アルゼンチン共和国円建て債券についてのお知らせ

アルゼンチン共和国円貨債券保有者の皆様へ

 アルゼンチン共和国(以下「ア共和国」といいます。)は、債権者に対し一方的な内容の債務削減案を提示し、市場毎の交渉に入ろうとしています。ア共和国円貨債券(以下「サムライ債」といいます。)の債券の管理会社(以下「管理会社」といいます。)である当行は、ア共和国に対し、同債務削減案がサムライ債保有者(以下「本債権者」といいます。)にとって受け入れ不可能なものであることを伝えるとともに、早急にイタリア銀行協会関連組織であり最大の個人投資家層を抱えるTFA(Task Force Argentina)、欧米の機関投資家グループであるABC(The Argentina Bondholders' Committee)及び本債権者をはじめとする全世界の主要な債権者グループと協議する場を設けるように要請しております。
 また、当行は、全ての主要な債権者グループが一致団結してア共和国と交渉を行なう枠組みを構築することが重要であると判断し、TFA、ABC及び本債権者が協調する可能性を探るため、当行担当者をパリ、ローマ、ニューヨーク、サンフランシスコに派遣し、TFAの代表者及びABCの主要メンバーと面談致しました。以下、その概要をお知らせ致します。

TFA

債権者間の協調について

  • 全ての主要な債権者グループが協調してア共和国との交渉に臨む必要があることには賛同する。
  • TFAとしては、個人投資家をまとめることが先決であると考えている。TFAは、本債権者との関係では管理会社である当行と協力する旨の合意書を既に締結しているが、今後は、欧州の投資家グループに働きかけて個人投資家の連携を強化し、ア共和国と真の協議ができる枠組みを作りたいと考えており、総額80億ドル相当規模のスイスの投資家代表グループ及びドイツ銀行との協調を進めるつもりである。
  • 機関投資家グループとの協調は、個人投資家の連携ができた後に考える。但し、ABCとは現在も緊密な連絡を続けている。

IMFとの関係について

  • TFAは、IMFとも接触しており、IMFに対し、ア共和国の今回の債務削減案を受け入れる余地が全くないことを既に伝えている。

その他

  • TFAは、イタリア政府とも解決策をめぐって協議を続けている。

ABC

債権者間の協調について

  • 全ての債権者グループが統一的な行動をとることが重要であり、今回の面談を大いに歓迎する。ABC、TFA及び当行が中心となってグローバルな債権者グループを形成し、ア共和国との交渉に臨むことが重要である。
  • 個人投資家の連携を優先するTFAと協調するにあたっては、当行のサポートを期待している。

IMFとの関係について

  • ABCはIMFとも接触している。民間債務の再編がIMF及びア共和国が合意した条件の1つとされているため、IMFもア共和国と主要な債権者グループとの協議はに注目しているはずである。
  • 債務再編策が、ア共和国にとって実現可能であり、かつ債権者にとって妥協可能なものとなるよう、債権者間で議論を進めることが必要である。また、ア共和国から実現可能な債務再編策を引き出すためには、IMFの協力を得ることが不可欠である。

その他

  • ABCとしてコンサルタティブグループから脱退すべきか検討したが、脱退することでア共和国との交渉ルートが遮断される懸念もあり、現状ではコンサルタティブグループから脱退することは考えていない。

 今回の面談で、欧米投資家グループ間の協調は必ずしも十分でないことが判明致しました。TFAは、個人投資家グループを一致団結させア協和国に対する交渉力を増す方針を採用しておりますが、機関投資家との協調も視野に入れており、ABCと継続的に連絡をとっていることを確認致しました。当行は、ア共和国に対する交渉力を高めるためには、主要な債権者グループ間の協調を図り、世界各地の主要な債権者グループが参加する全世界的な組織を結成することが不可欠と考えております。当行は、既にTFAとの間で協調行動をとる旨の合意書を交わしておりますが、今回の面談で欧米の主要な債権者グループからも、各地の債権者グループが個別にア共和国と交渉を行なうのではなく、全世界の主要な債権者グループが一致団結してア共和国と交渉することへの理解が得られたことから、今後は、TFA及びABCとの協調を進め、日米欧合同債権者グループの結成にむけた折衝を継続することを予定しております。

(平成15年11月17日現在)

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