財産目録を作成する目的とは?記載内容や注意点について解説
相続が発生した際は、被相続人の正確な財産の把握が必要です。相続人が相続手続きをスムーズに進めるためには、ご自身で財産をまとめて財産目録を作成しておきましょう。
ここでは、財産目録を作成する目的や記載する内容について解説します。
財産目録とは?
被相続人自身があらかじめ生前に作成しておくケースと、相続開始後に相続人や遺言執行者によって作成されるケースがあります。財産目録は、遺言者が遺言書に添付するために作成したり、相続人が遺産分割協議の際に作成したりすることがあります。財産目録の作成自体は義務ではない場合もありますが、相続人が相続放棄や限定承認の判断をするためにも必要です。また、限定承認や遺産分割調停の申し立てをする際には、家庭裁判所への提出が必要になります。
なお、遺言執行者が選任された場合、遺言執行者は相続人に対して相続財産目録を作成して交付する義務があります。
- 上記財産目録はイメージです。
出典:法務省「自筆証書遺言に関するルールが変わります。」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00240.html
財産目録を作成する目的
相続手続きをスムーズに行うため
生前に財産目録を作成していない場合は、相続人や遺言執行者によって作成されます。
相続手続きを行うにあたって、遺言書がない場合は相続人全員で遺産分割協議を行いますが、遺産分割協議では、すべての財産を把握する必要があります。相続人が被相続人の財産を把握するには手間がかかることも少なくないですが、その際にあらかじめ財産目録があればスムーズに協議を行えます。
相続人の負担を考え、このような事態を避けるためにも、生前に財産目録を作成しておくことをおススメします。
遺言書を作成するため
財産目録に記載する内容
財産目録にはすべての財産を記載する必要がありますので、プラスの財産もマイナスの財産も把握しておかなければなりません。プラスの財産とマイナスの財産は、下記のようなものが挙げられます。
| プラスの財産 | 不動産、預貯金、有価証券(株式や債券など)、自動車、美術品、貴金属、ゴルフ場の会員権、相続開始時点の未収入金(入院給付金や各種還付金など) など |
|---|---|
| マイナスの財産 | 住宅や車両のローン、未払家賃、未払いの税金、未払いの医療費、偶発債務(保証債務など) など |
- マイナスの財産のうち、偶発債務(保証人としての保証債務など)は、相続において相続人が引き継ぐことになりますが、確定した債務ではないため、相続税の計算における「債務控除」の対象にはなりません。
美術品、貴金属なども財産になります。これらを記載する場合にも、保管場所とともに具体的に特定できる情報を記載します。たとえば、「時計」と記載するだけではなく、「金庫に保管している〇〇株式会社の品名△△△(製造番号××××)の時計」といったような記載が望ましいです。
財産目録を作成するときの注意点
財産目録には決まった形式はなく、自分で財産を調べて作成することが可能です。また、財産目録を自筆証書遺言の一部として利用する場合は、2019年の民法改正により、署名押印を条件にパソコンで作成したものでも認められるようになりました。また、預金通帳の口座情報がわかる部分のコピーや、登記事項証明書(不動産登記簿謄本)のコピーなども、目録として添付することができます。
ただし、このような場合は自筆証書遺言所定の形式を満たす必要があるため注意が必要です。
目録に記載されている財産が特定できること
同じ金融機関でも複数口座を持っている人も多いため、記載の財産がどれを指しているのか特定できるようにすることがポイントです。
不動産についても、地番・地目まで正確に記載することが大切です。また、持ち分があるなど特記すべきことも、備考としてあわせて記載しておくと良いでしょう。
財産の内容に漏れがないようにすること
財産目録を作成する際は財産内容をしっかり調査し、漏れのない財産目録とするよう心がけましょう。
自筆証書遺言の財産目録として使用する場合は所定の形式を満たすこと
財産を調べる際には専門家に相談を
遺言書の作成のご相談は三菱UFJ銀行へ
財産目録や遺言書の作成は、専門家に任せると安心です。財産目録を正しく作成できるだけでなく、制度の改正にも対応でき、相続に対するアドバイスも受けることができます。
- 上記はイメージです。
出典:三菱UFJ信託銀行 相続のいろは
https://www.tr.mufg.jp/shisan/souzoku_iroha/souzoku_taisaku/bunkatsu.html
三菱UFJ信託銀行の信託代理店として、三菱UFJ銀行では遺言信託[遺心伝心]を取り扱っています。
三菱UFJ銀行の各支店では、資産承継、相続についてのご相談を承っています。ぜひお気軽に、ご相談ください。
執筆者:井出 進一(いで しんいち)
執筆者保有資格:税理士・FP2級
監修者:さいとう税理士法人
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