外国送金のISO20022移行について(送金依頼方法の変更)
これまでの外国送金は、銀行間での情報のやり取りをMT(メッセージタイプ)と呼ばれる古いフォーマットを使っています。
1970年代から始まったこの方法が、デジタル化の中でコンピュータシステムとの親和性が高いフォーマットに変わろうとしています。
1970年代から始まったこの方法が、デジタル化の中でコンピュータシステムとの親和性が高いフォーマットに変わろうとしています。
これまでの外国送金からISO20022へ
外国送金の仕組み
お客さまからの外国送金のご依頼は、SWIFT(国際銀行間通信協会)によるグローバルネットワークを介して決済されています。
「外国送金」と聞くと、資金が国境を越えて送られるイメージをされるかもしれませんが、実際は銀行同士で「送金指図」=「〇〇さんの口座XXXXXXにUSD XXX.XXを入金してください」という情報により実行されています。送金指図はSWIFTを介して行い、資金決済は各国中央銀行が運営する各国決済制度を通じて行います。
「外国送金」と聞くと、資金が国境を越えて送られるイメージをされるかもしれませんが、実際は銀行同士で「送金指図」=「〇〇さんの口座XXXXXXにUSD XXX.XXを入金してください」という情報により実行されています。送金指図はSWIFTを介して行い、資金決済は各国中央銀行が運営する各国決済制度を通じて行います。
これまでの外国送金
これまでの送金指図のフォーマットはMTフォーマットと呼ばれ、通信容量に制限があった1970年代から利用されている古いデータフォーマットです。また送金人から取引銀行への送金依頼、受取人への入金通知にはMTとは別のフォーマットが使用され、外国送金取引のプロセスを複雑にしてきました。従来型のデータフローは、昨今の国際的なアンチマネーローンダリング(以下、AML)規制強化の高まり、データビジネスへの活用、事務処理の効率化ニーズ等にも相容れるものではありません。こうした外国送金の課題に対応するため、銀行間で利用している代表的な電文送受信インフラであるSWIFTは2023年3月から2025年11月にかけて、外国送金のデータフォーマットをMTから新たな統一フォーマットーISO20022へ移行していくことを発表しています。
ISO20022移行後の外国送金
お客さまからの送金依頼、銀行間の決済、お客さまへの入金通知に至るまで、共通フォーマットによる情報伝達が可能となります。
ISO20022とは?
ISO20022は金融通信メッセージフォーマットの国際標準規格で、SWIFTや世界各国の国内決済において採用されています。
ISO20022は、外国送金を依頼するお客さまから銀行への送金指図に始まり、送金銀行・中継銀行・受取銀行、さらには受取人に至るまでの情報受け渡しにおいて、データフォーマットの共通化・標準化を目指す国際規格です。資金決済に必要な情報だけでなく、お客さまの取引に関わる豊富な情報を、システム処理に適した形で送受信することが可能となります。
ISO20022は、外国送金を依頼するお客さまから銀行への送金指図に始まり、送金銀行・中継銀行・受取銀行、さらには受取人に至るまでの情報受け渡しにおいて、データフォーマットの共通化・標準化を目指す国際規格です。資金決済に必要な情報だけでなく、お客さまの取引に関わる豊富な情報を、システム処理に適した形で送受信することが可能となります。
ISO20022メッセージフォーマットの例(現行のMTフォーマットとの違い)
従来の規格であるMTは40年以上も前に生まれたもので、アナログな仕組みになっています。例えば、フィールドと呼ばれる入力欄には、複数の情報を一括入力することを求めており、アンチマネーローンダリングのスクリーニングを困難にしていました。
例えば下図のように、MTフォーマットにおける送金受取人情報は、「59」という一つのフィールドに受取人名・住所・都市名・国名の多数の情報が入力されます。
これに対し、ISO20022メッセージフォーマットは、XMLというコンピュータ言語に準拠したフォーマットであり、多くのシステムやソフトウェアでの活用において高い柔軟性を持つ仕組みになっています。なお、ISO20022フォーマットはMXフォーマットとも呼ばれます。
<ご参考>XMLは「Extensible Markup Language」の略で、日本語では「拡張可能なマークアップ言語」と訳されます。
例えば下図のように、MTフォーマットにおける送金受取人情報は、「59」という一つのフィールドに受取人名・住所・都市名・国名の多数の情報が入力されます。
これに対し、ISO20022メッセージフォーマットは、XMLというコンピュータ言語に準拠したフォーマットであり、多くのシステムやソフトウェアでの活用において高い柔軟性を持つ仕組みになっています。なお、ISO20022フォーマットはMXフォーマットとも呼ばれます。
<ご参考>XMLは「Extensible Markup Language」の略で、日本語では「拡張可能なマークアップ言語」と訳されます。
~XMLの特徴~
- XMLでは、<〇〇>と</〇〇>のようにタグと呼ばれる記号で文字を囲むことで、データの内容を明確に記載することが可能になります。
- 拡張性が高く、多くのコンピュータシステムへの取込・応用が可能となります。
SWIFTによるISO20022移行が目指す姿
決済処理の迅速化・高度化
送金で必要なデータがISO20022フォーマットに統一されることで、送金処理の迅速化が期待される住所情報における国や都市の情報を明確化することで、コンプライアンス対応が向上
情報の高度化
拡張性が高く、コンピュータシステムで広く活用が可能なデータフォーマット
従来のフォーマットと比べてデジタル化に対応しやすく、送金データ取込後の消込などの自動化が可能に
従来のフォーマットと比べてデジタル化に対応しやすく、送金データ取込後の消込などの自動化が可能に
ビジネスへの活用
新しいデータ項目の設定や、送金情報詳細といった多くの情報を送金依頼と同時に送信することができる
SWIFT及び当行(本邦)における移行のスケジュール及びお客さまへの影響
- インターネットバンキング(BizSTATION)や外国送金WEBサポート等、受付媒体によって開始時期が変わります。
お客さまの被仕向送金への影響について
2023年3月以降、欧州の銀行を中心にISO20022フォーマットの利用が開始されています。
当行では、2023年3月から2025年11月までの間、ISO20022フォーマットで到着した外国送金はSWIFTの定める変換ルールに則って当行内でMTフォーマットに変換したうえで従来通り、お客さま口座へのご入金をさせて頂きます。
一方、ISO20022フォーマットで受信するRemittance Information(送金情報)等、一部の項目の情報量増加が見込まれます。併存期間においては、全ての項目を従来のレポート・到着案内明細には表示しきれない可能性があります。
当行では、2023年3月から2025年11月までの間、ISO20022フォーマットで到着した外国送金はSWIFTの定める変換ルールに則って当行内でMTフォーマットに変換したうえで従来通り、お客さま口座へのご入金をさせて頂きます。
一方、ISO20022フォーマットで受信するRemittance Information(送金情報)等、一部の項目の情報量増加が見込まれます。併存期間においては、全ての項目を従来のレポート・到着案内明細には表示しきれない可能性があります。
お客さまの仕向送金への影響について
弊行では2024年7月以降、ISO20022フォーマットでの送金受付を順次開始しています。SWIFTは2025年11月にMTフォーマットの廃止を予定しており、この期間は新旧フォーマットの併存期間となります。
ISO20022フォーマットでの外国送金においてはお客さまからいただく送金依頼のフォーマットにも変更が生じるため、一部のお客さまの社内システムの更改を要する可能性もございます。
(例)送金依頼人・送金受取人・受取銀行の住所情報の構造化と細分化など
ISO20022フォーマットでの外国送金においてはお客さまからいただく送金依頼のフォーマットにも変更が生じるため、一部のお客さまの社内システムの更改を要する可能性もございます。
(例)送金依頼人・送金受取人・受取銀行の住所情報の構造化と細分化など
- 移行後の依頼書はイメージであり、実際の依頼書とは異なります。
- 移行後の依頼書はイメージであり、実際の依頼書とは異なります。
(2024年7月31日現在)
よくあるご質問
- Q1.
- ISOとは何ですか?
- Q2.
- ISO20022移行の対象取引範囲を教えてください。
- Q3.
- 三菱UFJ以外の銀行も、新しいISO20022フォーマットを利用するのでしょうか?
- Q4.
- SWIFTネットワークの外国送金以外でも、ISO20022フォーマットの利用が進んでいるのでしょうか。
- Q1.
- 被仕向送金について、2023年3月から2025年11月までのMTフォーマット / ISO20022フォーマット併存期間の取扱いについて教えてください。
- Q2.
- MTフォーマット / ISO20022フォーマット併存期間において、「全ての項目を従来のレポート・到着案内明細には表示しきれない可能性があります」とのことですが、これによりどういった影響があるのでしょうか?