

「投資一任サービス」とは? サービスの特徴を紹介
資産運用の必要性は感じつつも、投資について学んだり、銘柄を研究したりする時間がなかなかとれず、つい後回しにしてしまっている方は少なくないのではないでしょうか。金融商品・サービスの選択肢として、いま徐々に広がりつつあるのが、投資のプロが投資家に代わって運用を行う「投資一任サービス」です。
この記事では、投資一任サービスの特徴を紹介します。
「投資一任サービス」とは?
「投資一任サービス」とは、投資一任契約に基づくサービスの総称です。もう少し踏み込んで解説すると、「金融機関などの運用会社が、投資家の要望をつぶさに確認しながら投資プランを個別に検討し、そのプランにしたがって投資家に代わり資産運用を行うサービス」といえます。
ここでいう「投資一任契約」とは、投資に関連する取引を行う際に必要な権限を委任する契約のことです。契約が交わされると、運用会社が投資家に代わって投資全般を行うことになります。
投資一任サービスは、さまざまな金融機関が取り扱っています。「投資一任サービス」の名称や商品性は、それを取り扱っている金融機関によって異なりますが、一般的に「ファンドラップ」「SMA(※)」などといったものは投資一任サービスのことを指しています。
- セパレートリー・マネージド・アカウント(Separately Managed Account)の略
下記の図のように運用会社が資産運用に関する投資対象の銘柄選定をはじめ、実際の金融商品の購入・売却などの取引の実行を行い、それに基づき定期的な損益報告などを投資家に行う仕組みとなっています。
投資一任サービスの仕組みを図にすると次のようになります。

投資一任サービスを利用するメリット
投資一任サービスには次のようなメリットがあります。
1.投資のプロに資産運用を任せることができる
まず挙げられるメリットは、ここまで解説してきた通り、投資のプロが投資家一人ひとりの考え方に合わせて運用をしてくれる点です。
投資家の考え方に沿って運用するために、運用会社はヒアリングシートなどを利用して、投資方針や経験、リスクに対する意向を確認します。投資家は、ヒアリング結果に基づいた投資プランを提案してもらえるため、投資スキルに自信がない方でも無理なく資産運用が行えます。
なお、投資家に対するヒアリングは、運用の開始時のみならず、必要に応じて投資運用中も実施されることになります。あくまで投資家の投資方針が反映される運用となる仕組みです。
2.リスクを考慮した分散投資ができる
投資のプロに運用を任せることになるため、投資家自身が世界中の金融商品を研究して、分散投資を行うようなことは不要です。株式や債券など、国内外の金融資産を組み合わせることで、投資家が求めるリスクとリターンのバランスに合った運用が可能となります。
3.投資に伴って発生する手続きなどの簡略化ができる
売買にかかる手続きなどを代行してくれるため、投資全般に係る手間を大幅に減らすことができます。また、投資をする上では、投資対象の研究や運用中の資産価値のチェックなどが必要不可欠ですが、投資一任サービスは、それらを運用会社に委ねることができます。
投資一任サービスを利用する留意点
一方で、投資一任サービスには次のような留意点があります。
1.投資顧問料・信託報酬・手数料などが発生する
投資一任サービスを受ける対価として、投資顧問料・信託報酬・手数料などが発生することになります。顧問料の他にサービスを通じて投資信託に投資する場合は、必要な信託報酬なども負担することになります。投資の運用損益を正しく把握するためには、こうしたコストも併せて考慮する必要があります。
具体的には、投資および投資一任サービスに係るコストを上回る運用成果があるかどうか、を確認しておく必要があります。
2.元本割れのリスクがある
投資一任サービスに限ったことではありませんが、元本割れのリスクがあります。投資のプロに任せるからといって、必ず利益が生まれる保証はありません。投資である以上、元本割れのリスクがあることを正しく理解しておくことが重要です。
3.一定額以上の最低投資金額が設定されている場合がある
投資一任サービスでは、最低投資金額が設定されている商品が多々見受けられます。数百万円〜1,000万円から申し込み可能といったケースもあるので、運用資金が最低投資金額に満たない場合はサービスを受けられないことがあります。
投資信託と何が違う?
「投資一任サービス」と「投資信託」は、投資家に代わって国内外の金融商品に投資のプロが運用を行うという点や、運用のための投下資金を自由に決定できる点は共通しています。
しかし、両者には決定的な違いがあります。
投資一任サービスは銘柄選定や資産配分までプロにお任せ
投資一任サービスでは、資産クラスから個別銘柄の選定まで、投資家の意向に合わせて一任することができます。投資プランに応じ、最適な分散投資が行われるので、運用の手間はほとんどかからないといえます。
一方、投資信託の場合は、投資家自らが投資対象となるファンドの情報を精査して選定する必要があります。いくつかの投資信託に分散投資するとしても、定期的にそれぞれの資産配分を見直すことも重要になります。
したがって、投資一任サービスを利用する投資家は投資対象の吟味や選定をする必要はありませんが、投資信託を購入する投資家は、投資対象について最低限の知識や経験が求められます。
その他の相違点としては、例えば、管理コストの負担に関する取扱いも挙げられます。投資信託の場合は購入時手数料や信託報酬の負担が必要ですが、投資一任サービスの場合は、投資顧問料やその他手数料が発生することになり、負担する費用が高くなります。
その他手数料とは、投資する金融商品などの売買委託手数料や保管費用、成功報酬、契約資産にかかる信託報酬などです。
投資信託との相違点をまとめると以下のようになります。
「投資一任サービス」と「投資信託」の主な相違点
投資一任サービス | 投資信託 | |
---|---|---|
投資対象 | 国内外の株式や債券などの資産 | |
投下資金 | 運用会社ごとに最低投資金額が定められている場合が多い | 少額からでも運用できる |
主なコスト |
|
購入時手数料・信託報酬 |
あなたの投資スタイルとの相性は?
国内では歴史的な低金利政策により、株式や不動産などの投資に資金を回すことが少しずつ定着してきています。
他方で、「退職金や相続などでまとまった資金を得たけれど、どうやって運用すれば良いか見当もつかない」といった方や、「過去に株式投資をしていたけれど管理が煩雑でやめてしまった」といった経験をもつ投資家の方も増えているようです。
今回解説した「投資一任サービス」は、投資顧問料などのコストは発生しますが、投資対象の情報収集や事務処理などの煩雑な手続きを投資家自らが行うことなく、投資のプロによる資産運用を行うことができるという点で魅力的なサービスといえます。
MUFGウェルスマネジメントでは、投資一任サービスを含めた総合的な資産運用のご支援が可能です。希望される投資スタイルや、ご自身のライフデザインを実現するための身近なパートナーとして、ぜひご相談ください。
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記事提供:風間啓哉(風間会計事務所代表 公認会計士 / 税理士)
- 本記事は、2022年11月時点の税制、その他関連法規に基づく内容であり、今後の改正等により相違が生じることがあります。本記事は情報提供を目的としており、投資等の勧誘目的で作成したものではありません。商品の購入時にはお客さまご自身でご判断ください。本記事は、当行が信頼できると判断した外部執筆者に執筆を依頼したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本記事の記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答えしかねますので予めご了承ください。また、本記事の記載内容は、予告なしに変更することがあります。
(2022年12月2日現在)
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