遺言執行者とは?役割・できること・選任方法をわかりやすく解説
- 2026年2月5日
遺言書の内容を実行する際に、遺言執行者を指定または選任する場合があります。遺言執行者とはどのような人が選ばれ、どのようなことを行うのでしょうか。
ここでは、遺言執行者が単独で実行できる手続きや義務のほか、遺言執行者の選任方法などを解説します。
遺言執行者とは?
「遺言執行者」とは、遺言書の内容にもとづいて相続に関わる手続きを進めていく人です。遺言書で被相続人から指定される場合と、相続人などの申し立てにより家庭裁判所にて選任される場合があります。ただし、遺言書により遺言執行者が指定されている場合を除き、相続にあたって必ずしも遺言執行者を選任しなければならないわけではなく、状況によって異なります。
まずは、どのような状況で遺言執行者の選任が必要となるのかを解説します。
遺言執行者が必要になるケース
推定相続人の相続廃除(遺言による廃除)とは、遺言者の相続人となると推定される人が、遺言者に対して虐待や侮辱を行っていた場合、遺言によってその相続人の相続の権利を廃除することです。推定相続人の相続廃除を行うには、遺言執行者が家庭裁判所で手続きをする必要があります。
子の認知(遺言認知)とは、遺言によって婚姻関係にない人との間に生まれた子どもを自分の子どもと認めることです。遺言書で子の認知が行われたら、認知された子どもは相続人となることができ、遺言執行者が認知届を市区町村役場に提出する必要があります。
遺言執行者を必ずしも選任しなくていいケース
指定されていな場合は、遺言書に推定相続人の廃除や子の認知がなければ、遺言執行者を選任しなくても問題はありません。
また、相続人全員の合意により、遺言書の内容によらず任意に遺産分割協議を行う場合も、遺言執行者は選任されません。
任意に遺言執行者を選任するメリット
遺言書はあるものの、遺言執行者が指定されていない場合に、任意に遺言執行者を選任するという選択肢もあります。
遺言執行者がいなければ、相続人全員で相続に関する手続きを進めることになりますが、相続人が多かったり、連絡がとりにくかったりすると、手続きをスムーズに進めにくいこともあります。
一方、遺言執行者を選任していれば、遺言執行者が中心となって遺言書の内容にもとづく手続きを進めることができます。
遺言執行者が単独で実行できる手続き
財産の遺贈
名義変更などの手続き
そのほか遺言執行に必要な行為
遺言執行者の義務
遺言執行者に選任された旨の通知
通知の際には遺言書のコピーなどを添付し、遺言内容も相続人・受遺者に知らせる必要があります。
財産目録の作成
具体的には、銀行などの預金や株式、不動産などが挙げられますが、プラスの財産だけでなくマイナスの財産も含めた、すべての財産を特定しなければなりません。そのうえで、財産目録を作成し、すべての相続人に開示します。
善管注意義務
相続人への報告
相続手続きがすべて終わった際にも、相続人に対して報告を行います。
財産の引き渡し
遺言執行者は、遺言書の内容に従い、相続財産の名義変更や解約などを行い、財産や権利を相続人に引き渡します。
また、遺言執行にかかった費用は、民法上、相続財産の負担とされており、相続人に請求することができます。ただし、遺言執行者が自分のために費用を使用した場合や、相続財産に損害を与えた場合には、その費用は自ら負担しなければなりません。
なお、相続税の申告においては、遺言執行費用などの相続財産に関する費用は、債務控除として申告することはできないとされています。
遺言執行者の指定・選任方法
遺言者が遺言書で遺言執行者を指定する方法(遺言執行者の指定)
遺言執行者の指定を第三者に委託する方法(指定の委託)
遺言執行者を指定するもうひとつの方法として、遺言者が遺言執行者の指定を第三者に委託する方法があります。この方法では、遺言執行者を指定する人をあらかじめ決めて、その旨を遺言書に記載しておきます。
遺言書により指定の委託を受けた者は、遅滞なく遺言執行者を指定し、その旨を相続人に通知する必要があります。委託を受けた者から指定された人が、遺言執行者となります。
家庭裁判所により遺言執行者を選任する方法(家庭裁判所による選任)
未成年者と破産者以外は遺言執行者になれる
しかし、遺言執行者の負担は大きく、遺言執行者となれば仕事を休んで手続きを行わなくてはならない状況もあるかもしれません。財産目録の作成や相続人への報告などにも、多くの時間を割くことになります。
そこで、遺言執行者を銀行や弁護士、司法書士などに依頼するという方法もあります。「身内を遺言執行者に指名することで負担をかけたくない」「確実に相続手続きを進めたい」と考えるのであれば、銀行などに依頼するといいでしょう。
遺言執行者は解任・辞任できる
遺言書作成は三菱UFJ銀行へご相談を
三菱UFJ銀行では、相続の手続きに有効な公正証書遺言の作成から保管、遺言執行までの手続きをサポートさせていただいております。
また、三菱UFJ信託銀行の信託代理店として遺言信託[遺心伝心]を取り扱っています。三菱UFJ銀行の各支店へお気軽にご相談ください。
執筆者保有資格:税理士・FP2級
監修者:さいとう税理士法人
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