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財産目録を作成する目的とは?記載内容や注意点について解説

財産目録の解説
更新日:2025年12月25日

相続が発生した際は、被相続人の正確な財産の把握が必要です。相続人が相続手続きをスムーズに進めるためには、ご自身で財産をまとめて財産目録を作成しておきましょう。
ここでは、財産目録を作成する目的や記載する内容について解説します。


目次
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財産目録とは?

「財産目録」とは、相続財産の内容が一覧でわかるようにまとめたものです。
被相続人自身があらかじめ生前に作成しておくケースと、相続開始後に相続人や遺言執行者によって作成されるケースがあります。財産目録は、遺言者が遺言書に添付するために作成したり、相続人が遺産分割協議の際に作成したりすることがあります。財産目録の作成自体は義務ではない場合もありますが、相続人が相続放棄や限定承認の判断をするためにも必要です。また、限定承認や遺産分割調停の申し立てをする際には、家庭裁判所への提出が必要になります。
なお、遺言執行者が選任された場合、遺言執行者は相続人に対して相続財産目録を作成して交付する義務があります。
参考資料 物件等目録
  1. 上記財産目録はイメージです。
    出典:法務省「自筆証書遺言に関するルールが変わります。」
    https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00240.html

財産目録を作成する目的

多くの場合、財産目録の作成は義務ではありませんが、相続人の相続時の負担軽減のためにも、生前にご自身で財産目録を作成しておくことをおススメします。ここでは、あらかじめ財産目録を作成しておく目的について、具体的にご説明しましょう。

相続手続きをスムーズに行うため

相続人が、相続手続きをスムーズに行うためには財産目録があると良いでしょう。
生前に財産目録を作成していない場合は、相続人や遺言執行者によって作成されます。
相続手続きを行うにあたって、遺言書がない場合は相続人全員で遺産分割協議を行いますが、遺産分割協議では、すべての財産を把握する必要があります。相続人が被相続人の財産を把握するには手間がかかることも少なくないですが、その際にあらかじめ財産目録があればスムーズに協議を行えます。
また、遺産分割協議が終わった後、相続人の知らない財産が追加で発覚したために、遺産分割協議を最初からやり直さなくてはならないこともあるでしょう。
相続人の負担を考え、このような事態を避けるためにも、生前に財産目録を作成しておくことをおススメします。

遺言書を作成するため

遺言書を作成する際は、あらかじめ財産目録を作成しておくと良いでしょう。遺言書には、誰にどの財産を相続させるか具体的に記しますが、財産の把握が必要となるため、財産目録があれば便利です。また、多くの銀行と取引をしていたり、不動産を多く所有していたりする場合には、財産目録を作成することで自分がどれくらいの財産を所有しているのか把握しやすくなります。
なお、遺言における遺言執行者がいる場合は、遺言執行者に財産目録の作成義務があります。

財産目録に記載する内容

財産目録にはすべての財産を記載する必要がありますので、プラスの財産もマイナスの財産も把握しておかなければなりません。プラスの財産とマイナスの財産は、下記のようなものが挙げられます。

■プラスの財産とマイナスの財産の例
プラスの財産 不動産、預貯金、有価証券(株式や債券など)、自動車、美術品、貴金属、ゴルフ場の会員権、相続開始時点の未収入金(入院給付金や各種還付金など) など
マイナスの財産 住宅や車両のローン、未払家賃、未払いの税金、未払いの医療費、偶発債務(保証債務など) など
  1. マイナスの財産のうち、偶発債務(保証人としての保証債務など)は、相続において相続人が引き継ぐことになりますが、確定した債務ではないため、相続税の計算における「債務控除」の対象にはなりません。
これらの財産を財産目録に記載する場合には、財産内容を特定できるような情報を記載しなければなりません。たとえば、預貯金の場合は銀行名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義など、くわしく記載するようにしましょう。
美術品、貴金属なども財産になります。これらを記載する場合にも、保管場所とともに具体的に特定できる情報を記載します。たとえば、「時計」と記載するだけではなく、「金庫に保管している〇〇株式会社の品名△△△(製造番号××××)の時計」といったような記載が望ましいです。
また、財産の状況が変わった場合には、相続が発生した際に必要な情報になるので、その都度、遺言書や財産目録の内容を変更したほうが良いでしょう。なお、遺言書の添付資料として財産目録を作成する際は、相続時に把握していなかった財産が発覚した場合にそなえて、「そのほかの財産が発覚した場合には◯◯◯◯(相続人名)に財産を引き継ぐ」と遺言書に記載しておくこともできます。
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財産目録を作成するときの注意点

財産目録には決まった形式はなく、自分で財産を調べて作成することが可能です。また、財産目録を自筆証書遺言の一部として利用する場合は、2019年の民法改正により、署名押印を条件にパソコンで作成したものでも認められるようになりました。また、預金通帳の口座情報がわかる部分のコピーや、登記事項証明書(不動産登記簿謄本)のコピーなども、目録として添付することができます。

ただし、このような場合は自筆証書遺言所定の形式を満たす必要があるため注意が必要です。

ここでは、財産目録を作成するにあたり押さえておきたいポイントを解説します。

目録に記載されている財産が特定できること

預貯金であれば、「〇〇〇銀行の預金」ではなく「〇〇〇銀行 △△△支店 普通預金 口座番号□□□□□□」といったように、財産の明細は、金融機関名だけでなく支店名、口座種別、口座番号、必要であれば口座名義も明記するようにしましょう。
同じ金融機関でも複数口座を持っている人も多いため、記載の財産がどれを指しているのか特定できるようにすることがポイントです。
不動産についても、地番・地目まで正確に記載することが大切です。また、持ち分があるなど特記すべきことも、備考としてあわせて記載しておくと良いでしょう。

財産の内容に漏れがないようにすること

財産目録で、財産の一部の記載が漏れていた場合、その財産については遺産分割協議により分割内容を決めることになります。たとえば、相続発生後に作成した財産目録を基準に遺産分割協議を行ったあとに、追加で相続財産が判明した場合、その分について再度分割協議を行う必要があります。追加で判明した財産であっても、遺産分割協議は相続人全員の合意が必要なため、財産の記載漏れは思いがけない手間や時間がかかることにも繋がります。
財産目録を作成する際は財産内容をしっかり調査し、漏れのない財産目録とするよう心がけましょう。

自筆証書遺言の財産目録として使用する場合は所定の形式を満たすこと

自筆証書遺言を作成する際、財産目録を添付することができます。目録の形式は、特段の定めはありませんが、署名押印の必要があります。また、2019年の民法改正により、必ずしも全文を自書する必要がなくなり、たとえばパソコンなどで作成したり、預貯金については通帳の写しを添付する、土地については登記事項証明書(不動産登記簿謄本)を添付したりすることもできます。ただしこの場合も、財産目録の各ページに署名押印が必要、自書によらない財産目録は本文が記載された自筆証書とは別の用紙で作成される必要がある、本文と同一の用紙に自書によらない記載をすることはできないなど、自筆証書遺言に添付するうえで所定の方式があります。方式を充足していないと、遺言書として認められなくなってしまう場合もあるため注意が必要です。

財産を調べる際には専門家に相談を

財産目録には決まった形式はなく、自分で財産を調べて作成することが可能です。しかし、銀行などの専門家に相談すれば、相続財産の範囲をアドバイスしてくれるため、自分では財産だと思わなかったものが財産と気付くこともあります。把握しにくい財産としては、たとえば生命保険の保険金や通帳のないインターネット銀行口座などが考えられるでしょう。
また、遺言書を作成する際も、財産の分割方法について相談できます。相続関連の制度が変わった場合にも対応できるため、財産目録や遺言書を作成する際には、専門家に相談することをおススメします。

遺言書の作成のご相談は三菱UFJ銀行へ

財産目録や遺言書の作成は、専門家に任せると安心です。財産目録を正しく作成できるだけでなく、制度の改正にも対応でき、相続に対するアドバイスも受けることができます。

三菱UFJ銀行では、お客さまからお伺いした財産内容と、ご希望の分割内容をもとに、財産目録と分割案の試算を作成・ご提示し、相続へのそなえのご相談を承ることも可能です。遺言信託[遺心伝心]では、三菱UFJ信託銀行の信託代理店として、この財産目録と分割案の試算をもとに遺言書の作成から保管、遺言執行までの手続きをサポートさせていただいております。
「財産目録と分割案の試算」サンプル
  1. 上記はイメージです。
    出典:三菱UFJ信託銀行 相続のいろは
    https://www.tr.mufg.jp/shisan/souzoku_iroha/souzoku_taisaku/bunkatsu.html

三菱UFJ信託銀行の信託代理店として、三菱UFJ銀行では遺言信託[遺心伝心]を取り扱っています。

三菱UFJ銀行の各支店では、資産承継、相続についてのご相談を承っています。ぜひお気軽に、ご相談ください。

執筆者:井出 進一(いで しんいち)

執筆者保有資格:税理士・FP2級

監修者:さいとう税理士法人

※記事内の情報は更新時点のものです。最新情報は別途ホームページ等でご確認ください。

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