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常設展示

貨幣展示室では、日本および世界各国の珍しい貨幣を体系的に展示しています。
日本貨幣では、豊臣秀吉がつくらせた天正大判や、現存が少ない江戸時代の藩札や版木など、時代の流れや関係資料とともに貴重なコレクションを紹介しています。両替屋の復元モデルは、当時使用していた道具類を展示し再現しています。

世界の貨幣では、世界最古といわれる紀元前12世紀頃の中国の「貝貨(ばいか)」をはじめ、古代ギリシャ・ローマ帝国の貨幣、ヤップ島の「石貨(せっか)」、第一次世界大戦後のドイツで発行されたインフレ貨幣「1兆マルク紙幣」など世界の数々の貨幣をご覧いただけます。

代表的な展示貨幣
代表的な展示貨幣

常設展示のみどころ

  • 豊臣秀吉と天正大判(てんしょうおおばん)

    天正大判(てんしょうおおばん)
    天下を統一した豊臣秀吉は、それまで不定だった蛭藻金の重量を統一した。これが天正大判である。足利将軍家の金細工師だった後藤家が製作にあたり、品位・量目を一定にして極印(ごくいん)をうち、表面には「拾両(じゅうりょう)後藤」と花押(かおう)(サイン)が墨書きされ、大判制作の責任を証明している。なお裏面の墨書きは、当時の所有者のサインである。
  • 万両箱(まんりょうばこ)

    万両箱
    万両箱は大金を保管する金庫。この万両箱は、江戸時代から明治維新の時まで京都二条城の御金蔵(おかねぐら)に格納されていたものと伝わり、現存する唯一のものである。頑丈で外側は鉄帯、内部は一面に厚い南蛮鉄(なんばんてつ)が厳重に張られている。重量は約150kg。材質はケヤキ。
  • 両替屋(りょうがえや)

    両替屋(りょうがえや)

    江戸時代に金融機関の役割を果たしてきた両替商は、いわば現在の銀行の前身ともいうべきものであった。大名や庶民(商人)を相手に、預金・貸付の業務を営むとともに金・銀・銅の三貨幣と藩札などの両替や、遠隔地との商取引にともなう支払いの決済方法として為替(かわせ)業務も営んでいた。

    この展示は、当時実際に使われていた道具類で両替屋を再現したものである。