

遺産分割協議書とは? 作成の流れや手続きを解説
遺産をどのように分けるかを話し合う遺産分割協議を行った場合、遺産分割協議書を作成しなければならない場合があります。
ここでは、遺産分割協議書を作成する流れや記載する内容のほか、遺産分割協議書の提出先などについて解説します。
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遺産分割協議書とは?
遺産分割協議書とは、遺産分割協議で合意した内容をまとめた書類です。遺産分割協議には相続人全員の参加が必要で、話し合いによって遺産分割の方法と相続の割合を決めていきます。遺産分割協議によって相続人全員の合意が得られたら、その内容をまとめた遺産分割協議書を作成します。
まずは、遺産分割協議で話し合う内容と、遺産分割協議書の概要をご説明しましょう。
実印を押印して全員が1通ずつ所持
なお、遺産分割協議書を作成した後に、相続人単独でその内容を変更することはできません。変更するには相続人全員の合意が必要になるなど、時間も手間もかかります。慎重に内容を検討して合意する必要があるでしょう。
遺産分割協議書が必要な状況
遺産分割協議を行い、遺産分割協議書の作成が必要になるのは、主に下記のような場合です。
- 遺言書がなく法定相続分とは異なる遺産分割を行う場合
- 遺言書に記載がない財産が発覚した場合
遺産分割協議書作成の流れ
遺産分割協議書は下記のような流れで作成します。

1. 相続人を確定させる
認知した子どもも相続人となり、遺産分割協議を行う際には参加する必要があります。
相続人の範囲については、「相続は早めに対策を!相続の基礎知識と注意点」をご覧ください。
2. 被相続人の財産を確定させる
相続人を確定させる作業を行うと同時に、被相続人が所有していた財産を調べて確定させます。財産は現金・預金・不動産といったプラスの財産だけではなく、借入金・ローンといったマイナスの財産もすべて把握することが必要です。
財産が確定したら、財産目録を作成しておくといいでしょう。
3. 遺産分割協議を行う
相続人と相続財産が確定したら、相続人全員で遺産をどのように分割して相続するかを話し合います。しかし、遠方に住んでいる相続人や仕事の都合で参加できない相続人もいるかもしれません。その場合は、電話などで意思を確認するなどの方法をとる必要があります。
相続税の申告・納付期限は、相続開始を知った日の翌日から10ヵ月以内となっていますが、協議を何度も行い時間がかかると、期限に間に合わなくなることもあるでしょう。遺産分割協議では、それぞれの相続人の主張もあり、なかなか決まらないことも多々あります。何度も協議することを想定し、できるだけ早めに財産の特定を行い、遺産分割協議を開始しましょう。
なお、遺産分割協議が相続人の間で合意できなければ、家庭裁判所の調停委員会が加わる遺産分割調停を行います。それでも合意できなければ、家庭裁判所が遺産分割を決める遺産分割審判となります。
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4. 合意内容を記載して遺産分割協議書を作成する
遺産分割協議で遺産分割について合意が得られたら、遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書の書式は決まっていませんが、下記の項目は必ず記載しておきましょう。
- 被相続人の名前と死亡日
- 相続人が遺産分割内容に合意していること
- 相続財産の具体的な内容(預金の場合は銀行名・支店名・口座番号など)
- 相続人全員の名前・住所と実印の押印

- 上記遺産分割協議書はイメージです。
遺産分割協議書が必要になる手続き
相続にあたって、遺産分割協議書が必要になる手続きがあります。主な手続きとしては下記のとおりです。
■遺産分割協議書が必要な手続きと提出先
遺産分割協議書が必要な手続き | 遺産分割協議書の提出先 |
---|---|
預金の名義変更・払い戻し | 金融機関 |
株式の名義変更 | 証券会社 |
不動産の名義変更 | 法務局 |
自動車の名義変更 | 運輸支局 |
相続税の申告 | 税務署 |
- 手続きによっては不要な場合があります。
なお、相続税の申告・納付期限は、相続開始を知った日の翌日から10ヵ月以内と決められていますが、名義変更の期限は決まっていません。
しかし、名義変更を長年放置することで相続人が亡くなり、さらに相続が発生してしまうと手続きがより煩雑になってしまいます。できるだけ早めに手続きを行うようにしましょう。
遺産分割協議書が必要ない場合
遺産分割協議を行う必要がなく、遺産分割協議書も作成しなくてもいい場合もあります。
例えば、相続人が1人であれば、財産を1人がすべて相続することになるため、遺産分割は発生しません。遺言書どおりに遺産分割する場合も、遺産分割協議は不要です。
一方で、遺産分割協議書が必要なかったとしても、トラブルを避けるために作成することもあります。例えば、遺言書がある場合でも、後から遺言に記載されていない財産が発覚することもあるかもしれません。このような場合に備えて、誰がどのように相続するかを協議して、遺産分割協議書を作成しておくという方法もあります。
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執筆者:勝目麻希
監修:税理士法人チェスター
- 本記事は、2021年1月時点の税制、その他関連法規に基づく内容であり、今後の改正等により相違が生じることがあります。
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