平成9年(1997年)3月7日 NO.7

カナダの財政改革

(1) カナダの財政再建が連邦・州政府の双方で急ピッチで進んでいる。 こうした財政赤字の縮小は、景気回復による循環的要素だけでなく、構造的赤字の縮小によるところも大きい。 両政府ともに、今まで手の付けられなかった社会保障関連支出まで踏み込んで、徹底した歳出削減を実施した。
(2) しかしストック面でみると、巨額の政府債務残高は引き続き深刻な問題となっており、 今後も一層の財政再建努力が求められる。すでに歳出削減余地は限られてきているため、 今後は医療保険や年金などの分野でさらに構造的・抜本的改革が必要とされよう。

はじめに
 
1.連邦政府の財政再建
 
2.州政府の財政再建
 
3.評価と今後の課題


はじめに
 
 カナダの財政再建が連邦・州政府の双方で急ピッチで進んでいる(第1図)。 連邦政府の財政赤字は、93年度(93年4月〜94年3月)に420億カナダ・ドル(対GDP比5.9%) まで膨らみ史上最高額を記録したが、その後は減少を続け、96年度には190億カナダ・ドル(同2.4%)と、 81年度以来の低水準になると見込まれている。99年度にG7(先進7カ国)のトップを切って連邦財政の均衡実現の可能性も高まってきた。 州政府も同様に、96年度の財政赤字は約90億カナダ・ドル(同1.1%)と、ピーク時の92年度に記録した249億カナダ・ドル (同3.6%)から60%近くも減少する見込みである。

 ここで注目すべき点は、こうした財政赤字の縮小が、単に景気回復という循環的要素によるところだけでないということである。 財政赤字は景気動向に左右される部分が大きく、例えば、景気が悪い時は税収減や失業手当関連の支出増大により財政赤字は拡大傾向となり、 好景気の時にはこの逆となる。実際の財政赤字からこうした景気循環的要素を除いた財政赤字が構造的赤字と呼ばれているが、 カナダでは94年以降こうした構造的赤字の縮小が著しい(第2図)。 OECDの推計によると、構造的赤字の対GDP比は87年から93年までの間は4〜5%でほとんど変化がなかったが、その後は着実に改善して96年は1%強まで低下したとみられる。

 そこで本稿では、こうしたカナダの財政再建がどのようにして行われてきたかを、連邦政府と州政府に分けて分析し、それらを評価するとともに、今後さらに残された課題についても述べてみたい。

1.連邦政府の財政再建
 
(1)クレティエン政権下での財政再建
 連邦政府の財政赤字は、80年代後半、マルルーニー政権下(進歩保守党、84年〜93年)での財政赤字削減努力と景気拡大を背景に、 いったんは大きく改善したが、89年初めからの急激なインフレ高進に伴う金融引き締めによる国債利払い費の増大、 さらに90年からのリセッションによる歳入の伸び悩みや失業保険給付金の増大を背景に、90年度以降は再び悪化した。 93年度には当初の予測を100億カナダ・ドル余りも上回る420億カナダ・ドルと史上最高額を記録するに至り、対GDP比でも5.9%にのぼった。

 このように財政破綻寸前の状況の下、93年11月に発足したクレティエン政権(自由党)は、本格的に財政再建に取り組み始めた。 同政権では、財政赤字削減のために閣僚級のメンバーからなる特別委員会を設置し、選挙公約である「3年以内に財政赤字の対GDP比を3%以内に抑える」という目標をもとに財政の立て直しを進めていった。 前提となる経済見通しに民間機関よりも悲観的な数字を使用したり、十分な予備費(contingency reserve) を設けることによって予期せぬ景気後退や出来事により財政目標を達成できなくなるリスクに対しヘッジをするなど、赤字目標を達成するために非常に慎重な姿勢をとった。

(2)歳出削減中心の赤字削減
 赤字削減方法は、歳出削減を中心とした財政再建で、先進国でも例をみない大規模な歳出削減が実施された。 歳入面では、増税はなく、わずかに不公平税制是正の目的で課税範囲の拡大などが実施されたに過ぎなかった。 94年度から98年度までの赤字削減額885億カナダ・ドルのうち、778億カナダ・ドルが歳出削減、 107億カナダ・ドルが歳入増加と、歳出削減は歳入増加の7倍以上となっている(第1表)。

 大幅歳出削減の根本理念となっているのは、歳出プログラムの見直し(Programme Review)である。 これは最も効率的・能率的な歳出方法を追求するためにあらゆる分野での歳出を見直すことを目的としている。 具体的には、各省庁自身に将来の政府支出の優先順位を付けさせ、これをベースに大蔵省を中心に内閣が一体となって調整し、拘束力の強い財政計画が策定された。 その際、各省庁に対し、支出項目について次の6つのテストに基づき再評価を要請した。 @国民に求められているのか、A政府が提供すべきなのか、B連邦政府に適切な仕事なのか、C民間に任せることはできるのか、D効率を上げることはできないのか、 E結果として残る仕事について財政的余裕はあるのか。

 こうした歳出プログラムの見直しに基づいた主な歳出削減策をみてみると、まずは公務員の大幅削減が挙げられる。 約32万人の連邦政府職員のうち97年度までに民営化や早期退職などで約4万5千人を削減する計画が進められている。 運輸省の場合を例にみてみると、民営化が実施されたことでさらに削減は激しく、職員数は99年3月までの6年間で約80%の減少が予定されている。 第2に、こうした公務員の大幅削減にも大きく貢献した民営化がある。 国有鉄道(CNR)や国有石油会社ペトロ・カナダの民営化は既に実施されたが、今後も航空管制や通信分野での民営化が予定されている。 第3に、企業向け補助金の大幅削減で、98年度までに平均61%削減するという。 特に、運輸(同99.1%減)やエネルギー・資源(同92.8%減)、農業(同47.4%減)部門での削減は激しい。 第4に、サービス提供の効率化を目指したエージェンシー(外局)化がある。 これまで複数の省庁にまたがって提供されていたサービスや州政府と重複していたサービスなどは、新たなエージェンシーによって行われるようになった。 具体的にはパスポートや公園管理、食品検査などの分野でエージェンシーが設けられた。

 この結果、連邦政府の各省庁別経費は94年度から98年度までの間、平均21.5%削減されることになった。 司法行政費や保険関係費などの社会プログラムについては10%以下の比較的小幅な削減にとどまっているが、運輸関係費(同69.0%減)や天然資源関係費(同58.4%減)、 教育などの人的資源開発費(同39.9%減)、国際援助費(同34.3%減)などでは平均をはるかに超える大幅な削減となっている。

(3)社会保障制度改革
 カナダでは所得補助の社会保障プログラムが手厚く、利用者にとって極めて寛大なものとなっていたため、 社会保障関連支出の増大も財政を圧迫する要因となってきた。今回の財政再建では、今までなかなか手の付けられなかったこうした社会保障関連支出の見直しも行われた。

@CHSTの導入
 連邦政府から州政府への交付金には、医療保険制度や高等教育に関する補助金EPF(Established Program Finance)、 社会福祉等に対する補助金CAP(Canadian Assistance Plan)、どの州でも同様な公共サービスを提供することを目的とした平衡交付金(Fiscal Equalization Payments)があったが、 これら連邦交付金は増加を続け、歳出に占める割合は90年度の15.4%から95年度には23.7%まで上昇した。 財政赤字を削減していくためには、こうした急増する連邦交付金の削減が急務となった。

 CAPの下では、連邦政府と州政府がそれぞれ費用の半分を負担していた。この制度の下では、 州政府は費用の半分を連邦政府に出してもらえるという意識からコスト意識が働きにくくなり、 社会福祉費用は増加、それに伴って連邦政府のCAP交付金支出も増加を続けることになった。 またこうした費用分担の制度は、CAP交付金の分配が各州の必要性に応じて行われるというよりは、 各州のファイナンスの能力に応じるという面が強くなり、分配の不平等という問題も生じてきた。

 そこで95年度連邦予算案では、州政府への権限委譲の一環として、交付金の使途に関して州政府の意向をより反映させるとの名目で、 EPFとCAPを一本化して、96年度から新制度CHST(Canada Health and Social Transfer)を実施する旨を発表した。 このCHSTは包括的交付金であり、CAPの費用分担制度は消滅する。新制度の下では、包括的交付金であるため、 各州は与えられた交付金額内で、それを各州のニーズに併せて自由に使えるが、交付金額は決まっているので、 社会保障費用の使途をより効率的にするようインセンティブが働き、サービスの向上にもつながることになる。 CHSTの予算は95年度の186億カナダ・ドルから98年度には118億カナダ・ドルまで低下させる計画である。 実際に導入1年目の96年度のCHSTの実績見込みをみてみると、ほぼ計画通りの149億カナダ・ドルと、 95年度から大きく減少し、順調なスタートとなっている。

A失業保険制度改革
 カナダ政府による手厚い失業保険(受給資格や給付率は、G7諸国ではフランスに次いで甘い)は、かえって技術の習熟、労働意欲への障害になっているとの批判が多かった。 こうした失業保険制度は、財政的圧迫だけでなく、労働市場の活性化という点でも問題視されていた。

 政権交代前の93年度予算やクレティエン政権初の94年度予算では、失業保険給付率の引き下げ (60%→57%→55%)などが提案され実施されてきた。加えて、96年7月に「雇用保険法」が成立し、さらなる改革が進むこととなった。 主な改革点を挙げると、まず第1に、失業保険の受給資格が厳格化された。 これまでは失業前の労働最低条件が週単位(地域の失業率によって異なり12−20週)が定められていたが、これが時間単位(同420−700時間)に変更された。 第2に、失業保険給付率の条件が厳格化された。これにより過去に失業保険を受給したことがある人はその期間に応じて失業保険の給付率が低下することとなった。 第3に失業保険受給期間が変更された。最低受給期間は14週で変更なかったが、最大受給期間は最も失業率が高い州でこれまでの50週から45週に引き下げられることとなった。 こうした失業保険制度改革により、政府は96年度7億カナダ・ドル、97年度7億カナダ・ドル、98年度8億カナダ・ドルの歳出削減を見込んでいる。

2.州政府の財政再建
 
 カナダ各州の財政事情は、80年代を通じて概ね良好であったが、90年度以降は、カナダ国内の景気後退と連邦財政の引き締めによる連邦交付金抑制の影響を受けて、急速に悪化した。 州政府の財政赤字は金額的には連邦政府の財政赤字より小さいが、90年度以降の悪化の度合いは、連邦政府のそれをはるかに上回る急速な勢いであった。 カナダ全10州を合計した財政赤字額は88年度の49億カナダ・ドル(対GDP比0.8%)から、92年度には249億カナダ・ドル(同3.6%)と実に約5倍に膨れ上がった。 対GDP比でみると、連邦政府の財政赤字が89年度から92年度までの3年間に1.5%ポイントの上昇となったのに対し、州政府の場合は同期間中に2.8%ポイントも上昇した。 こうした財政赤字の急増を受けて、93年以降、多くの州債の格付けが格下げされることとなり、州政府は州財政の立て直しの必要性に迫られることとなったのである。

(1)歳出削減中心の赤字削減
 連邦政府の場合と同様、州政府の財政再建も歳出削減を中心に行われた。ほとんどの州で、医療保険や教育といった抵抗の強い分野も含めた政策支出の抑制が図られた。 92年度から95年度までの政策支出の平均伸び率をみてみると、州政府全体では0.1%の減少となったが、特にアルバータ州ではその削減が激しい(同5.8%減)。 同州は最も早く厳しい財政赤字削減計画を発表した州であり、大胆な公務員の削減や社会保障関連費の削減を含む赤字削減プログラムを作成し、連邦政府以上に厳しい態度で歳出削減に臨んだ。 州の歳出の約20%を占める医療部門の経費圧縮に大なたを振るう一方で、州議会議員と政府職員の報酬・給与を5%削減、職員の数も30%削減した。 また増税は一切行わず、医療保険料の引き上げなどに見られる徹底した受益者負担の哲学と公共支出削減を続けた。 同州は大胆な財政再建措置を導入したことで、他州政府に一つの財政再建のモデルを提供することとなった。

 また州政府の場合は、連邦政府とは対照的に、歳入面でも、多くの州で増税(大部分が間接税、個人所得税の増税)が行われ、赤字削減に貢献した。 州政府全体の92年度から95年度までの歳入の平均伸び率は4.4%と、同期間の連邦政府の伸び率(同2.7%)を大きく上回る勢いであった。

(2)財政均衡法の導入
 州政府の財政再建で特徴的なことは、財政赤字削減や債務残高削減について明確な長期計画を打ち出して実行していることである(ニュー・ファンド・ランド州以外)。 中には、財政均衡と債務解消を法律で義務付けている州もある。

 ニュー・ブランズ・ウィック州は財政均衡法を正式に導入した最初の州である。同州では4年を1期間として同期間中の累積財政収支が均衡することが義務付けられている。 アルバータ州では、93年の「財政赤字削減法」により、96年度までに財政収支を均衡させること、単年度における許容財政赤字額を超える部分は次年度で埋め合わせること、 政府見込みを超える歳入増加分は債務削減に用いることなどが定められ、95年の「財政均衡および債務解消法」では、97年度以降も単年度の財政赤字を認めないことが再確認された。 さらに債務残高を今後13年で解消する計画を盛り込んだ法律も96年に制定された。 サスカチュアン州の財政均衡法では、総選挙後に今後4年間の財政計画を提示し、財政収支を均衡させることが政府に義務付けられている。 マニトバ州の「財政均衡・債務解消・納税者保護法」では、96年度以降の財政均衡が義務付けられているが、もしこれが達成できない場合は州首相、議員全員の給与を削減するといった罰則措置も設けられている。 また同法では増税については州民投票による決議を義務付けており、安易に増税による歳入不足の補填が実施できないようになっている。 ケベック州でも、96年秋に、単年度の財政赤字は次年度同額の財政黒字で補うことなどが規定された法律が制定された。

 なお、現在こうした法律が施行されていない州でも、ここ1、2年内をめどに法律化される方向で進んでいる。

3.評価と今後の課題
 
(1)評価
 上述のような連邦政府・州政府双方の赤字削減努力により、財政赤字は急速に縮小した。 連邦政府では3年度連続して財政目標を上回る赤字削減に成功し(第3図)、96年度は190億カナダ・ドルと、81年度以来の低水準になる見込みである。 また州政府では、10州のうち7州が96年度に財政均衡を達成すると見込まれている。 今まで手の付けられなかった社会保障関連支出にまで踏み込んで、政府の役割を徹底して見直し、このように財政赤字縮小を実現させた点は評価に値しよう。 特に州政府の場合は、連邦政府からの交付金が削減されるなかで、ここまで財政再建を果たしてきたことの意義は大きい。

 もちろんこうした財政改革は短期的な痛みを伴った(第4図)。大幅な公務員削減は失業率を高止まりさせ、個人消費の伸び悩みにつながった。 また大幅な歳出削減による政府支出の減少も、景気の足を引っ張った。 実質GDP成長率をみてみると、94年は米国経済好調を背景に外需の寄与が高く4.1%と高成長を遂げたものの、その後は95年2.3%(第2四半期には前期比でマイナス成長)、96年はさらに低下して1.5%となった。

 このように経済的な痛みを伴いながらも、財政改革が成功した背景としては、首相の強い公約や閣僚の結束はもちろんだが、やはり最大のポイントは国民の強い支持があったことであろう。 景気低迷、高水準の失業率という状況下でも、財政赤字削減の功績が評価され、クレティエン首相の支持率は今なお50%前後を維持しており、93年秋の総選挙後の支持率を上回っている。 またアルバータ州のクライン政権は、カナダで真っ先に財政赤字の削減に取り組んだ政権として高い評価を得ている。 財政再建を忠実に実施している政権あるいは政党に対する世論の支持の高まりは、カナダ国民の間に財政赤字、債務に対する高い関心と懸念が存在することを意味しているといえよう。

(2)今後の展望と課題
 最後に、残された懸念材料や課題を含めて、今後を展望しておきたい。

 上述のように、カナダでは国民の強い支持の下、フロー面での財政赤字削減は順調に進んできているが、ストック面での政府債務残高問題は引き続き深刻な問題となっている。 連邦・州政府合わせたネット債務残高を対GDP比でみてみると(第5図)、90年以降、財政赤字の拡大を背景に急増し、OECD諸国平均をはるかに上回るようになった。 96年は71%に達したと見込まれている。こうした巨額の政府債務残高を背景に、利払い費も多額にのぼってきている。 連邦政府の場合、利払い費は歳入総額の約3分の1(第6図)、州政府でも10州平均で約14%となっている。 こうした高い利払い負担は、財政赤字削減を妨げる要因となる。 OECDの推計によると、巨額な政府債務残高と今後の経済成長や実質金利見通しを考えあわせると、カナダは中期的に債務残高の対GDP比を上昇させないためには、 名目GDPの3%以上に相当する財政黒字(利払い費を除いたベース)を計上しなくてはならないという。

 また今後引き続き財政再建を進めていくうえで、懸念される材料を挙げておこう。連邦政府では、すでに大幅な歳出削減が行われているため、今後の政策支出削減の限界が問われるようになってきている。 州政府においては、オンタリオ州とケベック州の動向が不透明である。財政均衡を達成している州が多いなか、この2州はいまだに多額の財政赤字を抱えている。 10州全体の財政赤字はこの2州の財政赤字でほぼ説明される。こうした状況のもと、両州の財政再建が急がれるところではあるが、オンタリオ州では選挙公約である個人所得税の30%減税を99年度までに実施する計画である。 財政均衡と両立させるためには、95年度 から97年度まで、政策支出を12.5%削減することが必要とされているが、これだけの大幅な削減の実現性が疑問視されている。 またケベック州の場合は、一人当たりのCHST交付額が現在多いため、連邦政府によるこれらの大幅な削減が州の財政再建を妨げる可能性も心配される。

 以上のようなことから、今後も一層の財政再建努力が求められる。しかし、連邦・州政府ともにすでに歳出削減余地は限られてきているため、今後はさらに構造的・抜本的な改革が必要とされよう。 たとえば医療費については、連邦政府からの交付金が削減されるなかで、州政府がある程度のサービスを保ちつつ支出を削減していくためには、医療保険改革が必須である。 また公的年金制度の財政悪化は近年顕在化してきており、このままいくと、ベビーブーマー(第2次世界大戦後のベビーブームに生まれた世代)が老後を迎える頃には破綻する可能性も指摘されている。 こうした公的年金制度の抜本的見直しも早急に行われなくてはならない。

 こうした構造改革は、景気低迷期には抵抗が強く、なかなか手が付けられないものである。幸いカナダ経済は96年後半以降、力強い回復基調を示している(第4図)。97年は3%近 い成長が見込まれている。この景気回復の背景として、上述のような財政赤字削減に、物価の安定が加わり、インフレ期待の低下を通じて長期金利が大きく低下したことの影響は、無視できないと思われる。 カナダ経済が景気拡大局面にある今こそ、こうした改革に積極的に取り組むことが望まれよう。

 
(3月7日 経済調査部 高沢)