメリット
為替相場は、日用品や食品、光熱費の価格にも影響を与える大きな要因です。ただし、「円高のほうがいい」、「円安のほうがいい」と一概に言い切ることはできず、それぞれにメリット・デメリットがあります。

円高のメリット・デメリット

円高では、円の価値が高まり他の通貨の価値が安くなることから、海外のモノを安く購入できるメリットがあります。たとえば、100米ドルのバッグを購入するときに、1米ドル = 100円から80円へと推移すると、以前は1万円だったのが8,000円で購入できるようになります。
外貨も安く調達できるため、海外旅行や海外留学へ行きやすくなるのも大きな利点です。
また、経済全体で考えると、輸入にかかるコストが安くなるため、輸入企業の利益がふえる傾向にあります。
その一方で、外貨建ての資産を持っている場合は、円に換算した際の価値が目減りしてしまう点に注意が必要です。加えて、輸出企業にとっては円建てでの売り上げが減少してしまうため、企業業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

円安のメリット・デメリット

円安では円の価値が低くなり他の通貨の価値が高まるため、すでに保有している外貨建て資産の価値が上がるメリットがあります。たとえば、1万米ドルの外貨預金を日本円へ換えるとき、1ドル = 100円のときは100万円ですが、1ドル = 120円の場合は120万円へと受け取る金額が増加します。
このように、円安へ進行したときに日本円へ換えることで為替が変動した分の利益(為替差益)を得られる可能性があります。
また、輸出企業にとっては円建てでの売り上げがふえるため、利益が増加しやすいのも大きな特徴です。
ただし、円安になると輸入にかかるコストが高くなることから、海外からの輸入商品の値段が上がる傾向にあります。たとえば、原油などほとんどを輸入に頼っている資源の価格も高くなるため、電気代やガス代、ガソリン代なども高騰しやすくなります。
加えて、輸入企業にとっても商品を仕入れるコストが高くなることから、利益が減少する大きな要因のひとつとなります。

円高のときにするといいこと

為替相場が円高に推移しているときには、次のようなことに取り組むことが有効といえます。

  • 高価な輸入品を購入する
  • 海外旅行や海外留学を計画する
  • 円高の恩恵を受けやすい企業へ投資する
  • 外貨建て資産を購入する

それぞれくわしく紹介していきましょう。

高価な輸入品を購入する

海外の商品が安く買えることから、高価な輸入品を購入するにも良いタイミングです。たとえば、1,000米ドルの商品を購入するとき、1米ドル = 100円のときは10万円が必要ですが、1米ドル = 95円になると95,000円で購入することができます。
「欲しいけど値段がネックになっている」という海外商品がある場合は、円高を機に購入を検討してみると良いかもしれません。

海外旅行や海外留学を計画する

海外への渡航費用を安く抑えやすい円高の環境下では、海外旅行や海外留学の計画を立てるのもひとつの方法です。円高へ進行しているときは外貨を安く調達できるため、より費用を抑えられるメリットがあります。

円高の恩恵を受けやすい企業へ投資する

日本円の価値が高くなる円高では、海外からモノを輸入する企業の業績が上がりやすくなります。そのため、円高の恩恵を受けやすい企業へ投資をするのも良いでしょう。
また、海外旅行の需要もふえることから、輸入企業だけでなく旅行業界や航空業界へ投資することも選択肢のひとつです。
ただし、必ずしも「円高 = 輸入企業が儲かる」というわけではありません。将来的に、円安へ転じて利益が減少してしまうことも考えられるでしょう。
株式投資に取り組む際は、きちんと企業分析を行い、リスクを理解したうえで資金を投じることが大切です。

外貨建て資産を購入する

将来、市場の状況が変動するときに備えて、今のうちから外貨建て資産を購入しておくことも有効です。
為替市場は常に変動しており、需要と供給の変化によって円高へ動いたり、円安へ動いたりを繰り返しています。つまり、円高が進行している場合であっても、今後同じような状況が継続するわけではありません。
円高の環境では、いずれ円安へと転じる(=円の価値が安くなる)ことに備えて、今のうちから外貨建て資産を購入しておくのも良いでしょう。
円高のときにするといいこと

円安のときにするといいこと

一方、円安へ進行しているときは下記のような取り組みが有効です。

  • 国内旅行を楽しむ
  • 外貨建て資産を売却する
  • 輸出関連企業へ投資する
  • 国内産の商品を中心に購入する
  • 節約や家計の見直しを行う

それぞれくわしく紹介していきましょう。

国内旅行を楽しむ

海外旅行のコストがかさんでしまう円安の環境下では、「なかなか海外旅行へ行くのが難しい」、「どこか旅行へ行きたいけど、海外は費用面のハードルが高い」ということも珍しくありません。このような状況下では、費用を抑えやすい国内旅行を楽しむことがおススメです。
当然のことですが、国内旅行であれば外貨への両替の必要がなく、為替の変動による影響を考慮する必要がありません。
また、これまで訪れたことのない土地や観光名所をたずねることで、知らなかった日本の魅力にあらためて気付くことができるのも大きなメリットです。

外貨建て資産を売却する

円安の状況では外貨建て資産の価値が円換算で高くなるため、売却することで為替差益を実現し、利益を得られる可能性があります。
さらに、売却で得た資金を円建ての資産や他の投資機会に再投資することで、ポートフォリオのバランスを整え、リスクを分散することができます。これにより、資産の安定性を高めるだけでなく、新たな投資先での成長の機会を捉えることができます。
市場の変動に備えるためにも、円安時に外貨建て資産を売却することは有効な手段となり、資産運用の柔軟性を高めることが期待できるでしょう。

輸出関連企業へ投資する

円安が進行しているときは、その恩恵を受けやすい企業へ投資することも考えてみましょう。たとえば、海外へモノを輸出する企業では、円建てでの売り上げが増加することから、業績が上向く期待があります。
ただし、前述のとおり、市場は常に変動しており、今後も同じような状況が続くとは限りません。「円安だから輸出企業に投資する」と安易に判断するのではなく、企業の強みや財務状況、今後の見通しなどをきちんと分析したうえで投資するようにしましょう。

国内産の商品を中心に購入する

海外からの仕入れコストが増加する円安では、輸入商品の価格が上がってしまうデメリットがあります。そのため、同じ商品を購入する場合であっても、「気付いたら値段が高くなっている」ということも少なくありません。
家計の支出をより抑えるためには、為替の影響を受けにくい国内産の商品を中心に購入するのも良いでしょう。

節約や家計の見直しを行う

円安が進行すると、食費や日用品の値段が上がったり、電気代やガス代などの固定費が増加したりするなど、私たちの生活の負担も大きくなります。健全な家計を保つためには、「削減できる支出はないか」、「無駄遣いしていることはないか」など毎月の家計を見直し、節約に取り組むことも大切です。
最近では、手軽に家計管理ができるアプリなどもありますので、そうしたものを活用してみるのも良いでしょう。
円安のときにするといいこと

まとめ

為替相場は、私たちの生活に大きな影響を与える要因のひとつです。円高・円安のどちらか一方がいいということではなく、それぞれに良い影響・悪い影響があります。大切な自分の資産をまもるためには、為替の動きによるリスクを理解し、自分の生活や資産運用がどのように影響を受けるか把握しておくことが大切です。
執筆者:椿 慧理(つばき えり)
執筆者保有資格:2級ファイナンシャル・プランニング技能士、1種外務員資格、内部管理責任者
※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途ホームページ等でご確認ください。

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