チームで向き合う資産運用のかたち 前編
プライベートバンキングの世界では、一人の担当者がお客さまと長く向き合うことが当たり前とされてきました。そうしたなか、三菱UFJモルガン・スタンレー証券のプライベートバンキンググループでは、3人で構成された「チーム」を組成し、お客さまを担当する取り組みが始まっています。
チーム発足の背景と役割分担による提案の質の変化について、三菱UFJモルガン・スタンレー証券 東日本プライベートバンキンググループの金森亮(写真中央)、成松真太郎(同右)、小西一毅(同左)が語ります。
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きっかけは米国トップFAの姿。「お客さまのために」から生まれたチーム体制
―もともとは個々のメンバーがお客さまを担当されていたところから、現在の「3人1チーム」体制へ移行されたそうですが、背景にはどのような理由があったのでしょうか。
金森 きっかけは、米国モルガン・スタンレーの第一線で活躍する担当者(以下、トップFA(ファイナンシャル・アドバイザー))たちと接する機会を得たことでした。そこで出会った米国のトップFAたちは「自分が一番優秀であること」ではなく、「お客さまにとって最善の答えは何か」を追求していました。
その問いを突き詰めた結果として、多くのトップFAがチーム制を採用していたのです。これはわたしにとって、かなり衝撃的なことであり、日本でも導入すべきだと確信しました。
日本でも先輩と若手、あるいは、証券経験者と銀行からの出向者が組む「ペア制」のような形はこれまでもありました。しかし、それぞれが独立して活動してきたFA同士が、「お客さまのために」という共通認識のもとでチームを組む形は、わたしたちの知る限り、当社にはありませんでした。このような体制が日本でできないかと社内で相談を重ね、実際にチームを組む運びとなりました。
成松 このチームが本格的にスタートしたのは2026年4月ですが、その半年以上前から、わたしと金森の2人が組み、一部のお客さまに対して先行してチームでの応対を行っていました。そして、これが非常にうまく機能したのです。
それまではわたしも1人でお客さまとの関係を築きながら、お客さま一人ひとりの課題やご要望に向き合ってきました。しかし、金森と協業することによって各自の専門性がさらに高まり、何か課題があっても2人で解決方法を持ち寄ることの相乗効果を生み出せる、と確認できました。そのため、2026年4月からチーム制の導入に踏み切ったのです。
小西 わたしは2026年4月からこのチームに加わりました。それまでは一人で、多くの富裕層のお客さまの担当者として活動していました。お一人おひとりに精一杯対応してはいたのですが、質を追求すると、すべてのお客さまに同じ時間をかけることが物理的に難しいという課題があります。
チームを組めば、メンバーの各々が異なる強みや役割を持ち対応できるので、お客さまの満足度が上がると考えます。また、富裕層のお客さまには、こうした総合的なフォローをするサービスが必要不可欠だと、チームに加わってさらに感じました。
「このチームに相談しよう」と信頼されるために
―富裕層のお客さまから金融機関に対して、どのようなニーズがあるのでしょうか。
金森 運用の成果はもちろん大切ですが、それ以上に重要なのが信頼されることです。その信頼の源泉は、お客さまが抱えている事業承継、相続、不動産、海外資産の管理や承継といった、多岐にわたるニーズへの対応です。
さまざまなご相談にわたし一人で考えて答えを出すのではなく、チームメンバー全員で考えを出し合い意見をまとめていくと、多角的な視点からのご提案が可能になります。それが、信頼できる金融機関として選んでいただける結果につながると考えています。
成松 お客さまは、証券会社だから株式を、銀行だから預金を、とのニーズを持っているわけではありません。それよりも、総合的な金融サービスを求めていると考えています。富裕層のお客さまであるほど、その傾向は強いと感じます。
総合的なサービスとは、病院でたとえるなら「自分の症状がどの診療科に行けばいいのかわからないので、まずは相談できる総合窓口へ行きたい」というイメージです。内科なのか外科なのかわからなくても「まずはこのチームに相談してみよう」と思っていただけることが、一番重要だと考えています。
小西 「何かあれば相談したい」というご要望にお応えするうえで、チームの専門性や経験に加えてMUFGグループのリソースを活用できることは大きな強みです。一人の担当者でなくチームとしてお客さまを深く理解したうえでグループのリソースにつなげられるため、多様なソリューションの提供が可能になります。
―富裕層のお客さま特有の悩みには、どのようなものがあるのでしょうか。
金森 富裕層といってもお悩みの根本は、社会で多くの人々が感じる課題と大きくは変わりません。ただ、金額の規模感が異なります。そのため、オーソドックスな手段とは異なるアプローチが必要になる場合があり、MUFGグループのさまざまなリソースを活用しながら解決しています。
成松 事業をされている方が多いので、事業承継や資産承継は大きなテーマです。ご自身の事業や資産を、どのように次世代へ引き継いでいくかという課題には、お子さまの教育の観点も深くかかわってきます。たとえば、「子どもにこれほどの資産をのこすことが、本当に良いことなのだろうか」と悩まれる方が少なくありません。一方で税負担へのそなえも必要です。それぞれのお客さまにとって最良の着地点を探りながら、動いています。
小西 お客さまには、長期の視点で物事を考える方が多いと感じます。次世代への引き継ぎも含めて、ご自身の事業や資産をどのように長期にわたってつなげていけるかを、真剣に考えていると受け止めています。
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取り組みを始めて見えてきた成果とは?
―チームとして活動するようになって、「一人ではできなかったこと」ができるようになったと実感されるのは、どういった場面でしょうか。
金森 チームでの取り組みは、明らかに成果へとつながっていると感じています。感覚的なことですが、お客さまがわたしに対して感じていたと思われる「壁」のようなものがなくなったと思います。そういえる理由は、以前よりも幅広いテーマで、安心してお任せいただける機会がふえたからです。
またチームを組む前までは、上場・非上場を問わず企業オーナーのお客さまから、他のお客さまのご紹介をいただいていました。一方、チーム体制を組んでからは、財団法人をはじめとした非営利法人など、法人・個人問わず幅広いお客さまからご相談をいただく機会がふえたことも変化の一つです。
―チームのなかでどのように提案の質を高めていますか。
成松 わたしはチーム内で運用責任者という立場ですが、ご提案の前に他のメンバーから確認してもらうことで、客観性を担保できるようになりました。
チームでは、金森が司令塔兼リレーションシップマネージャーとしてお客さまとの関係構築の最前線に立ち、わたしは一歩引いたところで運用のパフォーマンスを上げることに集中しています。そして、案件とともにふえていく実務やサポートを、小西が支えてくれています。信頼できるメンバーがいるからこそ、わたしはマーケットに向き合う運用業務に特化でき、時間をより有効に使えるようになりました。それが提案の質を高めることにつながっています。
さらに、銀行・信託銀行・証券の連携が、チームになってから飛躍的にふえました。わたしが一人のアドバイザーとしてお客さまとお付き合いしていた頃は、どうしても資産運用に関するご相談が中心でした。しかし、現在のチーム体制になってからは、お客さまから預金や相続、遺言といった証券会社としての本業以外のご相談も多く寄せられるようになっています。結果として、グループ各社と密接に連携しながら活動するケースがふえました。さまざまなソリューションに触れる機会が多くなったことで、グループのシナジーも実感しています。
―チームの一員としてご自身を見たとき、何を意識しているのでしょうか。
小西 わたしは、チームメンバーへのサポートやお客さまからの要望に対して、スピードと丁寧さを意識して対応し、満足度を高められるように取り組んでいます。また、お客さまへの定期的な対話により、ご家族構成や事業環境、将来に対する考え方の変化など、数字には表れない情報を特に大切にしています。得た情報はチーム内で迅速に共有し、お客さまの理解を深め、さまざまな提案に反映するよう心がけています。
将来的にはチーム増員も視野。より高品質な提案をめざす
―それぞれの得意分野を生かして「ワンチーム」として動くために、日常的にどのような連携や情報共有をしていますか。
金森 わたしたちは席が隣同士で何でも話せる環境におり、常に情報共有をしています。
わたしが得意分野としているのは、新しいお客さまとのお付き合いを始める新規開拓ですが、「このようなお客さまとお付き合いが始まりそうだから、提案書をつくってほしい」と運用責任者へすぐに依頼し実務面をサポートしてもらう、といった連携がスムーズに行えています。円滑に進められるのは、互いの信頼関係があるからです。
この体制が成果を挙げてお客さまがふえれば、メンバーを増員する可能性もあると思います。ただ単に人数をふやすのではなく、この3人が「信頼して一緒に働ける」と思えるメンバーに入ってほしいと考えています。
わたしが得意分野としているのは、新しいお客さまとのお付き合いを始める新規開拓ですが、「このようなお客さまとお付き合いが始まりそうだから、提案書をつくってほしい」と運用責任者へすぐに依頼し実務面をサポートしてもらう、といった連携がスムーズに行えています。円滑に進められるのは、互いの信頼関係があるからです。
この体制が成果を挙げてお客さまがふえれば、メンバーを増員する可能性もあると思います。ただ単に人数をふやすのではなく、この3人が「信頼して一緒に働ける」と思えるメンバーに入ってほしいと考えています。
成松 かしこまった定例ミーティングという形ではなく、横にいるメンバーといつでも話せる関係構築を意識しています。つまり、リアルタイムで情報共有ができているということです。市場環境の変化や提案内容についても、日常的に意見交換を行っています。
一方で、常に3人で一緒に動いているわけではありません。同じ時間帯に、それぞれが別のお客さまの対応をすることもあります。3人でご訪問するのか、わたし一人なのかなどは、状況に応じて柔軟に判断しています。
とはいえ、お客さまのもとへ訪問するのが一人でも3人でも、適切なサービスをご提供できる体制になっているのは変わりません。
一方で、常に3人で一緒に動いているわけではありません。同じ時間帯に、それぞれが別のお客さまの対応をすることもあります。3人でご訪問するのか、わたし一人なのかなどは、状況に応じて柔軟に判断しています。
とはいえ、お客さまのもとへ訪問するのが一人でも3人でも、適切なサービスをご提供できる体制になっているのは変わりません。
小西 チームには話しやすい雰囲気があるので、どんなことでもすぐに相談できます。金森と成松が外出しているときも、チャットやメールですぐに返答をもらえるので、やり取りでストレスを感じることはありません。
―チームは、若手の育成という面でも機能しているのでしょうか。
金森 わたしたちのチームにいる若手、つまり小西は成長スピードが圧倒的に早くなったと考えています。実は2016年にわたしがプレイングマネージャーをしていた時期があり、当時、小西は隣のチームにいました。プライベートバンキンググループに来たばかりの彼を見て、いつか一緒に働きたいと思っていました。今回同じチームになりましたが、当時と今とで彼の成長スピードは、まったく異なります。
チームを組まずに10年かけて自分で学ぶようなことを、先輩が「お客さまはここで疑問を持たれるから、事前に準備しておこう」と先回りして教えられるためです。チームメンバーだからこそ、ここまで踏み込んで研鑽しあえるのだと思います。
成松 小西は、以前はお客さまへの提案内容や提案資料について、提示前にわたしに確認を求めていました。しかし最近では「お客さまのご意向に合致する内容だと感じたため、資料を送付しておきました」と、1人で対応を完了できるようになっています。何度もお会いしてお客さまをよく理解していたからこそ、お客さまが何を求めているかを自分で考え行動に移せるのだと、頼もしく思っています。
小西 資料作成ひとつをとっても、2人の先輩から指摘やアドバイスをもらうことで、自分のスキルがプラスの方向に更新されていくのを実感しています。2人から得た学びを、今度はわたしがチームのサポートとしてしっかり還元していきたいです。
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金森 亮三菱UFJモルガン・スタンレー証券
東日本プライベートバンキンググループ
マネージング ディレクター オブ ウェルスマネジメント
リード ウェルス マネージャー幼少期をロンドンで過ごし、2005年に国内大手証券会社に入社。富裕層を対象とした総合的な資産運用サービスに従事する。2009年から三菱UFJメリルリンチPB証券(現三菱UFJモルガン・スタンレー証券)にてプライベートウェルスマネジメントを担当している。合併前はトップパフォーマーとして2011年から8年連続で表彰、2016年10月から2020年3月まで最年少部長として部を牽引。合併後も研鑽を重ね、米国モルガン・スタンレーの優績者が集うグローバル研修に2021年から4年連続で招待され、現在は当社初となるチームを率いている。趣味は筋トレ、HYROX、トライアスロン、LIVE観戦。 -
成松 真太郎三菱UFJモルガン・スタンレー証券
東日本プライベートバンキンググループ
エグゼクティブ・ディレクター オブ ウェルスマネジメント日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)
チームにおける運用責任者。
2004年、国内証券に入社後、2007年からは英国系PB、2013年からはスイス系PBで勤務し、2018年に三菱UFJモルガン・スタンレー証券へ入社し現在にいたる。
チームでは運用責任者として、マーケット分析、お客さまのポートフォリオ構築や管理等資産運用全般を担当。
趣味はバイクで、米国製大型バイクを所有。
バイク会社が開催するツーリングイベントへの参加が休日の楽しみとなっている。
家族は妻と3歳の子供がおり、仕事、趣味、子育て全てを楽しむ日々を送っている。 -
小西 一毅三菱UFJモルガン・スタンレー証券
東日本プライベートバンキンググループ
ディレクター オブ ウェルスマネジメント2013年入社。2017年より現部署にて富裕層のお客さま向けの資産運用コンサルティングに従事。証券アナリスト、CFP®、宅地建物取引士の資格を有し、資産運用にくわえ、不動産や相続・事業承継を含めた幅広い視点から提案を行う。お客さま一人ひとりの人生設計に寄り添い、長期的な資産形成・承継を支援。高い顧客満足の実現を目標に、専門性と総合力を活かしたコンサルティングサービスの提供に注力している。チーム内ではお客さま対応やメンバーの実務支援も担う。趣味は家族とのキャンプ。
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銀行・信託・証券の専門チームがサポート
- お問い合わせ・ご相談はスパイラル株式会社が運営するサイトにて受け付けております。
- 記事内容・所属はインタビュー時(2026年7月時点)のものです。
- 本ページの内容は、MUFGウェルスマネジメントで提供するサービス概要の紹介を目的としたものであり、各商品・サービスの勧誘および提案を目的としたものではありません。
- 当行は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJ eスマート証券を委託金融商品取引業者として金融商品仲介を行っています。
- お客さまのご要望に応じて関連会社をご紹介させていただきます。
(2026年10月9日現在)
MUFGウェルスマネジメント
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株式会社三菱UFJ銀行
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三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
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加入協会 日本証券業協会、一般社団法人 資産運用業協会、一般社団法人 金融先物取引業協会、一般社団法人 第二種金融商品取引業協会、一般社団法人 日本STO協会