経営をデザインする～一人ひとりの「ワクワク」が会社の未来を創る

1970年、オムロン創業者の立石一真氏は、国際未来学会で「SINIC（サイニック）理論」と呼ばれる未来予測理論を発表し、その中で「日本は2025年から『自律社会』になる」と説きました。実際、立石氏が予測した2025年を迎え、かつての「組織のために個人がある」という世界観は、「個人のために組織がある」という世界観に変わりつつあります。

これからの会社（組織）は、社員（個人）の「ワクワク」によって生み出される力を会社の強みに変換できる組織が求められていると語るバリュークリエイトの三冨正博氏に、「見えない資産経営が重要である」との考えについてお話を伺います。

財務諸表に表れない「見えない資産」に目を向ける

―ご自身の著書の中で、「企業価値をデザインする」という言葉を使われていますが、どのような思いが込められているのですか？

2001年頃は「企業価値とは何か」と聞かれれば、マーケットバリュー、つまり株価の上昇のことだと答えている方が多くいました。「短期的に利益を高めることで株価が上昇し、投資家の利益につながる」という考え方が浸透していて、PBR（株価純資産倍率）が1倍を割っているような会社は、強く批判されてしまうことがよくありました。

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（2025年5月30日現在）