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グローバル金融犯罪対策ポリシー

グローバル金融犯罪リスクへの取組み

三菱UFJ銀行(以下、当行)は、金融システムの健全性の維持に努め、全ての業務を通じて、マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与、経済制裁違反、贈収賄・汚職などのグローバル金融犯罪の防止に取り組んでいます。その取り組みに合わせて、当行では、関連する法規制や監督指針、および業界ベストプラクティスを踏まえて、グローバル金融犯罪の検知および阻止、関連リスクの評価ならびに低減のためのリスクベースのグローバルなプログラムを導入しています。また、当行は、グローバル金融犯罪リスク管理の枠組みや指針の策定について、ウォルフスバーグ・グループ*の一員として、他の国際的な金融機関と連携しています。
*ウォルフスバーグ・グループとは、グローバル金融犯罪リスク管理の枠組みや指針の策定を目的とする13の国際的な金融機関からなる非政府組織。)

グローバル金融犯罪リスク管理のアプローチ

当行では、米国ニューヨークを本部とするグローバル金融犯罪対策部(以下、GFCD)が、各国の監督当局の目線に合わせたグローバル金融犯罪コンプライアンス・プログラムを運営しています。GFCDは、ニューヨークと東京に跨るグローバル本部機能に加え、各地域(日本、米州、欧州、中東およびアフリカ、アジア)におけるグローバル金融犯罪対策を担う部内室から構成される組織です。
GFCDは、事業部門・間接部門・子会社等に亘る海外を含むグローバルな事業全域において、一貫したグローバル金融犯罪リスクの管理を行うため、地域横断的な規則を制定しています。
当行では、全役職員が、グローバル金融犯罪対策における重要な役割を担っており、グローバル金融犯罪コンプライアンスの関連規則を遵守し、疑念が生じた際は職場の上席者、コンプライアンス・オフィサーまたは内部通報制度等を通じて報告する義務を負っています。当行では、通報者に対する報復措置は禁じられています。
当行では、専門家を擁するGFCDが、3つのグローバル金融犯罪リスク領域(マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与防止、経済制裁、贈収賄・汚職防止)の対策を実施しています。各リスク領域における規則の概要(ポリシー・ステートメント)は次の通りです。

マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与防止に関するポリシー

当行は、事業活動を行う全地域において、適用されるマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与防止(以下、AML/CFT)関連法令の条文および精神共に遵守します。その取り組みにおいて、当行では、故意によるマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与を一切禁じております。
全役職員に適用される当行のAML/CFT規則では、特に以下の行為を禁止しています。
  • グローバル金融犯罪およびそれを幇助する行為に対する意図的な支援または関与
  • グローバル金融犯罪を示唆する情報や状況の放置
  • 不正または疑わしい活動に関与している、または関与している疑いのある者に対し、銀行内や監督・執行当局において、その活動が調査されている、もしくは銀行内や監督・執行当局に報告されている情報を漏洩すること
  • KYCプロセスの完了前に、新規顧客の取引を許容すること
  • 取引が禁止されている顧客との間で、適切な異例扱いまたは免除の申請なしに取引を開始すること
AML/CFT規則に則り、当行は、以下の統制プロセスを含むグローバルなAML/CFTコンプライアンス・プログラムを策定しています。
  • グローバルAML/CFTヘッドや国別AML/CFTオフィサーなど、AML/CFTコンプライアンス・プログラムの実施やモニタリングを担う責任者の任命
  • AML/CFTリスク(顧客、商品・サービス、地理的要素)および統制に関する年次評価
  • 本人確認(実質的支配者を含む)、顧客スクリーニング、顧客デューデリジェンス、詳細デューデリジェンス、顧客取引開始/謝絶、顧客レビュー等の実施を要件とするKYCプロセス
  • 不自然な取引や疑わしい取引を検知するための取引モニタリングシステムやプロセス
  • 当行が事業活動を行う国・地域の各規制に従い、疑わしい取引を特定し、報告するための調査プロセス
  • シェルバンク(業務実態のない架空の金融機関)を含む、特定の顧客種類との取引の禁止
  • AML/CFTに関する情報共有と記録保管のプロセス
  • AML/CFTのリスクおよび統制に関する全役職員向けの年次研修

経済制裁に関するポリシー

当行は、事業活動を行う全地域において、適用される経済制裁関連法令の条文および精神共に遵守します。その取り組みにおいて、制裁の回避および迂回行為を一切禁じております。
全役職員に適用される当行のグローバル経済制裁規則は、それぞれの国/地域の法令に則り、現地で適用される制裁関連規制に違反して、制裁対象国・地域及び制裁対象者の取引に係る、口座入金や支払処理を行うことを禁止しています。
グローバル経済制裁規則に則し、当行は以下の統制プロセスを含むグローバルな経済制裁コンプライアンス・プログラムを策定しています。
  • 顧客取引開始時および取引処理時の経済制裁スクリーニングと詳細確認
  • 経済制裁リスク・統制に関する年次評価
  • 潜在的な経済制裁リスクがある顧客のデューデリジェンス
  • 経済制裁リスクおよび統制に関する全役職員向けの年次研修

贈収賄・汚職防止に関するポリシー

当行は、事業活動を行う全地域において、倫理的業務規範に根ざした企業文化の醸成と共に、適用される贈収賄・汚職防止(以下、ABC)関連法令の条文および精神共に遵守します。その取り組みにおいて、当行では、贈収賄・汚職を一切禁じております。
全役職員に適用される当行のABC規則は、贈収賄・汚職についての重要な概念を包括的に規定しており、ビジネス上の不適切な利益・便宜供与の見返りとして、いかなる者に対しても、いかなる者からも、金銭その他の利益を直接的または間接的に申し出、供与、要求、受領することを禁止しています。また、ファシリテーション・ペイメントや、当行の事業活動に関わる文書・記録・口座などの偽造も禁止しています。
ABC規則に則り、当行は、以下の統制プロセスを含む、贈収賄・汚職に包括的に対応するグローバルなABCコンプライアンス・プログラムを策定しています。
  • 贈収賄・汚職リスクおよび統制に関する年次評価
  • 当行に代わって活動する、第三者であるサービス提供者(仲介者)のデューデリジェンスと監督に適用される各種手続(仲介者に対するリスクベースでの贈収賄・汚職のリスク評価やABC研修およびABC規則に規定された、ABCに関する当行の期待要件の仲介者への通知を含む)
  • 接待・贈答、雇用・就労機会の提供、寄付(特に公務員に対するもの)に対するレビュー
  • 合併・買収を含む企業取引に伴うリスク評価・管理
  • 贈収賄・汚職のリスクおよび統制に関する全役職員向けの年次研修

プログラムに関連した機能

当行では、リスク領域ごとの3つのグローバルなコンプライアンス・プログラムに加え、役職員研修、リスク評価、記録保管、モニタリングおよび監督機関への報告(取締役会や経営レベルの委員会など)、テスティングおよび監査対応、グローバル金融犯罪コンプライアンスに関する問題事象管理などに対応する主要機能もGFCDに設置しています。
以上