相続手続きの期限はいつまで?主な期限と期限内に進めるポイント
- 2026年4月9日
相続手続きには、期限が定められているものが数多くあります。
特に相続税の申告は、相続開始を知った日の翌日から10ヵ月以内に行う必要があり、期限内に手続きを完了しなければ、延滞税が課されるほか、各種の税額軽減制度を利用できなくなる可能性があります。そのため、相続税を中心に、どのような期限付きの手続きがあるのかを把握し、期限を見据えて計画的に進めることが重要です。
特に相続税の申告は、相続開始を知った日の翌日から10ヵ月以内に行う必要があり、期限内に手続きを完了しなければ、延滞税が課されるほか、各種の税額軽減制度を利用できなくなる可能性があります。そのため、相続税を中心に、どのような期限付きの手続きがあるのかを把握し、期限を見据えて計画的に進めることが重要です。
ここでは、相続手続きの主な期限と、期限内に手続きができなかった場合のデメリットについて解説します。
目次
相続・遺言・遺産整理のご相談
期限のある相続手続き
相続手続きの多くは期限がありますが、その期限の起点となるのは、「相続の開始があったことを知った日」です。一般的には、被相続人が亡くなった日となります。
まずは、期限が設定されている相続手続きにはどのようなものがあるのかご紹介しましょう。
まずは、期限が設定されている相続手続きにはどのようなものがあるのかご紹介しましょう。
期限の短いものから、主な手続きについて説明しています。
1-A:相続放棄(相続の開始があったことを知った日の翌日から3ヵ月以内)
相続放棄とは、相続人が被相続人の財産および債務を相続する権利を放棄することです。マイナスの財産が多い場合など、財産や債務を引き継ぎたくないときに利用されます。
相続放棄をするには、「相続の開始があったことを知った日の翌日から3ヵ月以内」に家庭裁判所へ申述しなければなりません。下記【1-B】の限定承認を選択する場合も、同じ期限が適用されます。相続放棄は、相続人ごとに単独で選択・手続きすることが可能です。
相続放棄をするには、「相続の開始があったことを知った日の翌日から3ヵ月以内」に家庭裁判所へ申述しなければなりません。下記【1-B】の限定承認を選択する場合も、同じ期限が適用されます。相続放棄は、相続人ごとに単独で選択・手続きすることが可能です。
<参考:法定相続人の全員が相続放棄した場合の取扱い>
各順位(第1順位:子どもなど/第2順位:父母など/第3順位:兄弟姉妹など)の法定相続人全員が相続放棄をした場合、次の順位の人に相続権が移ります。
例:第1順位である子ども全員が相続放棄した場合、第2順位である父母などが相続人となります。
各順位(第1順位:子どもなど/第2順位:父母など/第3順位:兄弟姉妹など)の法定相続人全員が相続放棄をした場合、次の順位の人に相続権が移ります。
例:第1順位である子ども全員が相続放棄した場合、第2順位である父母などが相続人となります。
このような場合には、前の順位の相続人が、次の順位の相続人に対して「相続放棄により相続権が移ったこと」を連絡する必要があります。なお、第3順位の次の法定相続人はいません。その場合、最終的には特別縁故者への分与や国庫帰属となります。
次の順位の法定相続人が、相続放棄や限定承認をする場合の手続き期限は、「前の順位の相続人全員が相続放棄したことを知った日」から3ヵ月以内です。
次の順位の法定相続人が、相続放棄や限定承認をする場合の手続き期限は、「前の順位の相続人全員が相続放棄したことを知った日」から3ヵ月以内です。
1-B:限定承認(相続の開始があったことを知った日の翌日から3ヵ月以内)
限定承認とは、被相続人の債務がどの程度かわからず財産が残る可能性もあるなどといった場合に、相続人が相続したプラスの財産の範囲内で、マイナスの財産を引き継ぐ相続方法です。
限定承認も、相続放棄同様、相続の開始があったことを知った日の翌日から3ヵ月以内に家庭裁判所に申し立てをしなければなりません。
限定承認も、相続放棄同様、相続の開始があったことを知った日の翌日から3ヵ月以内に家庭裁判所に申し立てをしなければなりません。
限定承認は共同相続人全員で行う必要があり、一部の相続人だけで行うことはできません。
2:所得税の準確定申告(相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヵ月以内)
準確定申告とは、「被相続人が亡くなった年の所得税について行う確定申告」のことをいい、相続人が申告・納付の手続きを行うこととなります。しかし、被相続人に確定申告の必要がなければ、準確定申告の手続きは不要です。まず被相続人は確定申告が必要なのかどうかを調べましょう。
準確定申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヵ月以内に税務署へ申告する必要があります。
準確定申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヵ月以内に税務署へ申告する必要があります。
3:相続税の申告・納付(相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内)
相続した財産の価額(相続人全員分の合計額)が、相続税の基礎控除額を超える場合には、相続税の申告および納付義務が生じます。
相続税の基礎控除額は、「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」で計算されます。
相続税の申告・納付の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内です。期限までに申告・納付ができない場合、延滞税などが課される可能性があるほか、相続税の軽減特例が適用できなくなる可能性があります。
特に相続財産が高額な場合には、相続税の税額に大きく影響するため早めの準備が重要です。
相続税の基礎控除額は、「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」で計算されます。
相続税の申告・納付の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内です。期限までに申告・納付ができない場合、延滞税などが課される可能性があるほか、相続税の軽減特例が適用できなくなる可能性があります。
特に相続財産が高額な場合には、相続税の税額に大きく影響するため早めの準備が重要です。
4:遺留分侵害額請求(時効:相続開始および侵害を知ってから1年)
遺留分とは、配偶者と子どもなどの直系卑属、ならびに親や祖父母などの直系尊属にあたる相続人が、最低限相続できる権利および割合を定めたものです。遺言書や一定の生前贈与によって相続人の遺留分が侵害されている場合には、遺留分を侵害している受遺者または受贈者に対して遺留分侵害額請求を行い、遺留分相当額の金銭を請求することができます。なお、通常の遺産分割協議については遺留分侵害額請求の権利はありません。
遺留分侵害額請求の期限は、相続の開始および遺留分侵害を知ってから1年以内とされています。
なお、遺留分を侵害されている事実を知らなかったとしても、相続開始から10年経過すると、遺留分侵害額を請求できなくなります。
遺留分侵害額請求の期限は、相続の開始および遺留分侵害を知ってから1年以内とされています。
なお、遺留分を侵害されている事実を知らなかったとしても、相続開始から10年経過すると、遺留分侵害額を請求できなくなります。
5:死亡保険金の請求(請求期限3~5年)
被相続人が生命保険(死亡保険)の被保険者であれば、生命保険の受取人が死亡保険金を受け取れます。死亡保険金の請求期限は、被保険者が亡くなった日から3年間(かんぽ生命は5年間)です。
被保険者が加入していた生命保険会社に請求し、死亡保険金を受け取ります。
被保険者が加入していた生命保険会社に請求し、死亡保険金を受け取ります。
6:相続税の更正の請求(過大申告の場合の還付請求/時効:5年)
相続税を誤って過大に申告・納付してしまった場合の還付請求(更正の請求)は、相続税の申告期限から5年以内で時効となります。なお、一定の特例事由が生じた場合には、その事由が発生した日から4ヵ月以内に更正の請求を行う必要があります。たとえば、不動産の評価額を実際よりも高く算定して相続税を多く納付していた場合、5年以内に正しい評価額に基づいて相続税の還付請求を行うことで、払い過ぎた相続税が還付される可能性があります。
相続税の申告期限は、通常「相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内」です。そのため、還付請求の時効はそこから5年後となります
相続手続きが期限内に終わらない場合のデメリット
相続手続きが期限内に終わらない場合には、主に相続税を中心としていくつかのデメリットが考えられます。具体的にどのようなデメリットがあるのかを解説します。
相続税の軽減制度などが利用できなくなる
相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内に相続税の申告・納付ができなければ、下記のような税金の軽減制度などが利用できなくなります。
- 小規模宅地等の特例(一定の土地の評価額を50~80%減額)
- 配偶者の税額軽減(配偶者の相続財産について、法定相続分または1億6,000万円まで相続税がかからない制度)
- 農地等の納税猶予の特例
- 非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例
- 相続税の物納
なお、遺産分割協議が相続税の申告・納付期限までにまとまらない場合には、「未分割財産」として相続税の申告をすることとなり、特に相続税負担への影響が大きい「小規模宅地等の特例」および「配偶者の税額軽減」が適用できません。ただし、一定の手続きを行ったうえで、後日遺産分割協議がまとまれば、相続税の申告期限後であっても、特例を適用した相続税額による還付請求(更正の請求の特例。分割が成立した日から4ヵ月以内に手続きが必要)を行うことが可能です。
とはいえ、相続税の申告・納付期限までには、軽減制度を適用しない通常の税額で相続税を支払わなければなりません。その後、還付請求時に、先に納付した通常税額と特例税額との差額を還付してもらうことになります。
相続税の延滞税がかかる
相続税を期限までに納付できないと、納期限の翌日から完納する日までの延滞税を支払わなければなりません。延滞税の利率は、納期限の翌日から2ヵ月を境に変わり、年によっても利率は変わります。
未納の相続税の元本が大きい場合は、延滞税も高額になる場合があるため注意が必要です。
相続人が亡くなり、新たな相続が発生する可能性がある
ひとつの相続手続が完了しないまま長期間が経過すると、その間に相続人の一人が亡くなり、新たな相続が発生することがあります。遺産分割協議がまとまらないまま相続人が死亡し、その相続人についてさらに相続が開始することを「数次相続」といいます。
数次相続が生じると、当初の相続人の相続人(次の世代の相続人)が、元の遺産分割協議などに参加する必要があり、その結果、遺産分割協議や不動産登記などの相続手続きが一層煩雑になります。
このような事態を避けるためにも、相続手続きはできるだけ早めに進めることが重要です。
数次相続が生じると、当初の相続人の相続人(次の世代の相続人)が、元の遺産分割協議などに参加する必要があり、その結果、遺産分割協議や不動産登記などの相続手続きが一層煩雑になります。
このような事態を避けるためにも、相続手続きはできるだけ早めに進めることが重要です。
相続手続きを期限内に終わらせるためには
相続手続きには期限があるものがほとんどで、それに合わせたスケジュールを組むとなると、相続人の負担はとても大きくなります。最後に、相続手続きを期限内に終わらせるための方法についてご紹介しましょう。
遺言書がない場合
遺言書がない場合は、財産を特定して財産目録を作成し、相続人を確定して全員で遺産分割協議を行います。しかし、遠方に住んでいる相続人がいたり、相続人同士の都合がつかなかったりすると、相続人全員の合意を得るのもカンタンではありません。
このような場合には、相続手続きのノウハウがある銀行や専門家などに、遺産整理を依頼するという方法もあります。遺産整理を依頼すれば、相続手続きに関する窓口を一本化でき、負担を軽減することも可能です。
このような場合には、相続手続きのノウハウがある銀行や専門家などに、遺産整理を依頼するという方法もあります。遺産整理を依頼すれば、相続手続きに関する窓口を一本化でき、負担を軽減することも可能です。
遺言書がある場合
遺言書がある場合でも、銀行や専門家などに相談してみると良いでしょう。公正証書遺言があり、遺言執行者が指定されていれば、銀行が遺言執行補助をして、遺言執行者の負担を軽減できる場合もあります。
遺言書が自筆証書遺言であれば、銀行では遺言執行補助ではなく遺産整理でサポートが可能なケースもあります。
遺言書が自筆証書遺言であれば、銀行では遺言執行補助ではなく遺産整理でサポートが可能なケースもあります。
遺産整理のご相談は三菱UFJ銀行へ
相続手続きは、相続人の負担がとても大きいものです。相続手続きを期日までに間に合わせるためには、銀行などの専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
三菱UFJ銀行では、遺産整理のご相談を承っております。被相続人さまの財産内容や相続人の状況、遺言の有無などを伺ったあと、三菱UFJ信託銀行が財産目録や遺産分割協議書の作成、それに沿った相続手続きを行うもので、預貯金、株式などの名義変更や換金処分(売却・解約・外貨両替等による現金化)も承ります。
三菱UFJ信託銀行の信託代理店として、三菱UFJ銀行の各支店にてご相談が可能です。
ぜひ、三菱UFJ銀行の遺産整理業務[わかち愛]のご利用をご検討ください。
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