軽井沢に移住した家入一真が考える起業家視点の「地方創生」
家入一真氏は、2001年から今に至るまで「連続起業家」として、さまざまな事業の立ち上げに携わってきました。これまでのインタビューでは、表現者のスタンスで事業を立ち上げ、スタートアップ支援では事業内容よりも「人(経営者)」を重視するという、独自の哲学が明らかになっています。
本連載「家入一真 表現者としての想い」最終回のテーマは、「地方創生」です。家入氏は、3年前に家族で東京から軽井沢に移住、また全国各地を訪れる中で生活が不便になっていく地方の現実を目の当たりにしています。高齢化や過疎化が進む日本の地方に必要なものは何か、そしてわたしたちはどのように関わっていくことができるのか、お話を伺いました。
目次
- 家族で軽井沢に移住し、「東京に戻りたくない」ほど日常が変わった
- 頼母子講や無尽など「助け」の仕組みを現代的にアップデートしたい
- 拡大だけが正解とは限らない地方発のビジネス
- 家入氏の考える「地方創生の本質」とは
家族で軽井沢に移住し、「東京に戻りたくない」ほど日常が変わった
2022年、家入氏は家族で長野県の軽井沢に移住しました。地方への移住を考えたきっかけの一つは、新型コロナウイルスの世界的な流行で生活が一変したことです。自身の仕事は完全にリモートとなり、子どもは通学できず、外で遊ぶことすらできない毎日で、多くの人と同じく「密を避ける」からこその息苦しい生活を送っていました。そこで、少しでも精神的なストレスを軽減しようと軽井沢に別荘を購入し、週末には家族で通うようになりました。
そこでの時間を過ごすうちに、都心ではなく地方で暮らすことにだんだんと魅力を感じたと言います。
「子どもが自然の中でのびのびと体を動かせる環境で、日常でもリスなどの野生動物に出会うこともあるんです。なので、子育てに関しては、移住してよかったなと感じています。妻と子どもは軽井沢での暮らしをとても気に入っていて、絶対に東京には戻りたくないと言っています(笑)」
家入氏自身の生活も、大きく変わりました。移住前は毎日のように夜遅くまで飲んで朝方帰宅していたそうですが、現在は特に用事がなければ自宅で家族と食事をし、夜9時には子どもを寝かしつけ、休日は森の中で本を読みながらゆったりと過ごしていると話します。
「そして、移住を決めた理由はもう一つ、仕事で地方を回るたびに、起業家の視点で『地方ならではの課題』を感じてきたこともあります。少子高齢化が進む日本の地方にこそ、解決すべき課題、自分がやるべきことがたくさんある──。そうした考えから、地方に目を向ける必要性をたびたび発信してきた一方で、自分自身は都心の真ん中で暮らし、矛盾を感じていたからです。
仕事が忙しくなかなか東京を離れる決断には至りませんでしたが、コロナ禍で自宅で仕事ができる環境が整い、軽井沢への移住が実現しました。
移住して最初の一年は、まったく東京に行かない生活でしたが、『時々は誰かと直接会って話をしたい』と感じることもあり、現在は折を見て出張し、軽井沢を拠点としながら東京でも仕事をしています」
頼母子講や無尽など「助け」の仕組みを現代的にアップデートしたい
家入氏が考える地方の課題とは、どのようなものなのでしょうか。
高齢化・過疎化が進む、いわゆる「限界集落」などを、家入氏は仕事で訪れることも多いといいます。
「そこでの生活に目を向けるたび、日常生活に必要なさまざまなものがなくなりつつあると、痛感してきました。たとえば、経営が成り立たないために買い物をする場所がなくなった地域があります。予算がないために、行政がごみを回収できなくなり、集めたごみを住民が持ち回りで処分場まで持っていく地域もありました。行政も民間も、生活インフラとなるサービスから次々と撤退せざるをえない現状を見て、『新しい共同体の形をどうつくっていくか』が大きな課題の一つだと感じています。
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(2026年1月29日現在)
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