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会社設立の費用はいくらかかる?会社形態や手続きごとの金額の違いとあわせて解説

会社設立には、資本金の他にも登記申請等に費用が発生します。
本記事では会社の形態ごとに必要となる費用の違いや、登記申請をする際にかかる費用などについて、利用できる補助金や助成金とあわせて解説します。

会社設立に必要となる費用

会社の設立時には、資本金以外にも法務局や公証役場等に支払う必要のある法定費用など、さまざまな費用がかかります。その中でも法定費用は、会社の形態によって必要な金額が変わります。

 

まずは、会社設立に必要となる以下の費用について解説します。

 

  • 資本金
  • 法定費用
  • その他の費用

資本金

資本金とは会社の設立に伴い、創業者や株主、投資家によって払い込まれた資金のことです。

 

事業を行うための元手になる資本金は、借入金のような返済義務がない純資産です。

登記簿謄本に記載される資本金は、一般的に会社の体力の指標とされる傾向にあり、対外的な会社の信用に影響することも少なくありません。

 

かつて、資本金の下限額は決められていましたが、2006年の会社法改正に伴い最低金額に関する決まりがなくなりました。現在では、資本金1円から株式会社を設立することができます。

法定費用

会社の設立時には、法務局や各役所に登記申請をはじめとした手続きを行います。その際、必要になる費用のことを法定費用と呼びます。

 

法定費用には、以下が挙げられます。

 

  • 登録免許税
  • 定款用の認証手数料
  • 定款の謄本手数料
  • 定款の収入印紙代
  • その他の費用

 

それぞれの費用がどのようなものか詳しく解説します。

登録免許税

登録免許税とは、会社の登記を行う時に国に対して支払う手数料です。登録免許税の金額は、会社の資本金の金額によって決まります。

 

登録免許税には下限が設けられており、株式会社は15万円、合同会社の場合は6万円が最低でも費用として発生します。具体的な算出方法は以下の通りです。

 

株式会社:資本金×0.7% または 15万円の高い方の金額
合同会社:資本金×0.7% または 6万円の高い方の金額

定款用の認証手数料

設立する会社が株式会社の場合、定款用の認証手数料が必要になります。

これは作成した定款の改ざんや紛失、内容が正しく書かれているかなど紛争を防ぐために、公証人に証明をしてもらう必要があるために生じる費用です。

 

公証人に公証役場で認証してもらうのに必要です。

 

この認証手数料は、設立時の資本金の金額で支払金額が決まっています。

設立時の資本金
認証手数料

100万円未満

3万円

100万円以上300万円未満 4万円
300万円以上 5万円
なお、合同会社を設立するときには定款認証が必要ないため、支払いはありません。

定款の謄本手数料

定款の謄本にかかる手数料も支払う必要があります。

定款とは会社の規則のことで、紙で作成したときは1枚につき250円の手数料がかかります。

 

作成枚数は設立する会社の状況によって異なりますが、発行した枚数分の手数料が発生する点に注意しましょう。

定款用の収入印紙代

会社設立の時に作成する定款は特別文書と呼ばれるものに分類されるため、印紙税法によって4万円分の収入印紙代がかかります。ただし、電子定款にした場合は収入印紙は不要です。

 

電子定款を作るためには、ソフトのダウンロードやPC機器を揃える必要があります。手続きも煩雑になるため、専門家に依頼する人も少なくありません。

 

専門家に依頼する場合、依頼費用が別途かかります。

その他の費用

法定費用の他にも、会社を設立して事業を始めるために必要な費用があります。

会社をスタートするためにオフィスを構える場合には家賃が必要になります。

 

 

さらに、オフィス内には仕事に必要なデスクやパソコン、インターネット環境ほか、取引先に渡すための名刺などの備品も用意しなくてはなりません。

 

また、会社として取引をするためには会社の実印なども必要です。このように、会社設立に際しては、大きなものから細かなものまで、さまざまな費用が発生することを覚えておきましょう。

株式会社と合同会社では設立に必要な費用が異なる

会社を設立する際、株式会社と合同会社とでは必要な費用の金額が異なります。

企業形態ごとに異なるそれぞれの費用について、詳しく説明します。

項目
株式会社
合同会社

登録免許税

15万円

または

資本金×0.7%の高い方

6万円

または

資本金×0.7の高い方
定款用の認証手数料

資本金100万円未満:3万円

資本金100万以上300万円未満:4万円

資本金300万円以上:5万円

定款の謄本手数料

1枚につき250円

定款用の収入印紙代 4万円(電子定款は不要) 4万円(電子定款は不要)
合計金額 約25万円 約10万円

株式会社の設立にかかる費用

株式会社の設立は、登録免許税、定款用の認証手数料、定款の謄本手数料、定款用の収入印紙代などでおよそ25万円かかります。

合同会社の設立にかかる費用

合同会社の設立は、およそ10万円程度の費用が発生します。合同会社の場合、定款の作成が必要ないため、設立費用が抑えられる特徴があります。

 

ただし、合同会社は株式会社と異なり、株式を発行して出資してもらうことができないため、資金調達の手段が限られてしまう点に注意が必要です。

手続きを自分で行うか専門家に依頼するかによって費用が異なる

会社設立に関する手続きは、自分で行うか、専門家に依頼するかによって発生する費用が変わります。自分でやるのが費用面は安く抑えられる一方で、ミスによってやり直しが発生してしまう可能性がある点には注意しましょう。

 

会社設立に関する手続きを請け負ってくれる専門家もさまざまで、自分のニーズにあわせて依頼先を選択することが大切です。

 

ただし、依頼時に費用が発生する点には注意が必要です。

会社設立にかかる費用には補助金や助成制度も利用できる

会社設立には、大きな金額のお金が必要になるケースも少なくありません。

最近では、新しく起業する人をサポートするために補助金や助成金が用意されています。それらを活用して、設立時にかかるお金を抑えながら会社を設立することができます。

 

ここからは、会社設立時に活用できる補助金や助成金について解説します。

利用できる補助金や助成制度を活用する

起業の際に活用できる補助金や助成金を提供しているのは、主に以下の団体です。

 

  • 経済産業省
  • 厚生労働省
  • 地方自治体
  • 民間団体

 

補助金や助成金は返済の義務がないので、会社設立時には大きなサポートになります。各団体から出されている要綱をきちんと確認してから申し込みをしましょう。

 

民間団体の助成金や補助金は種類や条件、規模などがさまざまです。自分のニーズにあった補助金や助成金を探してみてください。

まとめ

新たに会社を設立するときには、資本金以外にも準備しておくべき費用があります。

 

登記に関連して必要な法定費用、登記後に必要になるオフィスの家賃やテーブル、インターネットなどの環境面でも整えなければなりません。また、会社の設立に伴う手続きを自分で行うか、専門家に依頼するかによっても費用が変わります。

 

各都道府県や政府から受けられる補助金や助成金もあるため、会社設立時には確認をしておくと良いでしょう。

制作日:2023年3月

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