本当にローリスク?積立投資法「ドルコスト平均法」を知ろう
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- 2020年8月6日
- 2024年2月29日
ローリスクで手堅く運用できると言われる「積立投資」。この積立投資のローリスクを実現する方法として「ドルコスト平均法」というワードをよく見かけます。これはどのようにローリスクを実現するのでしょうか。この記事では「ドルコスト平均法」の仕組みと注意点をまとめてみました。これから積立投資をはじめようと考えている人も、すでにはじめている人もチェックしてみてくださいね。
「ドルコスト平均法」とは
「ドルコスト平均法」は株式や投資信託などの金融商品における投資手法の一つで、日々価格変動する金融商品を一度に購入するのではなく、一定金額で定期的に購入していく方法です。
例えば投資信託などで積み立てを行う場合、買付金額が一定のため、
- 価格が高いときには購入量(口数)を少なく
- 価格が安いときには購入量(口数)を多く
といった買い付けにより、結果的には毎月一定量を買う方法よりも買付単価が平準化し、「平均買付単価」を抑える効果があります。
投資による資産運用では、価格が変動する金融商品の価格が高いときに一気に購入した際に“高値づかみ”(=相場の高いところで買ってしまい、その後値下がりによって損をする状態)のリスクがあります。
そこで投資対象を分散させることで、価格変動リスクを低減する分散投資を行うことが基本となりますが、この方法はその中でも“時間による分散投資”を行うものです。
投資ビギナー向けの「ドルコスト平均法」
前述の通り、「ドルコスト平均法」は長期投資の際に購入単価を平準化し“高値づかみ”を回避する効果が期待できますが、ほかにもさまざまなメリットがあります。
相場を細かくチェックする必要がない
金融商品の購入額設定後は自動的に商品を定額分購入していくことになります。つまり運用が終わらない限りは、相場の動きに左右されず購入は自動的に実行され続け、相場を自分で細かく読む必要もなく実行できるということです。
投資の経験がない人にとって市場や相場の動きを読むことはハードルの高さを感じる部分でありますが、この方式であれば必要以上に注視を続ける労力は不要となるでしょう。
小額からはじめられる
「ドルコスト平均法」は投資するタイミングを分散させて継続するため、投資初期にまとまった自己資金がなくても、毎月自分の家計に応じた金額で少しずつ投資を行うことができます。
また、スタート時の状態において商品の価格上昇、下降どちらの傾向にあってもあまりシビアに考える必要がありません。
このように、「買い時、売り時なんてわからない」「まとまった資金がない」といった投資初心者にもぴったりの方法と言えます。
リスクゼロではない「ドルコスト平均法」の注意点
一方でこの方法は「リスクゼロ」ではなく、長期的に価格の下落が続けば購入口数は増えても結果的には損失が出ますので、タイミングによっては損をすることがあります。
もちろん下落が続いたとしても、そのときを耐えることができれば利益を得られる可能性があるでしょう。その意味では、やめ時の見定めが肝心で、下落時にも慌てず価格が上昇する機会を待てる心、資金、時間の余裕が必要と言えます。
手数料がかさむ
また定期的に定額購入する際に、高い購入頻度を設定した場合には手数料がかさむ懸念もあります。例えば株式手数料は、一度の取引額が小さいと一般的に手数料率が高い傾向があるので、少額ずつ高い頻度で買い付けをすることで手数料のトータルが割高になるケースがあります。
これは利益に大きく影響しますので、少しでも安い手数料の商品を選ぶことがポイントです。
投資信託であれば購入時の手数料は購入額の大小にかかわらず購入金額の1~3%程度が一般的ですが、ノーロード(購入時の手数料が無料)の投資信託やNISA(つみたて投資枠)なら購入時の手数料は不要です。
短期的な投資には向かない
「ドルコスト平均法」は長期で見て利益が出るように設計されているため、短い期間の売買で利益をあげたいという人には向きません。
定期的かつ継続的に一定額を購入する仕組みのため、価格が「底値である」と判断して一括購入することや、逆に「価格が高い」と判断して売り抜けて利益を得ることは難しいとされています。こういった売買を行うには相場に日ごろから敏感でないと難しい点もあります。
知識を深めて、賢く投資をはじめよう!
「ドルコスト平均法」は資産運用の初心者にはじめやすいものである一方、リスクゼロではありません。金融商品には、このような専門的なワードがたくさんありますが、これを安心材料として自分では調べることなく鵜のみにしてしまうと、失敗にもなりかねません。
逆にこれらに対して積極的に知識を深めれば、投資のスキルも上がり資産運用で成功するチャンスも得られるでしょう。すでに資産運用をはじめている人も、一度ご自身の運用を見直し知ったつもりになっていることがないか確認してみてくださいね。
執筆者:株式会社ZUU
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