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各種チャートの見方

1. トレンド系

(1)一目均衡表

一目均衡表

(出典:Bloomberg)

【1】基準線・・・過去26日間の高値と安値の平均線。
→日足が基準線の上にあれば地合いは強く、下にあれば地合いは弱い。

【2】転換線・・・過去9日間の高値と安値の平均線。
→転換線が基準線の上に位置すれば買い局面、下に位置すれば売り局面とされる。

【3】遅行スパン・・・終値を26日過去に溯って記入した線。
→遅行スパンが26日前の日足を上抜けば買いシグナル、下抜けば売りシグナルと見なす。

【4】先行スパン1・・・基準線と転換線の平均値を26日先行させて記入した線。

【5】先行スパン2・・・過去52日間の最高値と最安値の平均値を26日先行させて記入した線。

【6】雲・・・先行スパン1と2に囲まれた価格帯のこと。
→日足が雲を上抜けば買い局面への転換、下抜けば売り局面への転換とされる。

(2)パラボリック・システム

パラボリック・システム

(出典:Bloomberg)

【1】トレンド追随型の売買手法で、SAR(ストップ・アンド・リバース)と日足が交差した地点を途転ポイント(売り買いのシグナル/ポジション転換のポイント)と見なす。

【2】SAR=(EP-前日SAR)×AF+前日のSAR
→EP・・・上げ相場なら対象期間の最高値、下げ相場なら同最安値。
→AF(加速因子)・・・初期値0.02とし、EP更新の度、0.02づつ加算。但し最大値は0.2。

2. オシレーター系(相場の変動速度や過熱感を判断するもの)

(1)RSI(Relative Strength Index)

RSI(Relative Strength Index)

(出典:Bloomberg)

【1】現時点から遡る一定期間を設定し、前日比高引けした日の上昇幅の期間平均値と、同様に下落した日の下落幅平均値を求め、両者の合計で上昇幅平均値を除したもの。

【2】計測期間は14日間が主に使用され、値は0%~100%をとる。

【3】相場の短期的な行き過ぎを警告するもので、70%以上は買われ過ぎ、30%以下は売られ過ぎと見なされる。

(2)ウイリアムズのR

ウイリアムズのR

(出典:Bloomberg)

【1】現時点から遡る一定期間を設定し、最安値と最高値の間に於ける現在値の相対的位置を%にして数値化したもの。

【2】値は0%~100%をとり、一般的に20%以下を買われ過ぎ、80%以上を売られ過ぎと見なすが、実際の売り買いのタイミングとしては0%や100%の極小値や極大値に近づいたところとなることが多い。

【3】RSIより動きが速いという特徴がある。

【4】なお、Dynamic Chartで引用しているBloomberg社のグラフでは-1を掛けた値が使用されている。従って、値は0%~-100%をとる。0%に近い程買われ過ぎを、-100%に近い程売られ過ぎを示す。

(3)MACD(Moving Average Convergence/Divergence Trading Method)

MACD(Moving Average Convergence/Divergence Trading Method)

(出典:Bloomberg)

【1】2本の移動平均線(EMA=指数平行移動平均線)を用いたオシレーター分析。移動平均の乖離、方向性や絡み具合等に注目する。

【2】2本の移動平均線の乖離をMACDと、そのMACDの移動平均(例えば9日間)をシグナルと呼び、MACDがシグナルを上抜いたら買いシグナル、下抜いたら売りシグナルと見る。

【3】特に、[2]の後、MACDとシグナルの双方がゼロ目盛線と交差したところで、売り買いシグナルが確認されたことになる。

(4)ストキャスティクス

ストキャスティクス

(出典:Bloomberg)

【1】Kラインとは%K(=[終値-L]/[H-L]×100)を結んだ線。L は一定期間内(例えば5日間)の最安値、H は同最高値。70%以上は価格レンジの上限に、30%以下は同下限に近づきつつあることを示す。

【2】Dラインとは%D(=[Hp/Lp]×100)を結んだ線。Hp は[終値-L]の一定期間(例えば3日間)の合計、Lp は[H-L]の同合計。70%以上は買われ過ぎ、30%以下は売られ過ぎを示し、特に85%以上や15%以下で点灯した売り買いのシグナルは確度が高いとされる。

【3】Dラインが70%以上の水準で右下がりのダブルトップを形成し弱気の乖離が生じた上で、KラインがDラインを下抜いた時が売りシグナル、一方、Dラインが30%以下で右上がりのダブルボトムを形成し強気の乖離が生じた上で、KラインがDラインを上抜いた時が買いシグナルとされる。

(5)ボリンジャー・バンド

ボリンジャー・バンド

(出典:Bloomberg)

【1】一定の期間内(例えば21日間)で終値の標準偏差(シグマ:σ)を計測、その期間の移動平均線を中心に標準偏差の一定倍数(例えば2倍:+2σ~-2σ)の価格帯をバンドと見なす。

【2】相場が統計上の正規分布に従うと仮定した場合、このバンドの上限や下限に近づ程、続伸続落する可能性は低くなり、反落反騰する可能性が大きくなる。

【3】以上の考えに基づき、バンド上限を一種のレジスタンスライン、下限をサポートラインと見なしたり、日足とバンドの上限、下限の位置から上昇余地、下落余地を測る。

  • 参考文献
    • ジョン J・マーフィー著「先物市場のテクニカル分析」社団法人金融財政事情研究会刊
    • 合宝郁太郎著「株式相場のテクニカル分析」日本経済新聞社刊
    • ゼネックス著「チャートの鬼」ゼネックス刊
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