アルゼンチン共和国より発表された債務再編案についてのお知らせ
アルゼンチン共和国円貨債券保有者の皆様へ
平成15年9月22日、アラブ首長国連邦ドバイにおいて、アルゼンチン共和国(以下「共和国」といいます。)より下記のとおり共和国の債務再編案(以下「本再編案」といいます。)の概要が発表されました。本再編案は現時点における共和国からの概括的な提案に過ぎず、確定したものではございません。また、本再編案において、共和国は「全ての債権者を公平に扱うこと」を改めて約束しておりますが、その他の諸条件については、今後共和国より明らかにされていくことになります。
債券の管理会社といたしましては、本再編案を発表するに至った経緯、債務削減幅設定の具体的根拠等の開示を共和国に求めると共に、引続き、満額での元利返済を求めて交渉してゆく所存です。
一方、本再編案が発表された事実は、債権者の皆様にとって重要な事項であると判断されますので、下記の通りその概要をお知らせいたします(詳細につきましてはアルゼンチン大使館ホームページ / http://www.embargentina.or.jp/keizai/keizai.html も併せてご参照下さい。)。なお、本再編案に関する、共和国による正式な邦訳が準備中の段階で緊急に債権者の皆様にお知らせしなければならない関係上、本再編案の原文との間には齟齬がある可能性がございますことをご了承下さい。
記
- 対象債務総額
延滞中の公的債務計94,302百万 US$(公的債務総額の52.7%)
【内訳】 | 対象債務(Eligible Debt(*)) | 87,050百万 US$ |
---|---|---|
対公的機関 | 5,217百万 US$ | |
対民間金融機関 | 1,724百万 US$ | |
その他 | 311百万 US$ |
- 下記2.1)参照
2.債務再編案
1)対象債務(Eligible Debt):平成13(2001)年12月31日以前に発行された債券
2)以下のいずれかのリストラ債との交換等により、対象債務を75%削減する。
a)元本削減債(Discount Bonds)
b)元本は維持若しくは若干の削減であるが低金利かつ償還期間が長期の債券(Par Bonds)
c)キャピタリゼーション・ボンド(Capitalization Bonds)
(通常、利息を元本に加えてゆき、期中利払いの発生しない債券を意味しますが、その詳細は確認中です。)
d)上記のバリエーションとして利率が経済成長率によっては変動する債券も検討中。
3)平成13(2001)年12月以降、今後の交渉決着時までの間の金利を免除。
3.前提条件
(1)経済指標
今後5年 | 長期 | |
---|---|---|
経済成長率 | 3.8% | 3.0% |
アルゼンチンペソ対ドル実質為替相場(*) | 1.59 | 1.40 |
インフレ率 | 7% | 2.6% |
対GDPプライマリーベース財政黒字 | 3% | 3% |
- (2001年の消費者物価指数を1とする)
(2)その他与件
a)2004~2013年の間、国際機関宛元本返済無し(roll over)
b)2004~2018年の間、国内年金基金は新規運用資金の50%を国債で運用
c)政府向け税収担保付ロ-ン及びデフォルトしていない国債(BODEN)約弁額・償還額の35~75%をリファイナンス(実質リスケ)
(アルゼンチン政府発表の資料より抜粋・邦訳)
以上
株式会社東京三菱銀行 市場金融部 電話 03-3240-6922
(平成15年10月2日現在)