

高所得者が知っておきたい税知識 所得の計画的分散、法人化とは?
富裕層の資産に関する相談を長年行ってきた「税理士法人Novera Consulting(ノベラコンサルティング)」代表社員の中井です。このたび「高所得者が知っておきたい税知識」というテーマで、長い人生において、お金と賢くつながるための知識を、5回に分けてご紹介します。第1回目は、高所得者が知っておきたい税知識における第一歩、所得の分配設計と法人活用の基本です。
目次
- 高所得者の税知識 所得分散と法人活用の基本
- 個人の所得に対する課税のルール
- 法人における所得と税金の考え方
- 法人化を考えるときの検討ポイント
- まとめ:法人化は総合的な視点で判断を
高所得者の税知識 所得分散と法人活用の基本
富裕層の基本戦略
全5回のシリーズ全体でお伝えしたいことは、「財産は分散させるのがベター」です。1か所にまとめず、時間を活用しながら、お金を分散させる。これが富裕層の基本戦略となります。
ただし、この基本スタンスも執筆時点でのルールに基づいた話です。お金に関するルール・考え方はいつ変わるかわかりません。お金に関するルール・考え方が変わる機会として年に一度の税制改正があります。
ルールを把握すること
日本は法治国家です。ルールをみな(代表者である国会議員)で決め、そのルールにしたがって国民は行動します。ルールを変更するときも、変更計画が秘密裏に進行し、ある日突然ルール変更が実施されるということはありません。議論を重ねたうえでルールは変わります。議論されていることは、たとえば税制調査会であれば内閣府のページで公開されているため、情報としてキャッチできます。そのためわたしたち税理士も、あるトピックについての議論が始まると、ルールが改正されるかもしれないという前提で、戦略を練るため日々アンテナを張っています。
個人の所得に対する課税のルール
最高税率約56% 累進課税制度について
ここからは、現時点でのルールに則って、わたしたちが稼いだお金、あるいは持っている財産に対してかかる税金の基本をおさえていきます。
会社員として働く場合、会社から支払われる給料からいくつかの控除(後述)を差し引いたあとの「所得」に対してかかる税金が、所得税です。所得税は一年間の所得に対してかかる国税です。日本では所得が多くなればなるほど税率が高くなる累進課税制度が採用されており、所得(分離課税を除く)に応じて7段階、5%~45%までの税率がかかります。

- 夫婦子2人(片働き)の給与所得者で子のうち1人が特定扶養親族、1人が一般扶養親族に該当する場合の給与収入金額である。
- 最高税率の見直し(25年度改正)
(出典:税務省「税率・税負担等に関する資料」より作成)
最高税率はかつて70%だった時代もありますが、現在は課税所得が4,000万円を超える場合に45%の所得税が、復興特別所得税(所得税額の2.1%)と個人住民税(10%)を合わせると約56%という税率がかかります。決して軽くはなく、重い負担がかかるといえます。
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(2025年10月10日現在)
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