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浮世絵展「広重 魚づくし」 同時開催 小林清親 東京名所図

魚(うお)づくし(永寿堂版および山庄版 横大判錦絵)

風景版画の名手として知られ、花鳥版画も数多く制作している広重は、また、魚類を描いた「魚づくし」という連作もいくつか描いています。なかでも優れた出来映えを示すのが、永寿堂と山庄(山田屋庄次郎)から出された横大判の20枚からなる作品群です。魚づくしの中で最も早い天保3年(1832)頃に出されたと推定される永寿堂版10枚は、もとは狂歌師が自分たちで費用を負担し、仲間内での配布を目的に制作されたものです。最初の版には、書き込まれた狂歌に点数までが添えられていましたが、出来が良いために、この点数の部分を削除して一般用に売り出すようになったと推定されています。一方の山庄版の10枚にも狂歌が書き込まれていますが、最初から売り物として企画されたものと考えられます。いずれの作品も、当時流行の本草学的な関心をうかがわせる写生的な描写を持っていますが、単なる写生を越えて、格調の高い画面を作り出している点は、広重の感受性の豊かさのたまものといえるでしょう。

かさご・いさきに生姜   ぼらにうど

かさご・いさきに生姜

ぼらにうど

鯛に山椒   伊勢海老・芝えび

鯛に山椒

伊勢海老・芝えび

小林清親(こばやしきよちか) 東京名所図 (松木平吉版および福田熊次郎版 横大判錦絵)

小林清親(1847〜1915)は、幕府の本所米蔵役人の末子として江戸に生まれ、幕臣として伏見の戦に参加するなど明治維新の動乱を経験しました。写真術や油絵を学んだ後、斬新な描法「光線画」で浮世絵を革新しました。新しい手法の木版洋画ともいうべき光線画は、西洋文明の移入期にあって人気を博しました。「明治の広重」とも称される小林清親の光線画の作品群には、広重の作品に見られるような郷愁ともいえる情趣が漂っています。今回、明治9年(1876)から14年(1881)にかけて出版された光線画の代表作「東京名所図」の中から、江戸情緒を残す風景、文明開化が進む風景を描いた作品を抜粋して展示します。

駿賀町雪   梅若神社

駿賀町雪

梅若神社

 

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