アルゼンチン共和国円貨債券保有者の皆様へ

 当行はアルゼンチン共和国円貨債券(以下「本件サムライ債」といいます。)につき、第5乃至7回債の単独での債券の管理会社であり、また第4回債の債券の管理会社の一つですが、これまで複数回に渡り、アルゼンチン共和国に対し、本件サムライ債の元利金支払いの再開に向けて、状況説明を求め、全ての債権者の公平な取扱いにつき確認を行い、同国の政治家による発言等に対しその真意を確認し、不正確であれば訂正を求める等の対応を実施して参りました(全ての債権者の公平な取扱いにつきましては、その都度同国政府高官の確約を得ています。)。債券の管理会社の業務や役割を本件サムライ債保有者の皆様にご理解頂き、今後のご参考になればと考え、これまでの経緯を別紙のとおり紹介させて頂きます。

 また、現在、アルゼンチン共和国は、本年9月以降の同国支援プログラムについてIMFと協議中であり、この協議が終了し次第、同国の債務再編策について民間債権者との協議に入る意向を表明しています。同国経済省のニールセン次官は、債務再編策の大枠について、9月23日及び24日に、アラブ首長国連邦ドバイで開催されるIMF・世界銀行年次総会の場で発表する旨表明しています。

 当行としては、上記IMFとアルゼンチン共和国との協議及び同国の債務再編策の内容をそれぞれ注視していくとともに、これまでの経緯を踏まえつつ、本件サムライ債の管理会社として、今後も引き続き以下の方針を骨子として同国との交渉に臨んで参る所存です。

  1. 同国が、上記支援プログラムについてIMFとの合意に至り次第可及的速やかに債権者との協議に着手するよう求めること
  2. 本件サムライ債の元利金全額の支払いを求めること
  3. 本件サムライ債の債権者以外の債権者に比して本件サムライ債の債権者が不平等又は不公平に取扱われることがないこと
  4. 本件サムライ債の投資家の状況を踏まえた(複数選択肢の提示を含めた)債務再編策を提示させること

 アルゼンチン共和国との交渉にあたっては世界的な他主要市場債権者の動向と歩調を合わせることが必要となる場合も予想されます。ご高承の通り、イタリア共和国には40万人を超える個人層を中心とした投資家が存在しますが、イタリア共和国においては、イタリア銀行協会の下部組織(TFA)が斯かる投資家の為に無償でアルゼンチン共和国との交渉にあたることになりました。イタリア共和国における一般的状況が本件サムライ債におけるそれと類似していると考えられることから、当行としては同市場との連携を視野に入れて参りたいと考えております。

 尚、債券の管理会社は、管理委託契約及び債券の要項に基づき、債券の弁済等債権者が持つ権利の実現を目的として設置された組織であり、同国との交渉にあたり、基本的に本件サムライ債保有者の皆様から新たに手数料を徴求することはありません。

 本件サムライ債保有者の皆様におかれまして、ご意見・ご要望等ありましたら、以下宛先へお寄せ賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。

〒100-8388 東京都千代田区丸の内2-7-1 (株)東京三菱銀行市場金融部

(平成15年9月5日現在)

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